江南の登場人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 10:17 UTC 版)
クワン 江南国の第2王子。初登場時の年齢は27歳。背が高くすらりとした体格と人を惹きつける華やかな容貌から、しばしば「孔雀」に喩えられる。隣国沙維では遊び好きのうつけ者という噂が流れていたが、江南が巨山の侵略を受けると、「海の民」の水軍を率いて敵を撃退し評価を一転させた。直後に沙維を訪れ、その美貌でたちどころに若い女性たちの間で人気者となる。 海竜商会の有力者の妹リンセの子として生まれ、幼少の頃は母の郷里の漁村で育てられた。側室の子であるため、正妃であるミナ王妃に疎まれ、しばしば生命の危険を伴う任務を押しつけられるが、そのたびに鮮やかに解決し、民間での人気は王族の中で最も高い。武勇に優れるのみならず、不満分子のもとに自ら乗り込んで彼らを説得するなど、政治手腕も極めて高い。 多くの人の心を惹きつける強いカリスマ性の持ち主だが、その裏には自分の故郷を滅ぼしたミナ王妃とキノ一族への激しい憎しみが隠されており、それが彼の人格に暗い影を落としている。また、王族としての自身の地位や権力者に対して強い不信感があるため、時に激情に駆られ、王妃一派が滅びるなら自国が滅びてもかまわないと言わんばかりの自暴自棄な態度をとり、周囲に諫められることがある。 リアン 江南国の第6王女でクワン王子の同母妹。初登場時の年齢は15歳。幼い頃に重い熱病にかかり、知能に障害を持つ。兄のクワンと老いた乳母以外の者には心を許さず、しばしば暴れるのをなだめるのに甘いものを食べさせられ続けた結果、異様に肥満している。 セオ 江南国の王立学院出身の若者。クワン王子とは同郷の幼馴染で彼の腹心を務める。クワンの密命を受けて、国内外を偵察し貴重な情報を収集・分析するほか、さまざまな献策を行うなど大変な切れ者。クワン同様、故郷の村を滅ぼしたミナ王妃とキノ一族の打倒を心に誓い、その目的のためには手段を選ばない冷徹な一面がある。クワンに対しては絶大な忠誠心を抱く一方、時に王子としての立場を軽視するような投げやりな態度や権力に無頓着すぎる態度を取ることに、危なっかしさと歯がゆさを感じている。 江南王 クワン王子たちの父。もともと王位に即くはずであった兄王子を追い落として江南王に即位した。ミナ王妃とその実家であるキノ一族の専横を許し、戦災と天災に疲弊する国土に対して有効な対策を立てられないなど、政治手腕は決して高くない。 ミナ 江南王の王妃。国内を牛耳るキノ一族の当主の娘であり、第1王子ハヌルの母親。若い頃は絶世の美女と称えられたが、現在は肥満し顔には皺が現れている。クワン王子と彼の後ろ盾である海竜商会の存在を疎ましく思い、王を動かしてしばしばクワンに危険な任務を与えている。有力貴族の娘として幼い頃から人々にかしずかれて育ったため、自分の考えは必ず正しく、周囲の人間が自分の意を汲み取って動くのは当然だと思っている。 ハヌル 江南国の第1王子。初登場時の年齢は30歳。ミナ王妃の実子でクワン王子の2つ上の異母兄。病弱で王宮の外をほとんど出ず、政治の方面でも自らの力で業績を上げたことがないため、民間での評判はクワン王子に及ばない。決して悪意ある人物ではないが、母親のミナ王妃に溺愛され何不自由なく育ったため、父母の言動を疑わず、国内の矛盾にもまったく気づかない鈍感な人物となってしまっている。 ヘス キノ一族の末端に連なる男。ミナ王妃の意を受け、クワン王子の失脚をたくらむ。 テジク 江南国の大臣の1人。王宮でも五本の指に入るという実力者で多くの荘園を抱えている有力な地主でもある。クワン王子の優れた資質を早くから評価する一方、キノ一族との関係とクワンの為人に対する不安から中立の立場をとっていた。ソニンやイウォル王子との交流を通してクワンが変わったことを感じ取り、彼への好意を強くするようになる。
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