日常生活における意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 00:25 UTC 版)
日常生活における廃語とは、かつて使われていた単語や言い回しで、今は使われなくなったものをいう。赤紙、銃後、女子挺身隊のような歴史的事象、永久就職のような時代にそぐわなくなった事象のほかにも、洗濯板や日光写真のような生活上の道具やおもちゃで今では見かけることのなくなった物品など、言葉が指し示すものが現在では使われなくなれば、言葉も使われなくなって廃れていくこともある。また、ある単語や言い回しが別の語に置き換わったために、元の単語が使われなくなっていく場合もあり、例えば写真機、幻灯機のようにカタカナ表記の外来語で置き換えられたものや、外来語でもエゲレス→(イギリス)など時代と共に表記が変わったものは廃語となっている。一部の意味が廃語となることもあり、歴史家の笠松宏至によると室町時代の「中央」という言葉には「猿楽の中央でお帰りになった」など「途中」という意味があったが、これは日本中世史が専門の笠松にとってすら当初は意味不明であったという。また、語が意味するものは存在していても対義語に当たるものがほぼ消滅した(前述の通り廃語になった)ために、区別が不要となって廃語となった複合語もある。直通電話、ブロードバンド、マキシシングルなどがこの例といえる。 流行語は、時と共に廃れて廃語となりやすい。ただし、全く使われなくなるとは限らず、特に使用者の年代によっては未だ使われている語句もある。例えば一部の廃語と化した流行語(「ナウなヤングにバカウケ」など)は「場を盛り下げる危険な死語」として逆によく認知されており、その言葉が生きていた時間より廃語として語り継がれる時間の方が長い言葉も少なくない。故意にそれを用いてウケを狙うようなことも行われる。 一般に古い時代の言葉ほど若い世代の間での知名度は低くなるが、例外もあり、例えば戦時中等の言葉(防空壕、闇市、赤紙等)は、1980年代の「なめ猫」等よりも青年層の知名度は相対的に高い。これは戦時中がドラマや映画等の舞台になることが多く、劇中でこういった言葉が使われるからである。
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