晩年の苦境とは? わかりやすく解説

晩年の苦境

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 13:44 UTC 版)

近藤日出造」の記事における「晩年の苦境」の解説

1965年昭和40年)、新たに漫画科(通称漫画学校」)が創設され専修学校東京デザインカレッジの理事特別講師就任した。これと並行し近藤と、当時三協美術印刷」を経営していた菅生1967年昭和42年)末、新生漫画社」から『漫画』を復刊させた。 この復刊版『漫画』はA4判上質紙60ページという雑誌としては異例パッケージ取次業者敬遠され、ほとんど販売ルートに乗らなかった。また、若手漫画家をほとんど起用しなかった。峯島はこの復刊版『漫画』について、漫画編集者立場から「新鮮味のある内容ではなかった」「『漫画』がそのまま復活したような感じ」「熟年雑誌」「時代逆行甚だしい」と酷評している。復刊版『漫画』は翌年1968年昭和43年)に廃刊し、「漫画社」は2000負債抱えた(「漫画社」は以降数年間のみ債務を持つだけの休眠会社となり、近藤その間、自ら社主として「漫画アイデアセンター」を新たに設立している)。 さらに、東京デザインカレッジの元役員放漫経営発覚。3億5000万円にのぼる負債抱えていることが判明したうえ、残され理事いつの間に連帯保証人にされ、近藤含めて1人あたり3000万円の借金返す算段迫られた(同校1969年末に倒産)。そして、1969年昭和44年)から翌年にかけては、近藤個人による長期連載仕事相次いで終了した近藤借金返済と、漫画社で「働いていた若い人働き場」のため、政党事業団体がPRとして配布するための、広告およびパンフレット制作請負事業乗り出すことにした。『漫画』に付録アンケート送ったことのあった笹川良一通じ自由民主党とのあいだで、党が近藤らの作った冊子買い取って負債補填する計画まとまった1969年近藤杉浦那須牧野圭一大下健一執筆による漫画パンフレット安保がわかる』が発行された。漫画社の専務(のち社長)・樋口によれば、1冊あたりの買い取り定価50円程度設定し80出版し全国図書館・学校のほか、財界宗教団体行き渡ったという。主要な報道メディア論調日米安保条約破棄する立場に傾いていたため、近藤激し批判さらされることとなった。このほか政界向けの公害問題パンフレット鼻毛』(1971年)、民社党政策集『心配にっぽん、この道がある』(1972年)、外務省広報課パンフレットこれから日本外交 大平外務大臣聞く』(1973年)などを発行した近藤1972年昭和47年)に、一時休眠していた「漫画社」を再建。「漫画集団」との連携深め集団メンバーのうち杉浦幸雄横山隆一取締役鈴木義司富永一朗らが株主となった牧野圭一加藤芳郎はのちに株式手放し漫画社との関係を絶った)。「漫画社」は電気事業連合会電事連)のパンフレット電気は心 原子力発電考える』(1974年)を皮切りに原子力発電関連広報着手以降長年、「漫画社」は電事連事実上窓口となり、年間150万円看板料で「漫画集団メンバーに、広報のための漫画カット請け負わせたとされる。このことについても、近藤死後刊行され雑誌COMIC BOX』などで大きな批判受けた近藤1976年昭和51年1月読売新聞社近くレストラン夕食とってい最中脳卒中倒れ慈恵医大病院運ばれた。利き手側の右半身麻痺言語障害後遺症残り同年5月日本漫画家協会理事長辞任し同年9月読売退社以降引退態となった。この前後、次男1973年)と妻(1978年)に相次いで先立たれている。 1979年昭和54年)、肺炎のため転院先の東京江古田武蔵野療園病院死去71歳没。死去時点で、「漫画学校」関連債務が6万円残っていたという。死後横山隆一次男によって自叙伝草稿発見された。『近藤日出造世界』にその多く収録されている。

※この「晩年の苦境」の解説は、「近藤日出造」の解説の一部です。
「晩年の苦境」を含む「近藤日出造」の記事については、「近藤日出造」の概要を参照ください。

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