乗数効果とは? わかりやすく解説

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じょうすう‐こうか〔‐カウクワ〕【乗数効果】

読み方:じょうすうこうか

経済現象において、投資政府支出などの経済量の変化が他の経済量に波及的に変化もたらし最終的にはもとの何倍かの変化生み出す効果


乗数効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/17 16:33 UTC 版)

乗数効果(じょうすうこうか、: Multiplier effect)とは、一定の条件下において有効需要を増加させたときに、増加させた額より大きく国民所得が拡大する現象である。国民所得の拡大額÷有効需要の増加額を乗数という。マクロ経済学上の用語である。リチャード・カーンがもともとは雇用乗数として導入したが、ジョン・メイナード・ケインズがのちに投資乗数として発展させた。


  1. ^ 雇用乗数」ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、コトバンクより。2015年3月14日閲覧。
  2. ^ 増淵勝彦、飯島亜希・梅井寿乃・岩本光一郎 『短期日本経済マクロ計量モデル(2006年版)の構造と乗数分析』〈ESRI discussion paper series no.173〉内閣府経済社会総合研究所、2007年1月http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis180/e_dis173.html 


「乗数効果」の続きの解説一覧

乗数効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 15:58 UTC 版)

公共事業」の記事における「乗数効果」の解説

公共投資は、それ自体需要増加させるだけでなく、公共投資から所得得た人が消費し、それがさらなる消費生むという乗数効果がある。公共事業費には、土地の購入費も含まれており、土地の購入付加価値を生み出さないためGDPには直接影響与えない森永卓郎は「公共投資景気拡大効果落ちてきているのは事実である。現在(2002年)の経済学者たちの検証明らかになっている。ただし、公共事業景気対策として即効性があるのは事実である。少なくとも投資総額分の効果はある」と指摘している。 経済学者ポール・クルーグマンは、道路ダムの建設などの社会資本の整備に使う公共投資の乗数効果は、1.5位あるとしている。 経済学者原田泰は「マクロ計量モデルによる近年(2009-2014年)の研究結果では、1兆円の公共事業をするとほぼ1兆円のGDP増えるという結果となる。政府支出増やせその分だけGDP増えるという結果である。これは乗数が1ということであり、乗数というほどの効果はないことになる。さらに、これは金融政策発動し結果であり、金融政策発動しない場合には乗数1以下になってしまう」と指摘している。 大竹文雄は「無駄な公共投資が、景気対策考えられていたのは、政府支出100%便益高めることになるというGDP計算上の仮定によっていただけである」と指摘している。 経済学者小野善康は「国民経済計算では、公共投資所得として計上される。これが誤解を生み、公共投資には所得増大効果があると思われているだけである。公共投資本当効果は、できた物の価値だけである。数字上での乗数効果だけが強調され批判する側も乗数効果が小さということ問題であるとしている。消費関数は、妥当性疑問である上、乗数効果という見せかけの効果根拠となった」と指摘している。 経済学者小塩隆士は「公共投資の乗数効果が発揮されるためには、いったん引き上げられ公共投資水準それ以降維持しなければならない景気上向きでない段階で公共事業水準元に戻してしまうと、公共投資はむしろ景気押し下げ要因になってしまう」と指摘している。

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乗数効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 23:20 UTC 版)

消費」の記事における「乗数効果」の解説

ケインズモデルにおいては消費consumption頭文字であるCで表される。 Cは最も簡易なモデルとして以下のように組み込まれる消費のみのモデル 国民所得(Y)Y=C 均衡国民所得Y=C+cY cは、消費性向意味し経済によって異なる。c=0.8は所得のうち消費80%を使うことを意味しcY所得によって増減する裁量消費支出呼ばれる。Cは最低限必要な消費支出であり、所得増減には影響されない限界消費性向c=0.8、基礎消費C=10として、この方程式を解くと、乗数効果により均衡国民所得50となる。 投資消費モデル 国民所得(Y)Y=C+I 均衡国民所得Y=C+I+cY 総投資 (I):I=10 上記のように投資考慮した場合国民所得50から100増加する増加した国民所得50のうち消費40されなかった総貯蓄10総投資10同額になる。

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乗数効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 06:28 UTC 版)

財政政策」の記事における「乗数効果」の解説

公共投資の乗数効果よりも減税の乗数効果の方が理論的に考えて小さく内閣府計量分析などによっても示されている。また、減税財政支出同時に行うと、結果として起こる変化区別が困難となる。 経済学者ポール・クルーグマンは、減税政策の乗数効果は、0.5程度しかないとしている。 経済学者岩田規久男財政支出が乗数効果を弱める要因として、 人々一時的な所得増加考え消費増やさない可能性 国債残高増加により、人々将来増税予想し消費抑制して貯蓄に走る可能性 国債残高増加により、金利の上昇・自国通貨高が起き輸出減った結果需要拡大効果相殺してしまう可能性挙げており、これは減税にも当てはまるとしている。 原田泰は「仮に、政府支出増大するGDPがその乗数倍だけ増えるというケインズ経済学考え正しければ、いくら財政支出拡大して債務残高の対名目GDP比率高くならないはずである」と指摘している。また原田は「ケインズ乗数高い失業率状況前提としている。そのような状況であれば乗数大きいことも考えられるが、いずれ雇用拡大しそれ以上拡大できない状況となる。どのような状況でも乗数大きいとは考えられない」と指摘している。 「(日本では財政政策の乗数効果は、経済構造変化によって低下している」という議論について、田中秀臣は「財政政策効果低下したのは、主に金融政策引き締めスタンス原因であり、そのことによって著しく乗数効果が落ちてしまった」と指摘している。

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乗数効果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:09 UTC 版)

ケインズ経済学」の記事における「乗数効果」の解説

乗数概念はもともとリチャード・カーン提案したのである一般理論では第10章乗数について述べられるが、ケインズ自身一般理論第10章冒頭において乗数概念リチャード・カーン功績であることを認めている。リチャード・カーン導入した乗数はもともと投資増分と総雇用増分について述べた雇用乗数であったが、ケインズはこれを応用して総投資増分所得増分に関する投資乗数導入した投資乗数とは次のように導き出される。ここで、国民所得増分をΔYとすると、ΔYは消費(C)投資(I)増分によって構成されるので Δ Y = Δ C + Δ I {\displaystyle \Delta Y=\Delta C+\Delta I} ここで限界消費性向を c とすると、 c = Δ C Δ Y {\displaystyle c={\frac {\Delta C}{\Delta Y}}} これをΔYの式に代入すると Δ Y = c Δ Y + Δ I {\displaystyle \Delta Y=c\Delta Y+\Delta I} これをΔYについて解くと Δ Y = 1 1 − c Δ I {\displaystyle \Delta Y={\frac {1}{1-c}}\Delta I} この .mw-parser-output .sfrac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .sfrac.tion,.mw-parser-output .sfrac .tion{display:inline-block;vertical-align:-0.5em;font-size:85%;text-align:center}.mw-parser-output .sfrac .num,.mw-parser-output .sfrac .den{display:block;line-height:1em;margin:0 0.1em}.mw-parser-output .sfrac .den{border-top:1px solid}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1/1-c は乗数呼ばれる。これは、総投資増加したとき、国民所得投資増分乗数倍だけ増加するということ示している。

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