日本の賃金決定機構における機能とは? わかりやすく解説

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日本の賃金決定機構における機能

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 11:51 UTC 版)

人事院勧告」の記事における「日本の賃金決定機構における機能」の解説

給与勧告国家公務員一般職非現業職員の給与対象とするが、公務員給与法制上、公共部門全体給与水準がこれに連動し、また一部民間給与にも逆作用するため、日本賃金決定機構において重要な機能持っている高度経済成長期にあっては春闘相場設定自体大きな影響を及ぼすこともあった。このためマルクス経済学立場から、人事院給与勧告を「国家独占資本主義段階における賃金決定過程への国家直接的介入」「政府イニシアティブによる賃金水準統制」と規定する研究者もいる(神代1973、p.105)。また、大局的には、消費経済動向影響与えることになる。 公務部門 人事院給与勧告公務員全体給与水準対す強い影響力持っている人事院給与勧告直接対象とする国家公務員給与法、任期付職員法、任期研究員法の適用職員2009年1月15日現在、292405人)である。また他の公務員給与法により大臣裁判官裁判所職員国会職員防衛省職員自衛官含む)等特別職職員(約30万人)及び検察官(約3千人)が勧告準じて措置される。 行政執行法人(約7千人)の職員の給与労使団体交渉(または中労委仲裁裁定)によって決定されるが、その際給与適用職員の給与考慮することが定められており、勧告の強い影響下にある。 地方公務員にも勧告大きな影響を及ぼす地方公務員一般職職員の給与は、首長提出した給与条例改正案議会可決成立させることで改定され都道府県政令指定都市においては人事委員会事前に首長に行う独自の給与勧告給与改定主導している。この人委員会勧告と、給与条例改正案は、人事院給与勧告にならうことが多い。ただし、その程度には差が見られる早川1979、p.259)。 公務員以外の公共部門 行政執行法人以外の独立行政法人非公務員型職員数約75千人並びに国立大学法人(約129千人)の職員の給与労使団体交渉通じて決定されるが、「社会一般情勢適合」させることが定められている(独立行政法人通則法63第3項)。また、独立行政法人国立大学法人特殊法人及び認可法人等の給与水準は、毎年公表総務大臣への届出をすることが義務付けられており、人事院はそれにあたって、これらの法人2008年度208法人)と国家公務員との給与比較指標作成し、各法人総務省提供している。このような制度取り組みにより、非公務員である政府関係機関職員の給与直接または間接的に勧告影響受けている。 これらの機関のほかにも勧告直接的間接的影響指摘されている機関には、公共組合、国及び地方公共団体系の公益法人地方独立行政法人地方特殊法人地方住宅供給公社土地開発公社など)なども挙げられており、その範囲公共部門全般にわたっている(早川1979年、p.264) 民間部門 給与勧告民間給与を基に決められるが、これが直接または国、地方公共団体及び政府関係機関職員の給与媒介して民間給与にも一定度逆作用する具体例としては、私立学校私立病院農業協同組合、(春闘参加できない中小企業等が挙げられている(早川1979)。中小企業多く給与勧告後の夏から秋にかけて賃金改定行い、その中の一定数が勧告基準としているとされる。 なお、給与勧告根拠となる「職種民間給与実態調査」は職種役職年齢等の給与決定要素別に集計されているという特色から、民間企業賃金決定資料として活用している。労務行政研究所企業賃金決定のための資料として発行している『規模別・地区別・年齢等でみた職種民間賃金実態』には、同調査が収録されている。

※この「日本の賃金決定機構における機能」の解説は、「人事院勧告」の解説の一部です。
「日本の賃金決定機構における機能」を含む「人事院勧告」の記事については、「人事院勧告」の概要を参照ください。

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