公共事業の見直し - 千歳川放水路の中止とは? わかりやすく解説

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公共事業の見直し - 千歳川放水路の中止

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 07:39 UTC 版)

石狩川」の記事における「公共事業の見直し - 千歳川放水路の中止」の解説

このように石狩川水系明治時代から現在に至るまで、様々な河川整備実施されたわけであるが、近年環境問題への関心の高まり公共事業対す見直し論議の風潮全国河川総合開発事業多大な影響与えた石狩川水系例外ではなかったが特に注目されたのが「千歳川放水路計画」である。 千歳川先述のように水力発電開発先行し治水大きく立ち遅れていた。本川にはダム建設適地が無い上陸地より千歳川水面高く堤防建設して出水によって容易に水害起こす河川であった。さらに下流部では河川勾配が緩やかで地形的に石狩川本川河水流入しやすく、洪水の際には長期間湛水被害生じる。このため2年から3年一度割合浸水被害を伴う水害流域もたらしており、1981年水害では最も千歳川流域被害大きかった。 既に1980年昭和55年支流漁川漁川ダム完成していたが、下流湛水被害抑止するためには放水路による洪水調節最善であると考えた北海道開発局1982年昭和57年)の『石狩川水系工事実施基本計画』の全面改訂時に千歳川放水路計画盛り込んだ30,000年前の旧石狩川流路ベース太平洋洪水放流し石狩川河水侵入水門防御する計画である。だが、放水路建設予定地ウトナイ湖を含む湿地帯があり、貴重な動植物宝庫であることから自然保護団体千歳川漁業協同組合猛烈な反対運動展開し流域治水安全度高めたい千歳市などの流域市町村対立した事業そのまま全く膠着化し事態の打開を図る必要性迫られたことから北海道は「千歳川流域治水対策検討委員会」を1997年平成9年)に設置賛成派反対派双方意見調整治水対策検討議論したその結果1999年平成11年7月委員会事業主体開発局対し放水路計画の中止諮問河川行政管轄する建設省は「千歳川放水路計画」の中止発表遊水地併設した堤防増強主体とした総合治水対策を行うこととなり、2005年平成17年)に『石狩川水系千歳川河川整備計画』に正式に盛り込まれた。この治水対策ヨーロッパが現在行っている治水対策限りなく近い。広大な北海道だからこそ可能だとの指摘もあり、本州河川実現可能かは疑問の声もある。だが河川出来るだけ介入せず治水対策を行うこの手法は岡崎文吉目指した「自然主義」に通じ近年環境保護思想高まりもあって岡崎治水思想再評価されている。国土交通省今後治水対策一環である「自然化工法」を治水手法一つとして検討しており、今後この手法が北海道外一級水系採用される可能性はある。 ダム事業に対して公共事業見直し機運から事業中止ダムもあり、千歳川の右支川である嶮淵川計画されていた「嶮淵ダム建設事業」が中止されている。これは堤高44.4mのロックフィルダムであるが、堤長が1,174mあり、総貯水容量135,100,000トン擁する巨大ダム計画であった北海道開発局農業水産部による「国営道央かんがい排水事業」の中心事業として計画され日本最大農林水産省直轄ダムで、上水道工業用水道目的有する多目的ダムであったこの他農林水産省直轄ダムとしては「北海ダム建設事業」(奈井江川)が中止している。 治水目的とした多目的ダム事業では『幾春別川総合開発事業』の事業縮小2005年国土交通省から発表され三笠ぽんべつダム特定多目的ダムから治水ダム規模縮小された。この他当別ダムについては市民団体が「無駄なダム事業」として建設中止要請事業主体北海道ダム事業再評価行った札幌市小樽市石狩市等の要請もあり事業継続となった。だが市民団体ダム事業撤回目指し現在も活動している。

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