同人『文藝都市』とは? わかりやすく解説

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同人『文藝都市』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 15:00 UTC 版)

ある崖上の感情」の記事における「同人『文藝都市』」の解説

次郎1927年昭和2年6月の第28号をもって終刊となった同人誌青空』の後、元同人阿部知二古澤安二郎らが紀伊國屋書店から翌1928年昭和3年2月創刊し同人誌文藝都市』に参加し3月号に『蒼穹』を寄稿していた(詳細青空 (雑誌)#終刊後参照)。 さらに同誌から寄稿依頼されていた基次郎は、2年前の『新潮』からの執筆依頼未発酵だった構想や、正月川端康成貸別荘での覗き濡れ衣体験からの二重人格ヒント過去経験から得た高台イメージなどを総合し5月に『ある崖上の感情』を書き上げた。 『ある崖上の感情』が7月号に発表された後、紀伊國屋書店2階開かれた同人月例合評会(今日出海舟橋聖一蔵原伸二郎浅見淵崎山猷逸、織田正信井伏鱒二出席)に基次郎呼ばれて参加した。『ある崖上の感情』を読んで感銘していた新入り井伏鱒二はこの席で初めて噂の人物・基次郎見て、「どつしりとした体格で、ごつい感じ風貌」の印象受けた今日出海蔵原伸二郎も、片隅目を光らせて座る基次郎の姿を初めて目にし、文士らしからぬ厳めしい顔に驚きつつ、たくまし骨格怪異風貌弱々しい呼吸をしている基次郎注目した進行役と議長兼ねた舟橋聖一音頭で、各人掲載作の合評行なわれた。 合評会が終わり紀伊國屋書店店先出た織田正信は、基次郎友人から金を借りている姿を見かけた。その光景貸している友人の方が「これでいいのか」と惨めな顔つきで、借金をする基次郎の方が堂々としていて、あたかも煙草を1本もらうかのようにお札を掴むと、基次郎は肩を張って夜の新宿の町に消えて行った。しかしその後ろ姿に、どこかみすぼらしさのようなものも織田感じたこの頃、基次郎昼間でも発熱し左肺には二銭銅貨大きさの穴があいていた。この時期新宿通りで基次郎と偶然行き会って同行した蔵原伸二郎は、生汗を滲ませ青白い顔をしている基次郎を心配し無理をしないよう助言すると、「いや無理をしてゐるんではないんですが、寝てゐたつて同じなんです」と基次郎返事をした。蔵原はその言葉の「一寸絶望的」、「ニヒリスティックな響」に、痛み似た悲しみ打たれる同時に、「そこから梶井さんの芸術生れるのだ」と感銘した

※この「同人『文藝都市』」の解説は、「ある崖上の感情」の解説の一部です。
「同人『文藝都市』」を含む「ある崖上の感情」の記事については、「ある崖上の感情」の概要を参照ください。

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