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三省堂 大辞林

三省堂三省堂

どうじん 0 【同人】

(1)「どうにん(同人)(1)」に同じ。

(2)「どうにん(同人)(2)」に同じ。
(3)志・好み同じくする人。同好の士。仲間

どうにん 【同人】

〔「どうじん」とも〕

(1) 0 同じ人。
(2) 1前に述べた)その人



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同人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/15 19:49 UTC 版)

同人(どうじん)とは、同じ趣味や志をもった人、仲間ないし集団のことである。

目次

同人の対象

文芸の同人

明治時代の頃、同じ趣味や志をもった仲間同士が集まって、同人雑誌というものをつくっていた。日本で確認できている中で最も古い同人雑誌は、小説家・尾崎紅葉らの文学団体「硯友社」による回覧雑誌『我楽多文庫』である(同人誌参照)。これが作製されたのち、アララギ派の歌人が出していた『アララギ』、正岡子規夏目漱石高浜虚子が参加した『ホトトギス』など、さまざまな同人雑誌が創られた。これらの同人雑誌から多くの歌人や詩人、小説家などをうみだしている。なお、当時の同人雑誌の会員のことを「同人」(たとえば、尾崎紅葉は「硯友社の同人」)と呼んでいる。この頃は、不特定多数へ販売されておらず、同人だけが読んでいた(書店によっては扱っていたところがあった)。歌道の同人は、結社を組織し、歌人はいずれかの結社に属するのが常態だった。ちなみに、書道美術の同人は、短歌俳句と異なり発表に雑誌を使わない場合もある。

漫画の同人

第二次世界大戦終了後、漫画を主対象とする同人雑誌が登場した。著名な参加者は石森章太郎藤子不二雄など。

その後、主に学校の部活動(学漫)で作られる漫画の同人雑誌が増加し、1975年に第1回コミックマーケットが開催された。当初は同人組織が雑誌を発行していた。しかし1980年代後半にはある程度の余裕があれば、個人でもオフセット印刷が可能なほどに印刷代が安くなった。さらに、コピー機の普及によってさらに安価に製作が可能になったため、個人単位で活動する者も現れ、「個人サークル」と呼ばれた。

また、同人活動と各種同人イベントの隆盛につれて、同人誌の制作を専門にする印刷会社も現れた。同人専門の印刷会社は、一般的な書籍よりも簡易な印刷となる一方で費用が安いことが特徴である(概ね三分の一程度)。

現在の同人

1990年代以降、主にコミックマーケットなどの同人誌即売会同人ショップなどで、自分で描いた漫画アニメコンピュータゲームに関する作品(パロディ作品やイラスト集が多い)やグッズなどを公開・配布・販売する人たちのことを、「同人」とよぶことが目立つようになった。現在のネット上で「同人」「同人的表現」と称されているのも、文芸にかかわるものではなく、こちらを意味することがほとんどである。ただし、文芸同人に拘わる者や、全く同人に拘わらない者に対しては、意味が通じないケースが多いので注意が必要である[1]。これは、漫画・アニメ・コンピュータゲーム系同人では、「同人」「同人的表現」を、外部の介入を避ける意味合いで使う傾向があるからである(ただし、FAQ的な用語解説ウェブサイトは充実している)。しかし、そうした態度が同人への誤解(及び、文芸同人との齟齬)を招いているとの指摘もある[1]

1995年以降、パソコンが普及することで、誰でも気軽にDTPができるようになり、さらに印刷が安価になった。その結果漫画・アニメ・ゲーム系同人誌即売会が頻繁に行われ、発行主体を「同人サークル」、頒布物を「同人誌」と呼ぶ習慣こそ維持しているが、一個人単位での活動がもはや主流となりつつある。

文芸同人と漫画同人の両者の活動が関係することはまず無く、交流は皆無に近い。ただし、近年は、文芸同人雑誌専門の即売会「ぶんぶん!」「文学フリマ」などが開催されるようになった。「文学フリマ」はライトノベルや漫画同人との繋がりの強い大塚英志による発起であり、類似の即売会も増え始めたなど、わずかに影響が見られる(しかし、大塚は旧来の文芸同人と繋がりの濃い、純文学作家からは強い非難を受けている[2])。

「商業以外は同人」論の台頭と問題

同人作品が、外部に読者・受け手が居ることを前提にした個人でも制作発表が可能な形式となっても、その由来は紛れも無く、同好の士が仲間内で見せ合い批評し合う「個人では有り得ない同人」であった。

しかし時代が下るにつれ、由来がどうあれ「商業作品でない」という理由だけで無差別に「同人」と呼ばれるケースが増えてきた。もっとも商業作品以外をよく知らない層が、よく知らないものを一括りにしてしまう用法としては以前からあったのだが、当の同人作家やファン層までがそう呼び始めたのである。

理由としてはまず、漫画の場合は元々商業誌以外にまともな発表の場が無い状態で同人サークルが集まり発表の場を作り流通ルートを切り開いたという経緯上、ほぼ「商業と同人しかない」「商業と同人は対立概念」な状態が続いたことが挙げられる。それはあくまで「状態」であり、非商業非同人の存在を未来永劫否定する「定義」ではないのだが、現実には「同人」がアマチュア創作の代名詞と化し、さらには元の定義を知らずに使う者が徐々に増えてくることになる。

もう一つは、「同人=成人向け二次創作」のような、「同人」概念の誤用・矮小化をする者(自虐的に使う同人作家・ファン層自身も含む)に対し、「同人」とは何かを主張する場合、説明困難な原義よりも、簡易かつ漫画に関しては実態に近い「商業以外は同人」論が好まれたことである。これも原義を知らないまま使う世代が増えるにつれエスカレートし、「商業以外は同人」論の否定=同人への偏見であり許されないこととさえ見なす者も増えてきた。

だが、アマチュア創作活動の歴史や「同人」の位置付けは分野によって異なるものであり、実態と掛け離れた分野に「商業以外は同人」論が押し付けられた場合、少なからぬ軋轢を生み出すことになる。

パソコン(マイコン)ソフトの場合、黎明期の70年代末期からプログラム雑誌による(プロ予備軍でない)アマチュア向けの発表の場も存在しており、「同人」形式を経ずに、個人でも外部の受け手に発表出来る形が確立されていた。その10年以上後の80年代半ばに「後発の作品発表手段の一つ」として加わったのが「同人ソフト」であり、ほぼ同時期に成立したパソコン通信によるオンラインソフトもまた独立した別の概念であった。

また、多額の印刷費用が掛かる同人誌の場合は無償配布自体がほとんど無かったために「有償対無償」の分類軸・対立軸が無かったが、パソコンソフトの場合、かつてのネット上では金銭取引のシステムが未整備だった等の理由で無償ソフトが中心であったし、雑誌掲載ソフトの場合も、ソフトに対して代金を支払うという感覚は薄かった。無償ソフトの中には企業製のものも少なからず含まれていたが、ネット上の分類軸はまず無償(フリー)か有償(シェア)かであり、製作者が企業か個人・サークルかは副次的な分類であった。

「商業以外は同人」論によるパソコンソフトの分類はパソコンソフト史を全否定し、「同人」と同格のはずのオンライソフト等を同人の傘下と見なすものであり、旧来のユーザにとっては到底許容できるものではなかったのだ。

しかし、90年代半ばのパソコンブーム・インターネットブームにより爆発的に増えた新規ユーザーに比べて旧来のユーザー数は少なく、その他様々な要因から、現代では「商業以外は同人」論はパソコンソフト界でも少なからず定着してしまっている。

プロ同人」(プロの同人作家)

概念

漫画やゲームの同人については、1990年代以降、コミックマーケットなどの同人イベントの規模が巨大化し、参加者数も増大し、これを背景として同人ショップなどの同人関連産業も発達するにつれて、同人イベントでの販売や同人ショップでの委託販売を大々的に展開する事で、制作費どころか自身やスタッフの生活費やスタジオの運営費をも稼ぎだす、すなわち職業的な営利活動の全てないし大半を専ら同人界で行う者が少なからず現れる[3]など、現在では同人それ自体が事実上の業界化を遂げている一面がある。

この様な職業的営利活動を同人の場で行っている作家やそのサークルを指して、元々は同人界内部で使われ始め、その後に一般化した用語ではあるが「プロ同人」などと通称される事が多い[要出典]

尚、勘違いされがちだが同人という言葉はあくまで趣味を共有する事であり、所謂商業的な意味は直接的には持たない。

登場の経緯

これら「プロ同人」については、多くが元々はコミック・テレビゲームアダルトゲームなどの商業ベースで活動していた人物や、その様な人物が中核をなしている「同人サークル」によって行われており、商業ベースでの活動期に得た知名度と人気を活かして同人市場での販売を展開している者が主流といえるが、この活動形態に行き着いた理由や経緯は作家毎に様々である。

典型例としては以下の様なパターンが見られる。

  • 当初は同人で活動していた者がプロデビューを果たして職業作家となったが、商業ベースでの活動に付いて回る表現の制約や規制、編集サイドからの作品への介入を嫌って、最終的には同人活動への回帰に活路を見出し、この「プロ同人」となった。
  • 元々同人活動をしていた者がプロデビューしたり、あるいは同人活動と並行してゲームなどの他業種で成功するなどしてその後に商業出版の世界へと転じたものの、日程管理や表現の制限がより厳しい商業ベースの仕事への順応ができずに、そちらの仕事が減っていき、結果として職業作家としての活動を行った期間に得た知名度を利用した「プロ同人」となった。
  • 商業誌で活動をしていたが、編集部側の販売戦略の転換などの為に掲載されなくなる、あるいはその掲載誌が休刊廃刊になる、さらには出版社が経営破綻してしまうなどの事態により、商業ベースの活動の基盤としていた部分が失われ、生活の糧を確保する為に「プロ同人」となった。
  • 自身が原画などで関与したアダルトゲームが大ヒットした事をきっかけに大幅に知名度が上がった事で、自身の同人誌も販売量が格段に上がり、収入バランスを見ると同人誌の販売が占める割合が大きくなって、結果として「プロ同人」と同様の活動実態になった。
  • ゲームメーカー(アダルトゲームも含む)に会社員や契約社員として勤務して創作活動をして知名度と人気を得ていたが、経営破綻や開発チームの解散などにより活動の基盤が無くなり、自身の創作の表現をできる場を求めて同人で活動し作品を販売したところ、それで生活が可能なほどの販売量となり、事実上の「プロ同人」になった。

同人ゲームの分野では、これとは逆に元々大した知名度を持っていなかった人物がTYPE-MOON07th Expansionの様に同人サークルとして知名度を上げ、同人ゲームながらも商業ベースの作品の平均レベルを超える規模の大ヒット作品を生み出した事で事実上の「プロ同人」となり、やがて商業ベースに活動の場を移していったという例も少数ながら見られる。

知名度の高い作家やサークルの人気同人作品では、それを基にした二次創作が展開され、「同人の同人」とでも言うべき同人作品も多数存在している。ただし、このパターンの場合、ベースとなる同人作品はほとんどの場合同人作品とは言えオリジナルであるため、「同人の同人」も基本的には一般的な二次創作と変わりは無い。この様な二次創作作品が大量に制作された同人作品としては、『月姫』『東方Project』などがあり、とりわけ『月姫』はメディアミックス展開の機会を掴み事実上の商業化に至った事から、数多くの「プロ同人」の作家たちも二次創作を手掛ける程の規模になった。

相違点

他方、一般的な同人活動とプロ同人の相違点としては、特に二次創作における同人誌の元ネタとなる作品の選定方法が挙げられる。

一般的な二次創作の同人活動において主眼に置かれるのは、あくまで自己の作品・キャラクターに対する想いなどの表現である。その為、基本的には純然と自己の好みの作品が選ばれ、また表現技法も自己の好みのスタイルで自由に行われる。つまり、利益性や実売部数を念頭に置かなければ、どれほどマニアックな作品や同人誌が売れそうに思えない作品であろうとも、制作するのは本人の自由意思という事になる。

対して、プロ同人の作品では利益性・販売量が重要視される。その事から、単純な自己の好みだけではなく、アニメ・コミック・テレビゲーム・アダルトゲームの各分野毎および同人界での人気度の高さや販売部数の期待値が、元ネタの作品を決定する際には考慮しなければならない重要な要素となる。幾ら作家自身がその作品・キャラクターが好きだからと言っても、マイナーな作品・マニアック過ぎる評価の作品・人気が過ぎ去った作品を元ネタにしたところでより大きな売上げを期待する事は難しく、二次創作で高販売量・高利益の確保を求めるならば、おのずからその時点で人気のあるメジャーな作品・キャラクターから題材を選択する事が求められる。また、内容面でも買い手側の要望に迎合する必要があるが、その結果として性描写の表現などがより過激なものになりやすい傾向がある。

買い手への迎合という点では、プロ同人の作家においては、同人誌の購入者層への知名度浸透を目的として、自らのサイト上やインターネット上のファンのコミュニティなどで、自身の制作した同人誌の元ネタとした漫画やアニメの作品のファンであることを装う者も一部に存在する。

商業誌に対するスタンス

昔からのことではあるものの、特に同人出身者を中心とする現役のプロの漫画家やゲームの原画担当者には、商業誌・ゲームソフト・アダルトゲームなど商業ベースの作品でプロデビューを果たし、以降の作品制作の比重を商業ベース基調に切り換えた後も、商業ベース向けの作品制作に支障の無い範囲で同人活動・同人誌制作を継続している者がかなりの割合で存在している。

しかし、現在では、そこからさらに一歩進んで、商業ベースでの活動もしている載る同人作家という活動実態・収入実態で、自営業著述業ではなく同人誌の「製造小売業」として確定申告を行う者も見られており、特に漫画業界ではプロと同人の境界線が年を追うごとに曖昧になってきている。その中には、「同人イベントで同人誌を大量に売る為にはまず知名度を高める事が必要であり、商業誌やライトノベルの挿絵などの仕事は知名度獲得が目的で受けている」という旨の、つまりは商業ベースでの仕事は同人誌販売の為の売名の踏み台に過ぎないと公言憚らない者まで現れており、各種同人イベントに応じて同人誌を製作し手の空いた時期に限り商業誌の仕事依頼を受けるなど、同人誌優先の姿勢を取っている者もいる。また、特に同人界から作家を多く発掘している漫画雑誌では、コミックマーケットなど大規模同人イベントの時期の前後に、商業誌の原稿を平然と落したり完成度の低いあるいは全く未完成の下書きを商業誌に掲載してしまう[4]などの、プロの作家を名乗って活動している身としてはおよそ本末転倒といえる事態を引き起こす職業漫画家が往々に見られる。他方で出版業界を見ても、特にコミックマーケットの同人誌と締め切り時期が重なる号(多くは1月と8月下旬~9月の発売号である)において作品休載やページ数減が頻出したり、掲載作品の質が軒並み目に見えて低下するなどの事態が恒例となっているコミック雑誌も見られている。これらの対策の為か、この時期の号に自誌が主催する新人賞の入選作品を掲載する商業誌は少なからず見られる[5]

もっとも、この様な漫画家の姿勢は、出版社・編集部と漫画家の間でも軋轢要因になっているものではある。現在では編集部も完成度の低い原稿に対して原稿料を大幅に差し引く、雑誌掲載を拒否するなど、一定のペナルティを対策として設定し、掲載に先立って漫画家と締結する契約にも含めている。しかし、特に青年誌成人誌ボーイズラブなどの分野では、同人誌販売による収入が商業誌からの収入を大幅に上回るなど、同人誌の制作・販売を事実上の主業としている職業漫画家も珍しくなく、これらにとっては商業誌のペナルティは折り込み済の要素となっており、現実としては編集部側の対策として決定打に成り得ていない。またこれらジャンルについては商業誌が事実上の過当競争状態であり、雑誌間の漫画家の獲得競争や移籍などの人の動きが激しい事から、販売部数に直結できる人気漫画家の確保の為には編集部も漫画家に対して厳しいペナルティを課しにくく、ペナルティが形骸化している一面もある。

ただし、作家が「プロ同人」として活動をしてゆく為には、活動スタイルがどの様な形態のものであったとしても、基本的にはかなりの知名度と人気が必要となり、また、それらの維持と拡大を追及し続けなければならない。この為、現在における商業ベースでの活動の有無は問わず、インターネット上での表現活動や告知・各種発言といった情報発信の常日頃からの活発な持続で注目を集めることが要求され、結局は単純に商業作家として活動をしてゆくのと同じかそれ以上の労力が「プロ同人」として活動する者には要求される事になる。


  1. ^ a b 外部リンク「同人」という表記を考えるページ」も参照。
  2. ^ 大塚英志 「文庫版あとがき」『キャラクター小説の作り方』 角川書店角川文庫〉、2006年6月25日(原著2003年)、文庫版初版、352頁。ISBN 4-04-419122-0
  3. ^ うっ! (1999年2月12日). “個人誌”. 同人用語の基礎知識. ぱら☆あみ. 2010年6月22日閲覧。
  4. ^ この場合、ちゃんとリテイクした原稿を後日刊行の単行本に収録するというのが表向きのスタンスではあるが、実際には読み切り作品の場合にはそれっきりになったり、作家自身がその後商業ベースでの単行本化に至らず、結局は完成品の原稿を同人誌に収録することもある。
  5. ^ 一方で青年誌・成人誌・ボーイズラブ誌などでは、コミケット直前の発売号で掲載作家陣のコミケット参加情報を掲載するものが少なくなく、一部には作家陣のカットやコメントを集めて独立した特集ページを設けるものも見られるなど、商業誌・出版社と同人イベントの持ちつ持たれつの関係という一面も垣間見ることができる。


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