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スーパーカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/08/15 16:52 UTC 版)
スーパーカーとは、スポーツカーやGTカーの一つのジャンルである。 アメリカ、および欧州ではSuper car、あるいはExotic car(エキゾチックカー)とも呼ばれる。元々はイギリスのAPフィルムズ製作のパペットドラマ「スーパーカー」に由来する。
目次 |
概要
「スーパーカー一覧」も参照
スーパーカーはスポーツカー、またはGTカーの一種であると言える。一般的には、「かなり風変わり(な外観)で珍しく、同時代のスポーツカーと比較して極端に性能が優れるもの」を指す場合が多い。高級、高額、高出力であっても、セダンやリムジンがこう呼ばれることはまず無い。
走行性能やスタイルなどにより一般のスポーツカーと差別化されているが、「スーパーカー」という言葉の広まりにつれ、定義は非常に曖昧になり、専門家やエンスージアストなどの間でも議論がある。
また、時代によってもその概念が変化し、機構や装備、動力性能などは、ある時点では「スーパー」であっても、技術革新により、後の世代では「スーパー」ではなくなる場合もある。スーパーカーと非スーパーカーの区別が明確にある訳ではなく、また、メーカー自身がスーパーカーを自称する事も稀である。日産・GT-Rの車両紹介には「スーパーカー」の記述があるが、全天候下で安全で速い(そして、快適で楽しい)ことをうたっていることから、華やかだが御しがたい「エキゾチックカー」に対するアンチテーゼ、つまり一種の皮肉として用いられている節がある。「スーパーカー」という言葉はもっぱら消費者側の視点に立った呼称であり、したがって、印象と存在感が極めて大きい車を好意的に指していると解するのが妥当だろう。その点、「エキゾチックカー」という呼称は、数字では表せない、時間がたっても色褪せない、独自の「オーラ」を持つ車両の表現に適している。
ただし、スーパーカーと呼ばれるものの全てがレーシングカーの技術を利用しているとは限らず、悪く言えば「見かけ倒し」的なものもあった。それでもそういったものがスーパーカーと呼ばれる理由はその外観にある。高性能であるだけではスーパーカーの部類には当てはまらず、スーパーカーと呼ばれるものは一般の乗用車とは異なる誰もが一目でスーパーカーとわかる、いかにも速そうな外観を持つことが最大の特徴とも言える。
スーパーカーのほとんどは、メーカーのフラッグシップとしてイメージリーダ的な役割を負い、その時代の最新技術が惜しみなく投入されている。エクステリア、インテリアともに、時代を先取りしたスタイリングがなされ、マルチシリンダーエンジンを擁した、贅沢な2座席であることが多かった。多くがエンジンの存在を際立たせるパッケージングで、ラゲッジスペース等は無いに等しい。
これらはすべて、大量生産にはそぐわないものであり、量産スポーツカーに比べ、生産台数は極端に少なく、多いものでも数万台、少ない場合には数台程度のものもある。また手作りのため、非常に高額となる。
フェラーリやランボルギーニなどの典型的なスーパーカー・メーカーは、スーパーカー専業である場合が多いため、上記のような定義には疑問の声もある。大量生産される大衆乗用車と少量生産のスーパーカーを両方製造し、スーパーカーが大衆車のイメージリーダーになっている例は、M1を製造したBMWなど、かなり限られる。BMWも当初は、エンジンのみを供給し、設計と生産をランボルギーニへ丸投げする予定だった。フォード・GT40の場合はスーパーカーというよりは、コンペティションカーとの認識が一般的である。
ホンダもその少数例と言われることもあるが、フラッグシップカーであるNSXは高額とはいえ、あくまでマスプロダクトカーであるため、ホンダ自体の考えとしては、希少性へのこだわりは低かったと見られている。貴族階級や億万長者(もちろん成金も)など、選ばれたごく少数の人のための特別な車であるスーパーカーは、希少性も非常に重要な価値である。
このようにスーパーカーは究極の走行性能やデザイン、そして究極なる存在を追い求めているが、その反面、大衆車に求められるような乗りやすさ、実用性、経済性、整備性、耐久性といった要素は考慮されていない場合がある。
あくまで車種や年式にもよるが、前述の低車高と傾斜のきついフロントガラスによる視界の悪さ、高回転高馬力型で低回転のトルクに欠けるエンジン、高速域での制動性重視で高温にならないと効きの悪いブレーキ、マニュアル車では重く癖の強いクラッチ、多気筒エンジンでは始動性の悪さ(徳大寺有恒も著書で「フェラーリの12気筒エンジンは始動にコツがいる」と語っている)、居住性の問題として雨漏り(そもそもルーフやフロントガラスさえ無い車種もある)や静粛性の悪さ、エアコンやオーディオの不装備などのデメリットが挙げられる。また、カーボンやチタンなど修正の難しい素材をふんだんに使っているため、ちょっとした事故による小規模な破損でも修理には新車購入に匹敵する膨大な金額が必要になる(俳優ローワン・アトキンソンが所有していたマクラーレン・F1など)ことすらある。
購買層
スーパーカーは、階級制度によって育まれてきたヨーロッパの産物のひとつでもある。金に糸目を付けず特別なものを欲しがる上流階級と、そういった需要に応え手間暇をかけて一品製作に近い形で高級品を製作する職人集団という構図が古くからあり、スーパーカーに限らず特殊なものが生み出されてきた。現代においては、ヨーロッパの階級制度以上に、オイルマネーを牛耳るアラブの富裕層なども大きな顧客層となっており、世界中に目を向ければ、珍しいものを欲しがる金持ちは相当数いるため、商売の対象はそれなりにある。自動車評論家清水草一の「フェラーリがローンで買えるのは日本だけ」という言葉には、日本の国情とスーパーカーのなじみ方がよく表されている。
少量生産ゆえ、状態が良好で走行距離も少なければ価値が下がりにくいという面もあり、金と同様に安定資産と見る向きがある。最近では日本円にして1億円超という限定生産車が発売され、すぐに完売するという現象が続いているが、購入目的の多くは走る為ではなく、プレミアが付くことを目論んだ投機だという意見もある。
- ^ 「NISSAN GT-R」を発表 - 日産自動車・2007年10月24日
- ^ 元RX-7開発担当者が問う!GT-Rは本当にスーパーカーか? - 日経トレンディネット・2007年12月13日
- ^ 「レクサスLFA」が東京モーターショーでデビュー - webcg.net・2009年10月21日
- ^ 参考リンク
- 1 スーパーカーの概要
- 2 経営
- 3 バブル期の日本におけるスーパーカーブームとその終焉