日本におけるCOD
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 01:50 UTC 版)
「化学的酸素要求量」の記事における「日本におけるCOD」の解説
日本の環境基準等において使用される酸化剤は、測定に長時間を要するBODの代替指標との意味合いから、比較的酸化力が弱く生物分解性有機物の酸化に近い過マンガン酸カリウムによる酸性高温過マンガン酸法 (CODMn) が採用されている。 これに対して、有機物全量を推定するものとして、強力な酸化剤である二クロム酸カリウムによるCODCrがある(ちなみに二クロムの冒頭の二は数字の2の漢字表記。かつては、重クロム酸カリウムと呼ばれた)。 日本においてCODMnを採用したことには、生物分解不可能な有機物質は「酸素消費」という環境問題の原因物質でないことから、環境基準をはじめとして環境規制の対象としなかったとの経緯がある。また、典型的な環境問題、公害問題として六価クロム汚染があるなか、この六価クロム(二クロム酸カリウムはその一つ)を使用する測定方法を採用しにくかったこともCODMn採用の消極的理由とされる。このように、様々な解釈や評価のあるCODMnであるが、特にCODMnと長期間BOD(例えばBOD20)などとの間には、その水中の物質、物質構成によってはその測定値に相当の開きがあることもあり、その代替指標性について疑問が呈せられる場合がある。 また、有機炭素を簡易に測定できるTOCが普及したことにより、CODCrに替わり特に学術的にはTOCが全有機物を表す指標として採用される状況にある。
※この「日本におけるCOD」の解説は、「化学的酸素要求量」の解説の一部です。
「日本におけるCOD」を含む「化学的酸素要求量」の記事については、「化学的酸素要求量」の概要を参照ください。
- 日本におけるCODのページへのリンク