トンネル‐ダイオード【tunnel diode】
読み方:とんねるだいおーど
トンネルダイオード
【英】tunnel diode
トンネルダイオードとは、量子トンネル効果を利用した電子素子(ダイオード)のことである。筑波大学の江崎玲於奈が発明した。
量子トンネル効果とは、きわめて微細な粒子が、古典力学的には超え出ることができないエネルギー障壁を、量子効果と呼ばれる特殊性質によって乗り越えてしまう現象のことである。不純物の多いpn接合の半導体などで量子トンネル効果による負性特性が応用されており、極超短波領域での増幅や発振などに用いられる。その性能は従来の比ではないとされる。
トンネルダイオードは1957年に発見された。江崎玲於奈はこの功績によってノーベル物理学賞を授与されている。そしてトンネルダイオードは、またエサキダイオードとも呼ばれる。
トンネルダイオード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/11 03:01 UTC 版)
トンネルダイオード(tunnel diode)または江崎ダイオード(Esaki diode)は、量子トンネル効果を使った半導体によるダイオードの一種で、高速動作を特徴とするもの。
- ^ トンネルダイオード(特許第2673362号)における発明者の項
- ^ Diode type semiconductor device(アメリカ合衆国特許第3,033,714号)
- ^ 1957年10月の日本物理学会年会の講演発表では、東通工実習生の鈴木隆(東京理科大学学生)も共同発表者となっている。(19F-23 Ge P-N Junction のInternal Field Emission 日本物理学会第12回年会講演予稿集)
- ^ 特許公報
- ^ “ソニー半導体の歴史”
- ^ Tunnel diodes, the transistor killers, EE Times, retrieved 2 October 2009 Archived 2008年9月6日, at the Wayback Machine.
- ^ Fink 1975, pp. 7–35
- ^ Fink 1975, pp. 13–64
- ^ L.W. Turner,(ed), Electronics Engineer's Reference Book, 4th ed. Newnes-Butterworth, London 1976 ISBN 0-408-00168-2 pp. 8-18
- ^ 高橋茂『コンピュータ クロニクル』 p. 39
- ^ Esaki, Leo; Arakawa, Yasuhiko; Kitamura, Masatoshi (2010). “Esaki diode is still a radio star, half a century on”. Nature 464: 31. doi:10.1038/464031b. PMID 20203587.
- ^ a b c 浅田雅洋、鈴木左文「共鳴トンネルダイオード」『応用物理』第83巻第7号、2014年、565頁。
- ^ 山口淳「テラヘルツイメージングシステムの開発」(PDF)『Pioneer R&D』2014年10月。
- ^ [1]
- ^ [2]
- ^ a b c d [3]
- ^ [4]
- 1 トンネルダイオードとは
- 2 トンネルダイオードの概要
- 3 外観
トンネルダイオード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 14:54 UTC 版)
「日本の発明・発見の一覧」の記事における「トンネルダイオード」の解説
1958年、江崎玲於奈は、PN接合ダイオードの研究において固体でのトンネル効果を初めて実証した(ノーベル物理学賞を受賞)。江崎玲於奈と黒瀬百合子は、同効果を利用したトンネルダイオードを発明し、1960年に特許を取得した。
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トンネルダイオード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 09:27 UTC 版)
ダイオードとは、電流を一方向にしか流さない半導体素子である。この素子はn型とp型の半導体の接合面に生じる空乏層に依存して動作している。半導体のドープ率を極めて高くすると、空乏層が量子トンネリングが生じるほど薄くなる。すると、順バイアスが小さい場合にはトンネリングによる電流が支配的となる。この電流はバイアス電圧がp型およびn型の伝導帯エネルギー準位が一致するような値のとき最大となる。バイアス電圧をさらに増していくと、伝導体がもはや一致しなくなり通常のダイオードと同様の動作を示すようになる。 トンネル電流は急速に低下するため、電圧が増すと電流が減るような電圧領域を持つトンネルダイオードを作成することが可能である。このような特異的特性は、電圧の変化の速さに量子トンネル確率の変化が追従できるような高速素子などにおいて応用されている。 共鳴トンネルダイオードは同じような結果を達成するが、量子トンネリングを全く異る方法で応用している。このダイオードは伝導体のエネルギー準位が高い薄膜を複数近接して配置することにより、特定の電圧で大きな電流が流れる共鳴電圧を持つ。このような配置により最低エネルギー準位が不連続に変化する量子ポテンシャル井戸が形成される。このエネルギー準位が電子のエネルギー準位よりも高い場合はトンネリングは起こらず、逆バイアスのかかったダイオードのように動作する。二つのエネルギー準位が一致したとき、電子は導線で繋がれたかのように流れる。電圧をさらに高くするとトンネリングが起こらなくなり、あるエネルギー準位からはまた通常のダイオードのように動作しはじめる。
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