各国における少子化の状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 05:49 UTC 版)
出生率2.1以下初記録順位 国名 記録年 フランス 1915年 ドイツ 1917年 イギリス 1918年 スウェーデン 1928年 米国 1938年 日本 1957年 カナダ 1972年 イタリア 1977年 ニュージーランド 1978年 オーストラリア 1976年 スペイン 1981年 ポルトガル 1982年 韓国 1983年 台湾 1984年 中国 1995年 出生率1.3以下初記録順位 国名 初記録年 出生率 香港 1989年 1.30 ドイツ 1992年 1.29 イタリア 1993年 1.26 スペイン ブルガリア 1995年 1.23 ラトビア 1.27 チェコ 1.27 ギリシャ 1.28 スロベニア 1.29 マカオ 1.24 ロシア 1996年 1.27 エストニア 1998年 1.28 ハンガリー 1999年 1.28 スロバキア 2000年 1.29 ルーマニア 2001年 1.23 リトアニア 1.29 韓国 2002年 1.17 ポーランド 1.25 台湾 2003年 1.24 日本 1.29 シンガポール 1.27 ポルトガル 2012年 1.28 中国 2020年 1.30 詳細は「国の合計特殊出生率順リスト」を参照 欧米の先進諸国は世界でもいち早く少子化を経験した地域である。ヨーロッパの人口転換は戦前に終了していたが、アメリカ合衆国では1950年代後半にベビーブームが起きた。 1960年代には欧米は日本より合計特殊出生率が高かったが、1970年代には日本の緩やかな低下とは対照的に急激な低下が起こり、1980年代前半には日本ともほぼ同水準に達した。ただし、欧米では移民を受け入れていたので、これが人口低下には直接通じなかった。 1980年代中頃までは多くの国で出生率は低下し続けたが、1980年代後半からはわずかに反転あるいは横ばいとなる国が増えている。アメリカやスウェーデンなどは1990年に人口置換水準を回復したが、その後再び低下した。多くの国では出生率回復を政策目標とはせず、育児支援などは児童・家族政策として行われている。 南欧では1970年代後半から合計特殊出生率が急低下し、イタリア・スペインでは1.1台という超低出生率となった。伝統的価値観が強く、急激に進んだ女性の社会進出と高学歴化に対応できなかったことが原因とみられる。1990年代後半以降、法制度面の改善と規範意識の変革により、出生率の持ち直しが見られる国もある。 東欧・旧ソ連では計画的な人口抑制政策や女性の社会進出が早かったことなどから、もともと出生率が低かった。また1980年代以降、経済停滞や共産主義体制の崩壊などの社会的混乱による死亡率の上昇が生じ、20世紀中に人口減少過程に入った国が多い。 韓国、台湾、香港、シンガポールなどのNIESでは1960-1970年代に出生率が急激に低下し、日本を超える急速な少子化が問題となっている。2003年の各国の出生率は、香港が0.94、台湾が1.24、シンガポールは1.25、韓国は1.18である。家族構成の変化や女性の社会進出(賃金労働者化)、高学歴化による教育費の高騰など日本と同様の原因が指摘されている。 中国やタイでも出生率が人口置換水準を下回っている。多くのアジア諸国では出生率が人口置換水準を上回っているものの低下傾向にある国が多い。 また、出生率の統計は出所によって数値が大きく食い違う国(ナイジェリア、韓国ほか)があることが指摘されており、ザ・ワールド・ファクトブックを含めてすべての調査機関が独自の修正を行っている。
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