パルティータ 第6番 ホ短調とは? わかりやすく解説

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バッハ:パルティータ 第6番 ホ短調

英語表記/番号出版情報
バッハ:パルティータ 第6番 ホ短調6 Partiten Nr.6, e-Moll BWV 830作曲年: 1725-30年  出版年1731年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 トッカータ ToccataNo Data
2 アルマンド AllemandeNo Data
3 コレンテ CorrenteNo Data
4 エール AirNo Data
5 サラバンド SarabandeNo Data
6 テンポ・ディ・ガヴォット Tempo di Gavotta No Data
7 ジーグ GigueNo Data

作品解説

2007年6月 執筆者: 朝山 奈津子

クラヴィーア練習曲集プレリュードアルマンドクーラントサラバンドジーグメヌエットおよびその他の当世風舞曲よりなる。愛好家の心を楽しませるために、ザクセン公およびヴァイセンフェルス公の楽長にしてライプツィヒ音楽監督ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲作品1。作曲者により刊行1731年。」

 1726年バッハ自作品の出版開始したライプツィヒ赴任して3年半を経た頃のことである。出版に際してバッハ計画は慎重と周到きわめた。曲種としては、当時最新流行であるギャラント組曲選んだ規模は《イギリス組曲》のように長大でなく、《フランス組曲》のように華奢でなく、内容平易で、しかし鍵盤楽器ヴィルトゥオーゾ呼ばれたバッハ名声をより高めるような、何より自身納得できる充実したものでなければならない購買層としては、公開演奏レパートリーよりも、家庭サロンなど私的な場で演奏しようという一般の人々想定した。そして、ほぼ毎年1曲を順次刊行し売れ行き確かめ1731年にいよいよ6曲をまとめて再版した。タイトルに関しては奇をてらわず、ライプツィヒ・トマス教会前任者クーナウならって組曲イタリア語風にパルティータ》とした。また、好評博し当時ひろく知られていたクーナウ作品集から『クラヴィーア練習曲集』の表題拝借した。この「練習曲」というタイトルは、決し19世紀的なエチュード同義ではない。音楽から慰め得たいと望む人々のための親密作品として、そしてもちろん、完成され音楽的規範としての意図がここには込められている。
 この曲集は、出版されにも拘らず改訂に関して複雑な問題残している。バッハ自作とりわけ鍵盤作品改良の手加え続けたが、その筆は出版作品に対しても鈍ることはなかった。分冊先行して出された稿と、1731年集成本の稿はすでに異なっている。また、バッハ手元置いた1731年版には更なる修正施された。このほかにも改良のための書き込みを含む印刷譜が4部たえられており、そのうち1冊はバッハ自身のものである可能性が高い。新バッハ全集(V/1)はこれらの修正内容をすべて吟味した上で刊行されたが、現在なお議論の余地がある

 全6曲には、それぞれ異なった冒頭楽章与えられた。組曲の構成は《フランス組曲以上にさまざまで、挿入舞曲の曲種や配列においては慣習逸脱するものがある。楽章構成音楽語法多様きわめる一方、曲の冒頭関連付け終止音型の統一対位法的展開や綿密な動機労作によって、楽曲統一感はいっそう高まる。「多様統一」というバッハ美学極致を、ここに見ることができよう
 なお、この曲集が「ドイツ組曲」と呼ばれたことがあるが、バッハ由来する名称ではないし、様式の上からもこれは適切でない。《フランス組曲》や《イギリス組曲》がそれぞれフランス的、イギリス的な典型とは言えないように、《パルティータ》にもまた、ドイツ的な典型見出すことができないからである。

組曲定型に関しては《フランス組曲》の項をご覧ください

6. ホ短調(6楽章):トッカータアルマンド、コレンテ、エールサラバンド、テンポ・ディ・ガボット、ジーグ/ BWV830 / 1731
 この組曲も《アンナ・マグダレーナ・バッハ音楽帖》に初期稿がある。また、コレンテとテンポ・ディ・ガボットはヴァイオリンとオブリガートチェンバロのための《ソナタ ト長調》(BWV1019)の初期稿からとられた。即ちかなり早い段階成立した作品だが、バッハ6年ものあい推敲重ね満を持して刊行した長大トッカータから厳格な対位法によるジーグまで、劇的なまでの緊張感保っている。バッハの『クラヴィーア練習曲集第1巻』の頂点にして終曲、そして、バッハ鍵盤組曲芸術最高峰というべき傑作である。


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