エコガラス
ぶなの木を植樹したのに相当するCO2削減効果が期待できます。
あなたの家の窓ガラスが森のかわりに地球の環境保護に貢献してくれるのです。」
2月初めまで東京ビッグサイトで開催されたENEX2007(第31回地球環境とエネルギーの調和展)で見た板硝子協会(門松正宏会長=旭硝子社長)のブースでいただいたパンフレットにあった文章です。
同ブースでは、「ガラスの森」移動展示車内でエコガラス(注参照)の省エネルギー性能が体感でき、ユニークな「エコっ手」で遮熱性能を、「エコボール」で断熱性能が確かめることができました。
同協会では、エコガラスの性能を体感できるツールを搭載した移動展示車やブースを、地域に密着したガラス問屋や販売店、工務店に低料金で貸し出し、潜在的な需要を掘り起こしたい考え。旭硝子、日本板硝子、セントラル硝子の大手メーカー3社が販売店などを「エコガラス隊」として組織化し、普及活動を進めています。
エコガラスはもともとLow-E複層ガラスと呼ばれていました。名称変更の理由は、普及を促進するため。一般の複層ガラス(注参照)は大手住宅メーカーが標準で採用しており、05年に新築戸建てで80%以上に採用されています。一方、旭硝子が85年12月に国内で初となるLow-E複層ガラスを投入しましたが、20年以上たった現在でもLow-E複層ガラスが占める比率は20から30%とみられています。一般の複層ガラスと比べると価格が60から70%も割高ですが、リフォームで導入する場合、価格は材料費のみで1平方メートル当たり約2万5000円と、リフォームの主役であるキッチンやバスルームと比べると割安といえなくもありません。
そこで同協会は、一般消費者の認知度をアップさせ、低複層ガラスのLow-E化を促進するために名称を分かりやすい「エコガラス」にしたという訳です。
エコガラス(低放射ガラス:Low-E複層ガラス)の普及は、米国ではストック住宅を含めて48%、欧州では国によって差がありますが、オーストリアやフィンランドではストック住宅を含めて60%以上です。欧米諸国に比べて、わが国のLow-E普及率が低いのは、窓の断熱性に関する法規制が諸外国に比べあまり厳しくないことが大きな一つの要因であるといわれています。
しかし、日本の住宅の窓ガラス全てにエコガラスを使用すると、地球温暖化に影響するC02排出量を一年間で約1,700万トンも削減できます。これは、2003年に日本の家庭から排出されたCO2の約10%に相当します。そして、京都議定書にて削減が義務づけられた温室効果ガス全体量の約23%になります。
環境に対する意識が高まる中、エコガラスが普及する下地は十分にあるといえます。快適に生活しながら、なおかつ地球温暖化防止に貢献することを可能にするエコガラス、今後はメーカーが価格と機能のバランスをうまくとり、業界を挙げていかに分かりやすく機能をアピールし、消費者を納得させるかが普及のカギとなるのではないでしょうか。
注:
複層ガラスとは、2枚のガラスの間に乾燥した空気を封入して空気の層を設け、省エネ性能を高めたガラスのこと。空気の層によって熱の移動を抑制できるので、室内の暖かい空気が外気に冷やされて空気中の水分が水滴となる結露を防げる。
エコガラスは、銀をガラスに真空蒸着した低放射ガラスを室外や室内側に使用した複層ガラスのこと。銀による特殊金属膜により、一般の複層ガラスと比べ、高い遮熱・断熱性を実現できる。
写真提供:板硝子協会 エコガラスマークは、板硝子協会のオリジナルブランド。
(掲載日:2007/02/06)
エコガラス
エコガラスと同じ種類の言葉
- エコガラスのページへのリンク