ポーツマス条約と桂・ハリマン協定とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ポーツマス条約と桂・ハリマン協定の意味・解説 

ポーツマス条約と桂・ハリマン協定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 03:46 UTC 版)

南満洲鉄道」の記事における「ポーツマス条約と桂・ハリマン協定」の解説

ポーツマス条約」および「桂・ハリマン協定」も参照 日露戦争勝利により、日本旅順 - 長春郊外寛城子間の鉄道と、これに付随する炭坑利権ロシア帝国より獲得しそのこと1905年9月5日調印ポーツマス条約にも明文化された。講和会議小村寿太郎外相交渉相手であったセルゲイ・ウィッテは、ロシア帝国蔵相としてシベリア鉄道および東清鉄道の建設強力に推し進めた人物であった会議において日本側は当初南満洲支線旅順ハルビン間の譲渡望んだが、ウィッテ日本軍実効支配する旅順長春間に限って同意した日本はその代償として、ロシア清国より既に得ていた吉林長春鉄道吉長鉄道)の敷設譲渡受けた伊藤博文井上馨らの元老第1次桂内閣首相桂太郎には、戦争のために資金使いつくした当時日本に、莫大な経費要する鉄道経営していく力があるか自信がもてなかった。そのため、講和条約反対東京暴動のきざしがみえるなか、戦争中外債募集にも協力したアメリカ企業家エドワード・ヘンリー・ハリマン1905年8月来日した際、これをおおいに歓待した。ハリマンは、日本銀行高橋是清副総裁大蔵次官阪谷芳郎意を受けたロイド・カーペンター・グリスカム(英語版駐日アメリカ合衆国公使招きによってジェイコブ・シフなどとともに来日したハリマンらの来日目的は、世界一周鉄道網完成という遠大な野望のために、南満洲鉄道さらには東清鉄道買収することであったハリマンは、日本財界大物元老たち、首相らと面会した際、日本ロシア帝国から譲渡され南満洲鉄道権利を、アメリカ資本導入して経営すべきだと主張しアメリカ満洲発言権持てば、仮にロシア復讐戦を企ててもこれを制止できると説いた9月12日、彼は日本政府対し1億円の資金提供と引きかえに韓国の鉄道南満洲鉄道連結させ、そこでの鉄道炭坑などに対す共同出資経営参加提案した日本鉄道供出すれば資金を出す必要はなく、所有権については日米対等とはするものの、日露ないし日清の間に戦争起こった場合日本の軍事利用認めるというものであり、満鉄日米均等権利をもつシンジケート経営しようという提案であった。この提案を、日本政府好意的に受け止め元老伊藤井上山縣有朋はこの案を承認首相南満洲鉄道共同経営案に限って賛成したハリマン提案好意的に受け止められ理由は、彼の売り込みの手腕もさることながら、「満洲鉄道運営によって得られる収益それほど大きくなく、むしろ日本経済悪影響与える」という意見大蔵省官僚日銀幹部一部大きかったためであり、「ロシア復讐戦を挑んできた場合日本単独応戦するには荷が重すぎる」という井上馨危惧もその理由一つであったハリマン帰米直前10月12日仮契約のかたちで桂・ハリマン協定予備協定覚書結んで、本契約小村帰国したのち、彼の了解得てからのこととした。 ポーツマス会議より帰国した小村は、ハリマン提案断固反対し、元老たちがこれを受けたのは軽率であったとして、その撤回説得して歩いた形式的には、南満洲鉄道日本への譲渡は、ポーツマス条約規定によって清国同意前提とするものであり、その点からしても、協定不適切だと主張した小村見解らも納得し10月23日閣議において破棄決定した小村報告によって、ハリマン=クーン・ローブ連合ライバルであるモルガン商会英語版)から、より有利な条件外資導入することができ、アメリカ資本満洲から排除しよう考えていたわけではなかったことも判明し伊藤井上らの元老大蔵省日銀など財務関係者破棄を受け容れた。正式な契約書を交わす前であったところから、日本政府アメリカ合衆国日本領事館打電しハリマンらの船がサンフランシスコの港に到着するとすぐに覚書破棄メッセージ手交するよう手配し同地総領事の上野季三郎到着したサイベリア号に乗り込んで覚書中止メッセージ伝えた

※この「ポーツマス条約と桂・ハリマン協定」の解説は、「南満洲鉄道」の解説の一部です。
「ポーツマス条約と桂・ハリマン協定」を含む「南満洲鉄道」の記事については、「南満洲鉄道」の概要を参照ください。


ポーツマス条約と桂・ハリマン協定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 22:17 UTC 版)

南満州鉄道」の記事における「ポーツマス条約と桂・ハリマン協定」の解説

ポーツマス条約」および「桂・ハリマン協定」も参照 日露戦争勝利により、日本旅順 - 長春郊外寛城子間の鉄道と、これに付随する炭坑利権ロシア帝国より獲得しそのこと1905年9月5日調印ポーツマス条約にも明文化された。講和会議小村寿太郎外相交渉相手であったセルゲイ・ウィッテは、ロシア帝国蔵相としてシベリア鉄道および東清鉄道の建設強力に推し進めた人物であった会議において日本側は当初南満州支線旅順ハルビン間の譲渡望んだが、ウィッテ日本軍実効支配する旅順長春間に限って同意した日本はその代償として、ロシア清国より既に得ていた吉林長春鉄道吉長鉄道)の敷設譲渡受けた伊藤博文井上馨らの元老第1次桂内閣首相桂太郎には、戦争のために資金使いつくした当時日本に、莫大な経費要する鉄道経営していく力があるか自信がもてなかった。そのため、講和条約反対東京暴動のきざしがみえるなか、戦争中外債募集にも協力したアメリカ企業家エドワード・ヘンリー・ハリマン1905年8月来日した際、これをおおいに歓待した。ハリマンは、日本銀行高橋是清副総裁大蔵次官阪谷芳郎意を受けたロイド・カーペンター・グリスカム(英語版駐日アメリカ合衆国公使招きによってジェイコブ・シフなどとともに来日したハリマンらの来日目的は、世界一周鉄道網完成という遠大な野望のために、南満洲鉄道さらには東清鉄道買収することであったハリマンは、日本財界大物元老たち、首相らと面会した際、日本ロシア帝国から譲渡され南満洲鉄道権利を、アメリカ資本導入して経営すべきだと主張しアメリカ満洲発言権持てば、仮にロシア復讐戦を企ててもこれを制止できると説いた9月12日、彼は日本政府対し1億円の資金提供と引きかえに韓国の鉄道南満州鉄道連結させ、そこでの鉄道炭坑などに対す共同出資経営参加提案した日本鉄道供出すれば資金を出す必要はなく、所有権については日米対等とはするものの、日露ないし日清の間に戦争起こった場合日本の軍事利用認めるというものであり、満鉄日米均等権利をもつシンジケート経営しようという提案であった。この提案を、日本政府好意的に受け止め元老伊藤井上山縣有朋はこの案を承認首相南満洲鉄道共同経営案に限って賛成したハリマン提案好意的に受け止められ理由は、彼の売り込みの手腕もさることながら、「満州鉄道運営によって得られる収益それほど大きくなく、むしろ日本経済悪影響与える」という意見大蔵省官僚日銀幹部一部大きかったためであり、「ロシア復讐戦を挑んできた場合日本単独応戦するには荷が重すぎる」という井上馨危惧もその理由一つであったハリマン帰米直前10月12日仮契約のかたちで桂・ハリマン協定予備協定覚書結んで、本契約小村帰国したのち、彼の了解得てからのこととした。 ポーツマス会議より帰国した小村は、ハリマン提案断固反対し、元老たちがこれを受けたのは軽率であったとして、その撤回説得して歩いた形式的には、南満洲鉄道日本への譲渡は、ポーツマス条約規定によって清国同意前提とするものであり、その点からしても、協定不適切だと主張した小村見解らも納得し10月23日閣議において破棄決定した小村報告によって、ハリマン=クーン・ローブ連合ライバルであるモルガン商会英語版)から、より有利な条件外資導入することができ、アメリカ資本満洲から排除しよう考えていたわけではなかったことも判明し伊藤井上らの元老大蔵省日銀など財務関係者破棄を受け容れた。正式な契約書を交わす前であったところから、日本政府アメリカ合衆国日本領事館打電しハリマンらの船がサンフランシスコの港に到着するとすぐに覚書破棄メッセージ手交するよう手配し同地総領事の上野季三郎到着したサイベリア号に乗り込んで覚書中止メッセージ伝えた

※この「ポーツマス条約と桂・ハリマン協定」の解説は、「南満州鉄道」の解説の一部です。
「ポーツマス条約と桂・ハリマン協定」を含む「南満州鉄道」の記事については、「南満州鉄道」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ポーツマス条約と桂・ハリマン協定」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ポーツマス条約と桂・ハリマン協定」の関連用語

ポーツマス条約と桂・ハリマン協定のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ポーツマス条約と桂・ハリマン協定のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの南満洲鉄道 (改訂履歴)、南満州鉄道 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS