クープランのはか【クープランの墓】
ラヴェル:クープランの墓
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
ラヴェル:クープランの墓 | Le tombeau de Couperin | 作曲年: 1914-17年 出版年: 1918年 初版出版地/出版社: Durand |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
---|---|---|---|
1 | プレリュード "Prelude" | 3分00秒 | No Image |
2 | フーガ "Fugue" | 3分00秒 | No Image |
3 | フォルラーヌ "Forlane" | 6分00秒 | No Image |
4 | リゴドン "Rigaudon" | 3分00秒 | No Image |
5 | メヌエット "Menuet" | 5分00秒 | No Image |
6 | トッカータ "Toccata" | 4分00秒 | No Image |
作品解説
ラヴェルはフランス近代を代表する作曲家で、曲数こそ多くはないが、重要な秀作を次々と生み出した。
ラヴェルは、はじめドビュッシーに尊敬をはらい続け、初期の作品にはドビュッシーの影響が色濃く反映されていた。しかし次第に明確な旋律や簡潔な様式を求め、18世紀の古典主義的傾向をその作品に反映するようになっていった。そのような傾向が最も端的に現れているのがこの『クープランの墓』で、クープランを代表とする18世紀フランス音楽に敬意を表して、1914~17年に作曲された。曲名の“墓”というのはフランス語の“トンボー”(tombeau)という語の直訳だろうが、ここでは“故人を偲ぶ曲”というというもう一つの意味の方を指していると考えられる。曲は古典舞曲形式を中心に6曲からなり、各曲は第1次大戦で戦死した彼の友人6人に捧げられている。初演は、第6曲を捧げられ音楽学者だったマルリアーヴ隊長の未亡人でフランスの名ピアニスト、マルグリット・ロンによって1919年4月11日パリで行われた。
1.プレリュード / "Prélude"
12拍子の流麗な旋律が、様々な調性をさり気なく通り過ぎてゆく。
2.フーガ / "Fugue"
反行カノンや三重カノン、ストレッタを用いた3声の本格的なフーガだが、ラヴェルらしい穏やかさがほのかに光る。
3.フォルラーヌ / "Forlane"
17世紀のフランスの音楽によく用いられていたこのフォルラーヌという舞曲は6/8拍子で、北イタリア起源の古いダンス。古典主義的傾向が最も強いが、ラヴェル独自の巧みな和声も聞こえてくる。
4.リゴドン / "Rigaudon"
リゴドンは17世紀フランスの宮廷音楽によく用いられた、プロヴァンス発祥の2拍子系の舞曲。明るく活発な主部と憂いを帯びた中間部とが対比を成す。
5.メヌエット / "Menuet"
優雅で気品溢れる優しい曲。トリオの部分は“ミュゼット”と示されており、やや劇的な緊張が見事に高揚していく。
6.トッカータ / "Toccata"
16分音符が一貫して連打される技巧的な曲で、大変高度な技術が要求される。しだいに高まる緊張感や冴えわたる感性は、まさに圧巻である。
クープランの墓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/26 04:38 UTC 版)
『クープランの墓』(フランス語: Le Tombeau de Couperin)は、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが1914年から1917年にかけて作曲したピアノ組曲。「プレリュード(前奏曲)」、「フーガ」、「フォルラーヌ」、「リゴドン」、「メヌエット」、「トッカータ」の6曲から成り、それぞれが第一次世界大戦で戦死した知人たちへの思い出に捧げられている。ラヴェル最後のピアノ独奏曲でもある。1919年に4曲を抜粋した管弦楽版が作曲者自身により作られた。
- 1 クープランの墓とは
- 2 クープランの墓の概要
固有名詞の分類
- クープランの墓のページへのリンク