前奏曲とパルティータとは? わかりやすく解説

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バッハ:前奏曲とパルティータ ヘ長調(第3旋法による)

英語表記/番号出版情報
バッハ:前奏曲とパルティータ ヘ長調(第3旋法による)Praeludium e partita del tuono terzo BWV 833作曲年: 1708-14年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 プレリューディウム(アンダンテ) Prelude (Andante)1分10 No Image
2 アルマンド Allemande3分00 No Image
3 クーラント Courante2分00 No Image
4 サラバンド Sarabande1分00 No Image
5 ドゥーブル(アレグロ) Double (Allegro)1分00 No Image
6 エールアレグロ) Air (Allegro)1分30秒 No Image

作品解説

2007年11月 執筆者: 朝山 奈津子

6楽章:プレリューディウム(アンダンテ)、アルマンドクーラントサラバンド、ドゥーブル(アレグロ)、エールアレグロ

 前奏曲小組曲である。バッハ創作史の中では、おそらくきわめて初期成立したもので、年代特定できないヴァイマール着任以前とみられる。《メラー手稿譜》所収資料については《フーガ イ長調 BWV949》参照)。ラテン語イタリア語合わせたタイトルバッハ作品としては珍しく様式の上からも偽作との疑いかけられた。が、バッハ長兄、オルードルーフのヨハン・クリストフが筆写していることから、現在ではヨハン・ゼバスティアン真作みなされている。とはいえ、この「第3旋法の」という言葉何を指しているのかはよく判らない旋法概念実態古代から17世紀に至るまで多様なあり方を示すが、どの時代のどの理論書とっても第3旋法ヘ長調とは似ても似つかないからだ。また、バッハ書いたこの組曲明らかに調性による音楽であり、旋法響き感じられない
 プレリューディウムは2分の3拍子、古い様式志向する拍子書かれている。3声の近接模倣ですすむ。単純な作りだが、後半主題反行形思わせる動機現れる
 アルマンドは、バッハのこの種の曲としては珍しく同音反復主題とする。この動機のせいか、せわしない印象をうけやすいので、あまり速くならないようテンポ注意せねばならない
 クーラント3拍子装っているが、実際は2小節でひとまとまりをなしており、4分の6拍子、すなわち複合2拍子で進む。冒頭小節明らかにアルマンドからの続き意識したもの。また、同じ音をアウフタクト3度打ち鳴らす動機がすぐに聞こえ始める。
 サラバンドバッハ後年組曲にはほとんど見られないような、一種軽快さを示している。舞曲リズムは本来、3拍子の2拍目に来るはずだが、サラバンド本体にも、ドゥーブルにもこの特徴みられない。しかし、これらを速いテンポで弾くのは誤りであって、ドゥーブルの「アレグロ」とはせいぜい、もたつかぬように注意を促す標語解釈すべきだろう
 組曲エール締めくくられる。これは舞曲ではなくフランス語で「歌」、すなわちイタリア語の「アリア」に相当する言葉である。が、エールアリアバッハ厳密に区別してたようだ。この曲は8小節回帰主題自由な展開部分が交互に現れフランスロンドー形式になっているまた、最後イタリア語で「ダル・セーニョ」の指示があるが、これはイタリアアリア典型であるところのダ・カーポ形式完成させるのでなく、回帰主題再現するためのものである。なお、回帰主題では、主題バス声部置かれている。




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