メルセデス・ベンツ・Cクラスとは? わかりやすく解説

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メルセデス・ベンツ・Cクラス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/23 09:47 UTC 版)

メルセデス・ベンツ・Cクラス (Mercedes-Benz C-Class ) は、ドイツ自動車メーカーであるメルセデス・ベンツ・グループメルセデス・ベンツブランドで展開する乗用車である。現在はセダンステーションワゴンおよびオールテレインが用意されている。

概要

1993年に190シリーズ (W201) の後継車としてW202が登場し、Cシリーズの呼称が始まった。

当初は4ドアセダンのみであったが、1996年にステーションワゴン、2001年に2代目 (W203) の派生モデルである3ドアハッチバックのスポーツクーペ (SportCoupé) が登場した。2008年に同一プラットフォームで約1,100か所を変更し、フロントマスクを3代目 (W204) と共通意匠としたものを「CLCクラス」と改名して生産販売したが、2011年のフェイスリフトでCクラス・クーペが登場して3年弱で消滅した。2016年に歴代初のカブリオレが登場したが、5代目 (W206) へモデルチェンジに伴い、クーペとともにCLEへ統合された。2021年に歴代初のオールテレインが登場した[1]

モデル別販売台数はEクラスSクラスに次ぐ3位である。

最小回転半径は4.9 - 5.1 メートル (m) で、CセグメントBセグメントに匹敵する

ドイツジンデルフィンゲンブレーメン工場ほかインドメキシコエジプトインドネシアブラジルタイマレーシアでも生産し、日本向けを含む多くの右ハンドル車や4気筒エンジンモデルは南アフリカイースト・ロンドンのダイムラー・クライスラー南アフリカ (DCSA) 工場で生産していたが、3代目のW204から一部が変更されている。一部車種を除き、日本国内で正規輸入・販売されている新車には、「メルセデス・ケア」と呼ばれる3年間の購入保証システムが付属する。

メルセデス・ベンツ向けチューニングメーカーとしてAMGブラバス、ロリンザー、カールソンなどがある。

初代(1993年 - 2000年)W202/S202

初代 C280(米国仕様)

デザイナーはオリビエ・ブーレイで、外観は上下に伸びた三角形のテールライトが特徴。190シリーズに比して全長で70 ミリメートル (mm)、ホイールベースで20mm拡大し後席の居住性が改善されている。欧州では「クラシック」「エレガンス」「エスプリ」「スポーツ」と4種のトリム(インテリアの内張り)が用意され、各グレードで任意に選択することができた。

日本国内にはセダンとステーションワゴンのほか、AMGがチューニングしたセダンとステーションワゴンも導入された。

エンジンは、ガソリンが直列4気筒と6気筒、V型6気筒と8気筒、ディーゼルは直列4気筒と5気筒。最高出力は2.0LとなるC200が100 キロワット (kW) , 136 馬力 (PS) 、5.5LのAMG C55は255kW, 347PSである。

2代目(2000年-2007年)W203/S203/CL203

2代目 C240 前期型 (米国仕様)

2000年にフルモデルチェンジし、日本は2000年9月に発売した。開発コンセプトのダイナミズムとエレガンスを表現したコンパクトでスポーティなデザインである。セダンとステーションワゴンのほか、BMW・3シリーズコンパクトに対抗するモデルとして3ドアハッチバックのスポーツクーペもラインナップする。外観では、ひょうたん形のヘッドライトが特徴。

日本仕様のトランスミッションは、Dレンジのセレクトレバーを左右してチェンジ可能なティップシフト付き5速ATを搭載する。最小回転半径5.0mを実現するステアリングラック・アンド・ピニオン式を採用。

メルセデス・ベンツの内装を特徴付けていた実用性の高さ(誰が乗っても戸惑わない確実さ)は大幅に下がり、構成部品も一部簡略化され、革の材質をはじめとする内装の質感も同様にコストダウンされた。マイナーチェンジ後の後期型では品質改善がなされている[要出典]

従来メルセデス・ベンツのモデル名は数字の下2桁が排気量を示していたが、このW203型から法則が途絶えている。

3代目(2007年-2014年)W204/S204/C204

3代目 W204

2007年1月18日に正式発表され、欧州で3月31日に発売された。南アフリカ工場は従来のイギリスオセアニア向けモデルに加えてアメリカ向けモデルの製造が開始され、日本向けモデルはドイツで製造となった。

外観はヘッドライトを始めとしてW221型Sクラスに類似したデザインとなった。クラシックとエレガンスは従来通り、ボンネット上にメルセデス・ベンツのエンブレムである“スリーポインテッド・スター”のオーナメントを配し、アバンギャルドはグリル中央に大型のスリーポインテッド・スターを配した「クーペ・グリル」を採用してボンネット上にオーナメントはない。

C220 アバンギャルド

以降、本来“クーペ専用”と説明されていた「クーペ・グリル」は、クーペまたはアバンギャルドを表すアイコンとなっている。

4代目(2014年-2021年)W205/S205/C205/A205

4代目 W205(前期型)

日本では2014年7月11日にセダンが発表され、ステーションワゴン、クーペとカブリオレが順次導入された。テーマはアジリティとインテリジェンスで、キャッチコピーは前期モデルが「メルセデスの本気」、後期モデルが「メルセデスの自信」[2][3]

パワートレインは、従来から設定されている「BlueDIRECTターボエンジン」を積んだガソリンエンジンモデルに加え、新たに「BlueTECエンジン」を積んだディーゼルエンジンモデルや上記のガソリンエンジンに高出力モーターを組み合わせた、プラグインハイブリッドモデルも用意されている。

内外装とも、先代よりもさらに質感を高め、大幅なバリューアップを実現している。日本仕様の外装デザインは、先代モデルに続き「スタンダード」「アバンギャルド」「AMGライン」「Mercedes-AMG」の4種類。当初「エクスクルーシブ」は日本仕様に設定がなかったが、のちに特別仕様車としてセダンのみ台数限定で販売した[4]

内装のデザインは、上位のSクラス (W222) やEクラス (W213) と共通項が多い。全体の質感はセグメントを卓越した完成度で、クラス初となるエアサスペンション『AIRMATICアジリティパッケージ』を設定した。ボディは先代よりもアルミニウムを多用し、約50 パーセント (%) 使用した。エンジンを改良して燃費性能を最大で30%向上させた。

メルセデス・ベンツが得意とする、安全運転支援システムもSクラス (W222) 譲りのものにバージョンアップ。2つのステレオカメラと6つのレーダーで周囲の状況を把握し、運転を支援する。『アクティブブレーキアシスト(歩行者/飛び出し検知機能付)[旧:PRE-SAFE®︎ブレーキ(歩行者検知機能付)]』や進化した『ディスタンスパイロット・ディストロニック&ステアリングパイロット[旧:ディストロニック・プラス(ステアリングアシスト付)]』などを搭載した「レーダーセーフティパッケージ」を全グレードに設定した。

ステーションワゴンは、グレード選択を容易にして納車までの待ち時間を短縮するため、オプション装備設定を少なくしている。セダンでオプション設定の装備標準設定するなどグレード化され、セダンとステーションワゴンは、同一グレードで装備に違いがあり価格差が大きいことがある(前期モデルのみ)[要出典]

後期モデルは車体のおよそ半分に相当する6,500点の部品を刷新した「Cクラス史上もっとも大規模なフェイスリフト」である。

5代目(2021年- )W206/S206

5代目 W206

2021年2月23日に欧州でオンラインによるワールドプレミアを実施し、6月29日に日本市場でセダンとステーションワゴンを同時発表した。2022年にオールテレインも導入された[5]。キャッチコピーは、「すべての想像を超えていく」。

ホイールベースは従来より25mm、後席レッグルームは21mmそれぞれ伸長し、後席ヘッドルームが13mm拡張されて後席の居住性が向上している。

搭載エンジンは全て4気筒のモジュラーエンジンに統一した。6気筒以上はAMGモデルも含めて廃止し、ボンネットマスコットを備える「エクスクルーシブ」も中国市場のロングボディを除いて廃止した[6]

日本で販売するDセグメント乗用車として初のAR(Augmented Reality=拡張現実)ナビゲーションを装備し、Sクラス (W223) 譲りの最新技術を多数採用している。先代で設定したエアサスペンションは廃止して後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」を設定して小回り性能を高めた。

日本仕様はマイルドハイブリッドシステムの一種であるISGやプラグインハイブリッドを導入して全車電動化し、C 200/350 eは204PS・300Nmの高出力・高トルクを発生する1.5/2.0L直4ターボエンジンのM254/254M20型が、C 220 dは200PS・440Nmを発生する2.0L直4ディーゼルターボエンジンであるOM654M型が、Mercedes-AMG C 43/63 S EにはメルセデスAMG製の2.0L直4ターボエンジンであるM139型がそれぞれ搭載される。

脚注

  1. ^ C 220 d オールテレインを発売”. メルセデス・ベンツ日本合同会社. 2024年7月3日閲覧。
  2. ^ メルセデス・ベンツCクラスをフルモデルチェンジ”. メルセデス・ベンツ日本合同会社. 2024年7月3日閲覧。
  3. ^ 新型Cクラスを発表”. メルセデス・ベンツ日本合同会社. 2024年7月3日閲覧。
  4. ^ 「C 200 Exclusive Line Limited」を発表”. メルセデス・ベンツ日本合同会社. 2024年7月3日閲覧。
  5. ^ メルセデス・ベンツ、新型「Cクラス」発表 セダンは654万円から ステーションワゴンは680万円から”. Car Watch (2021年6月29日). 2021年7月1日閲覧。
  6. ^ 新型メルセデス・ベンツ Cクラスは4気筒のみの展開。直6やV8、さらにPHEVモデルはどうなるのか”. Webモーターマガジン. 2024年7月3日閲覧。

外部リンク


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