会津四十万石改易事件とは? わかりやすく解説

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会津四十万石改易事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 05:23 UTC 版)

天秀尼」の記事における「会津四十万石改易事件」の解説

天秀尼千姫通じた徳川幕府との結びつき強さ物語事件会津騒動とも云われる加藤明成改易事件がある。事件記述は『大猷院殿御実紀』巻53寛永20年1643年5月2日条にあるが、『大猷院殿御実紀』には改易事実記したあとで、「世に伝うる処は」と経緯記している。従ってその経緯幕府記録日記)に基づくものではない。また、その「世に伝うる処」の内容作者不明の『古今武家盛衰記』の記述酷似している。しかしながらその両方ともに東慶寺天秀尼出てこない。 天秀尼事件の関係を記した史料正徳6年1716年)に刊行された『武将感状記』という逸話集と、文化5年1808年)に水戸藩史館編纂された『松岡東慶寺考』である。『武将感状記』巻之十の「加藤左馬助深慮の事/付多賀主水野心依て明成所領召上げらるる事」にこうある。 その身は高野入り妻子鎌倉比丘尼所に遣わしぬ。・・・鎌倉逃れた主水妻子を、明成人を遣わして之を縛りて引きよせんとす。比丘尼住持大い怒りて、頼朝より以来此の寺に来る者如何なる罪人も出すことなし然るを理不尽の族(やから)無道至極せり。明成滅却さすか、此の寺を退転せしむる二つに一つぞと 、此の儀を天樹院殿に訴へて事の勢解くべからざるに至る。此に於て明成迫って領地会津四十万石差上げ衣食の料一万石を賜り石見山田蟄居せらるる。 「天樹院殿」(千姫)が出てくるので「比丘尼所」(尼寺)とは東慶寺のこと。「比丘尼住持」とは天秀尼のこと、「天寿院」ではないので千姫没後書かれたものと判るもうひとつの「松岡東慶寺考」には 住持大い怒り古来よりこの寺に来る者いかなる罪人も出すことなししかるを理不尽の族無道至極せり。明成滅却せしむるか、此の寺を退転せしむるか、二つに一つぞ とあり、「頼朝より以来」は「古来」に修正されているが、それ以外上記武将感状記下線部とまったく同じである。『武将感状記』は「成田左衛門亡妻契る事」などと『雨月物語』まがいの話まで載せている逸話集であり、そのまま事実とみなす訳にはいかないが、当時将軍家所縁鎌倉尼寺加藤明成引き渡し要求応じなかったことが広く知られていたということは解る。堀主水の妻は確かに東慶寺天秀尼に命を助けられていたことが近年判明した。その妻の墓が会津あり、かつその妻が事件後に身を寄せていた実家古文書跋文経緯書かれていた。 (天秀尼は堀主水妻を)忝くも戒弟子となされ、剰え宝光院観誉樹林尼と法名を給わり、命を与え給ふ強く頻なり。されば明成殿も御威光置きかたく宥(ゆる)して、先祖黒川喜三郎貞得(主水妻の兄)に扶助すべしと給わりたるより… つまり明成折れて、堀主水の妻は会津加藤家改易より前に会津実家帰ったと。それも「明成殿」から「給わりたる」と。つまり堀主水妻の身柄明成元にあったということになる。これが事実とすれば武将感状記』に記され結末短絡しすぎで不正確であり、「事の勢解くべからざるに至る」ではなく解けた」ことになる。両方つなげて整合性を取るなら、会津藩武士東慶寺から堀主水妻達を寺側の制止振り切って強引に連れ去ったが、天秀尼猛烈な抗議折れて以下跋文通りとなる。両方とも後世文書であるので正確性には欠けるが、いずれにせよ主水の妻は東慶寺駆け込んでおり、かつ天秀尼義母千姫通じて幕府訴えて、その助命実現したことだけは判る

※この「会津四十万石改易事件」の解説は、「天秀尼」の解説の一部です。
「会津四十万石改易事件」を含む「天秀尼」の記事については、「天秀尼」の概要を参照ください。

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