中国における沈従文評価とは? わかりやすく解説

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中国における沈従文評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 07:07 UTC 版)

沈従文」の記事における「中国における沈従文評価」の解説

1930年代 〇劉西渭による批評「『辺城』与『八駿図』」(1935年) ・「彼には美の感覚があり、そこらに転がっている石の山から美を発見することができる。彼の小説には一種特殊な空気そなわっていて、それは今日中国の他の如何なる作家たちにも欠けている一種のびやか呼吸なのだ。(省略彼には美の感覚があり、そこらに転がっている石の山から美を発見することができる。彼の小説には一種特殊な空気そなわっていて、それは今日中国の他の如何なる作家たちにも欠けている一種のびやか呼吸なのだと、"生命"に宿る"美"を表現し得た作家として評価し、『辺城』は、二老が翠翠にうたって聞かせた恋歌である」。 建国直前郭沫若『斥反動文学』(1949年) ・『沈従文評価の変遷その1)』より小島久代氏は「反動文芸内容として、赤・黄・青・白・黒の5つ分類して沈従文は赤は赤でも「紅色的紅」つまりピンク色だといい、(省略)さらに、抗戦初期には「抗戦とは無関係」論を唱え抗戦後期には「作家政治参与することに反対」を叫び、いま「革命戦争によって反革命反対する戦争」をしているときに「民族自殺悲劇」だと称して革命から「遊離」した第3方面において新たに所謂「第4の組織」をたくらんでいると攻撃している。」。 建国後 〇王瑶『中国新文学史稿』(1954年) ・「だれかが沈従文のことを「スタイリストと言ったのは彼が優美な文字だけで作品こしらえあげているという意味である。むろん、沈従文にも表現しようとした思想が無いわけではなかった。すなわち、「都会人」への嘲笑野蛮な原始の力への賛美であった。(省略)ひとつの要素から、50いくつかの連想をうんだ、と彼もいっているが、観察と体験もせずに、空想だけで作品デッチ上げたので、数こそ多いが、内容にとぼしい。沈従文は、筋の組み立てには長じているが、成功作はない。」。 1979年 〇田仲済、孫昌煕主編『中国現代文学史』 ・「彼は淡々とした筆遣いで、小品散文の手法で、青年苦悶軍隊生活農村における民族及び苗族の生活を描き多様な題材と独特の芸術風格作り上げた。・・当時作家群の中で、農村から都会まで、接した面からいえば、たしかに沈従文ほど広範囲互るものはいない。彼は、接しただけでなくそれらをみな彼の創作中に収めた彼の作品曾て多く青年男女の心を感動させ、社会にも比較大きな影響あたえた。しかし、彼が接した体験したさまざまな生活は、結局これらの生活の内部まで深く掘り下げられることがなかった。・・彼はこれらの生活の素材に、中外古典の中のさまざまな物語伝説加え、さらに自分想像によって、大量著作をなした。その中の神秘的な美、抒情的色彩さらにはスリリング新奇な筋が読者好まれた。だが、どのような感じ与えたというといずれもぼんやりとした輪郭だけで、まるで霧の中の花、かくれたのようなものであった沈従文文章は、永遠に新鮮で活発であり、紋切り型になることはなかった。彼は、小品文筆法物語書き描写構成においては苦心のあとが見られるが、いつも筆にまかせて書きいささかも留意せず、書きたいことをどこまでも書いたので、浮ついて空虚で、確実性がないという文章スタイル形成し苦心配慮配慮もむだになり、随所題材を見つけて書く、運用自在な技巧がかえって致命性な足かせになった。」

※この「中国における沈従文評価」の解説は、「沈従文」の解説の一部です。
「中国における沈従文評価」を含む「沈従文」の記事については、「沈従文」の概要を参照ください。

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