打ちこわしの主参加者とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 打ちこわしの主参加者の意味・解説 

打ちこわしの主参加者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 15:30 UTC 版)

天明の打ちこわし」の記事における「打ちこわしの主参加者」の解説

天明江戸打ちこわし参加者実数不明であるが、総勢5000人ほどであったとの記録残っている。そして天明8年1788年2月江戸町奉行により逮捕者判決言い渡しなされたが、その際記録から逮捕者42名、逃走中とのこと指名手配者が5名いたことが判明する江戸全体巻き込み町奉行制圧作戦功を奏しなかったほどの大騒動であった割には逮捕者極めて少ないが、これは同時代の他記録でも打ちこわしでの逮捕者4050程度少数に留まったとされており、逮捕者42名、指名手配者5名というのはほぼ実数であると考えられている。これは庶民参加者である打ちこわしでは多く参加者混乱の中逃げおおせたこと、そして町奉行所打ちこわし乗じて盗みを行う者を中心に取り締まったという事情の他に、実際打ちこわし時に拘束された人ははるかに多かった考えられているが、打ちこわしとともに、米の買い占め売り惜しみ走った米屋拘束されており、打ちこわし米屋打ちこわし勢とのケンカであるとの処理がなされ、多く打ちこわし参加者放免されたためと考えられる北町奉行柳生久通判決言い渡した逮捕者37名、指名手配者5名については、その記録から逮捕指名手配者の出自などが研究されている。記録によれば全員江戸在住であるが、家持ち地主一名もおらず、そのほとんどが借家住まいであった。しかも住所職業から判断するいわゆる九尺二間長屋のような裏店借生活を営んでいた者がほとんどであると考えられる。また出身判明している30名のうち、江戸生まれ23名、江戸近郊農村から流れてきた者が7名であった江戸流れてきた7名について経歴詳しく見てみると、明和から天明期にかけて江戸にやってきており、宝暦以降関東農村進行していた農村での階層分化によって農村生活が困難になり、江戸流れてきたことが示唆される。また同時期、江戸のような都市では都市階層分化によって下層貧民増大しており、農村生活が困難になった農民たちが離村して流入し都市下層貧民新たに合流するといった事態発生していたと見られている。 打ちこわしでの逮捕指名手配者は基本的に自らの住む町内か、近隣商家打ちこわしている。つまり自らの生活圏で米の売り惜しみ行った米屋などの商家打ちこわすといった行為の連鎖発生した考えられる中でも注目されるのが打ちこわしでの逮捕指名手配者の生活の不安定さである。逮捕指名手配者のうち27名では現住所での居住年数判明しているが、10年以上住んでいた者が8名に過ぎないのに対し12名の者が居住期間1年未満であった。これは江戸下層貧民不安定な経済的基盤しか持ち得ないため定住性希薄であることに起因していると考えられ住所定まることなく転居繰り返す人々増加は、幕府後ろ盾もあって形成されてきた都市共同体秩序が緩むといった事態発生していたことを示している。その一方で現住所での居住実績長い人も打ちこわし参加していることから、同一町内ある程度の期間住んでいる長屋住まい下層民の間に結ばれていた関係性打ちこわし形成となり、それに転居繰り返す不安定な下層民が加わって生活苦もたらした商家打ちこわすといった構図連鎖なされたとも推察される。そして打ちこわしでの逮捕指名手配者のうち、無宿は1名に過ぎない点も注目される。これは貧窮のあげくに家を失った無宿ではなく生活苦無宿追い詰められる一歩手前の裏店借生活者たちが打ちこわし主導しており、無宿者主として打ちこわし時に米を盗み取るなどといった行為に出たとされている。 打ちこわし勢を統一して組織指導行った指導者存在については、これまでのところ記録確認されていない天明江戸打ちこわしは主に米の売り惜しみをしていると目されていた米屋主なターゲットとし、その地域近隣民衆中心となって実行された、つまり不満が鬱積した民衆たちの間で自然発生的に発生連鎖したのであるが、先述のように江戸町内の各所蜂起意図説明した木綿旗が立てられたことや、打ちこわし開始当初は高度な統制取れていたことなどから、打ちこわし主導する指導者層の存在想定する説がある。 また打ちこわしでの逮捕者判決では、打ちこわしのみで盗みを行わなかった者たちに対す判決比較軽く盗み関与した者の判決重くなった。しかし最も重い判決でも遠島であり、死罪となった者はいなかった。判決罪状としては「徒党禁止」を破ったという点とともに将軍お膝元である江戸で騒動起こした点を厳しく指摘していた。

※この「打ちこわしの主参加者」の解説は、「天明の打ちこわし」の解説の一部です。
「打ちこわしの主参加者」を含む「天明の打ちこわし」の記事については、「天明の打ちこわし」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「打ちこわしの主参加者」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「打ちこわしの主参加者」の関連用語

打ちこわしの主参加者のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



打ちこわしの主参加者のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの天明の打ちこわし (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS