マーズ・オブザーバーとは? わかりやすく解説

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マーズ‐オブザーバー【Mars Observer】

読み方:まーずおぶざーばー

米国火星探査機火星表面大気磁場について、周回軌道から調査することを目的として1992年打ち上げられ、翌1993年火星接近したが、周回軌道投入直前通信途絶となり行方不明になった


マーズ・オブザーバー

分類:月・惑星探査


名称:マーズ・オブザーバー
小分類:火星探査
開発機関・会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)
運用機関会社:アメリカ航空宇宙局(NASA)
打上げ年月日:1992年9月25日
運用停止年月日:1993年8月22日
打ち上げ国名:アメリカ
打ち上げロケット:タイタンIII/TOS
打ち上げ場所:ケープカナベラル空軍基地
国際標識番号:1992063A

マーズ・オブザーバー(火星観察者)は、バイキング計画から実に17年ぶりにアメリカ航空宇宙局(NASA)が打ち上げた火星探査機でしたが、火星周回軌道に入る直前地球との交信が突然途絶えて行方不明になってしまいました原因不明ですが、推進システム配管から酸化剤がもれた、ロケット点火の際に爆発起きた電子回路欠陥があったなど、さまざまに推測されています。マーズ・オブザーバーは、火星を回る軌道から表面の地形撮影し気象観測する予定でした。

1.どんな形をして、どんな性能持っているの?
マーズ・オブザーバーはマーティン・マリエッタ社のサットコムK通信衛星バス流用したものです。本体箱型打ち上げ重量は2,565kg。

2.どんな目的使用されたの?
火星周回軌道からの地形気象観測をおこなう予定でした。

3.宇宙でどんなことをし、今はうなっているの?
火星周回軌道投入直前交信途絶しました。

4.打ち上げ飛行順序はどうなっているの?
パーキング軌道からTOS固体上段点火火星への太陽中心軌道へ。1993年8月22日火星周回軌道投入のためのエンジン点火2日後控えて消息絶ちました。


マーズ・オブザーバー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/28 11:32 UTC 版)

マーズ・オブザーバー
Mars Observer
打ち上げ準備中のマーズ・オブザーバー
所属 アメリカ航空宇宙局
国際標識番号 1992-063A
カタログ番号 22136
状態 通信途絶に伴い運用終了
目的 周回探査
観測対象 火星
打上げ場所 ケープカナベラル空軍基地第40発射施設
打上げ機 タイタンIII
打上げ日時 1992年9月25日
最接近日 1993年8月24日(火星)
通信途絶日 1993年8月21日
物理的特長
本体寸法 2.1 x 1.5 x 1.1 m
質量 1018.0 kg
発生電力 名目:1147.0 W
軌道要素
周回対象 火星または太陽
搭載機器
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火星軌道上のマーズ・オブザーバーの想像図

マーズ・オブザーバー: Mars Observer; MO)は、1992年アメリカ航空宇宙局が打上げた火星探査機である。火星を周回しながら火星の表面や大気を調査する計画であったが、火星到達前に探査機との交信が失われ目的は達成出来なかった。

経過

マーズ・オブザーバーは、1992年9月25日ケープカナベラル空軍基地第40発射施設よりタイタンIIIロケットで打上げられ、予定通り火星へ向かう軌道に乗った。バイキング計画以来、18年振りのアメリカの火星探査機であった。

探査機は1993年8月24日に火星へ接近、エンジンの噴射により周回軌道に移行する予定となっていた。8月21日にはその準備として燃料タンク加圧を始めたが、間もなく探査機との通信が失われた。その後、地上から指令を繰返し送信したが応答はなく、探査機は行方不明となった。

1994年1月、調査委員会が事故原因報告を行った[1]。同報告では、探査機の燃料加圧系が破損して燃料やガスが噴出し、その反動で探査機が回転を始めたことが失敗原因として疑われると結論付けた。

マーズ・オブザーバーは交信が途絶えたまま火星近傍を通過し、人工惑星になったと考えられている。ただし、自律的に軌道投入のためのプロセスを実行し、火星周回軌道に移行した可能性もある。

事故原因

マーズ・オブザーバーは、事故当時のテレメトリーを送らなかったため、事故原因が断定出来なかった。しかし1994年報告では、最も有得る説明として、燃料加圧系の配管の破損を挙げている。破損した部位からは、燃料やヘリウムガスが噴出し、反動で探査機は予期しない回転を始めたと見られる。探査機は緊急事態モードに陥り、呼び掛けに反応しなくなった。また、太陽電池を太陽へ向けられなくなり、電力不足に陥ったかもしれない。噴出物が電子回路に損傷を与えた可能性もある[1]

破損原因については、次のようなシナリオが考えられている。マーズ・オブザーバーは、モノメチルヒドラジン (MMH) と四酸化二窒素 (NTO) を推進剤に利用していた。これはハイパーゴリック推進剤の一種で、混合するだけで自己着火する性質があり、エンジンの点火が容易になると考えられていた。ところが、地球から火星への11か月の飛行の間に、NTOはバルブを通して少しずつ配管内に漏れ出ていた。この状態で燃料タンクを加圧したところ、配管内で燃料 (MMH) と酸化剤(NTO)が混合して自己着火し、配管が爆発したというものである[1]

配管破裂以外の、より可能性が低い原因として、電子回路ショート、NTOタンク破損、起爆剤放出異常が挙げられている[1]

事故教訓としては、飛行の重要な局面におけるテレメトリーが不十分だったことや、人工衛星等に使用される技術を安易に火星探査機に応用したことなど、多くの改善点が指摘された[1]

参考文献

  1. ^ a b c d e Mars Observer investigation report released”. 2010年12月22日閲覧。
信号喪失地点
疑われる故障
酸化剤・還元剤共に共通のヘリウム加圧タンクを利用しており配管が繋がっているため、逆流すると両液が混合・発火する恐れがある。

マーズ・オブザーバー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 16:56 UTC 版)

プラネタリー・オブザーバー計画」の記事における「マーズ・オブザーバー」の解説

詳細は「マーズ・オブザーバー」を参照 マーズ・オブザーバー(Mars Observer)は、火星表面気候研究のために設計され無人探査機である。1992年9月25日打ち上げられたが、火星周回軌道投入される3日前の1993年8月21日探査機との通信途絶し、そこから通信再開させることができなかった。

※この「マーズ・オブザーバー」の解説は、「プラネタリー・オブザーバー計画」の解説の一部です。
「マーズ・オブザーバー」を含む「プラネタリー・オブザーバー計画」の記事については、「プラネタリー・オブザーバー計画」の概要を参照ください。

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