よくある誤認識とは? わかりやすく解説

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よくある誤認識

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 05:59 UTC 版)

年齢主義と課程主義」の記事における「よくある誤認識」の解説

前述のように、年齢主義を取る制度では集団内に学力異な生徒存在するという問題はよく注目されるが、それと同様に集団内に社会性体格などが異な生徒存在するということにも注目しなければならない生年月日基準とした年齢主義押し通すことは、むしろ知能年齢肉体年齢社会性の発達段階などの、いわば発達年齢の差を生むことになってしまう。もっとも課程主義でも社会性体格ではなく学力に応じて学年が決まるため、この問題課程主義にすれば解決するわけではないが、年齢主義運用したとしても、異質になるのは学力だけではないという事にも留意すべきであるそもそも心理学的には、平均的に見ると社会性知能学力一緒に発達するものであり、学力が高い生徒知能社会性発達している例も多いため、むしろ課程主義の方が発達年齢似通った生徒が集まる可能性もある。 課程主義導入対す懸念持っている側からは、「課程主義導入すれば成績が悪いと原級留置になってしまうので、学校生活窮屈になる」との批判があるが、課程主義は必ずしも成績悪ければ強制的に原級留置をすることになる制度意味するわけではない進級基準厳格化学力低下対策として万能ではなく本人原級留置に対して抵抗があるのに成績不良理由として強制的に原級留置を行うと、学習意欲減衰したり不登校になったりするため、むしろ逆効果になることが予測できるこのため公立小中学校であれば成績不良であっても強制的に原級留置にすることは避けるべきだとされている。実際に課程主義取っているフランスでも、進級当たって本人保護者意見を聞くようになっている。また原級留置欠席のために授業受けられなかった場合や、外国からの帰国直後などで語学力不足していた場合限定すべきだといわれる。なぜなら、そういった理由があったために履修困難だった場合は、原級留置後に十分な条件授業を受けることによって対応できるが、1年間毎日出席して授業受けているにも関わらず成績不良となった場合は、通常の授業では効果薄かったことを意味するので、そういった生徒が全く同じ内容授業翌年もう一度受けたとしても、効果的に学力が身に付くとは考えにくいからである。この観点からすれば成績不良理由とする原級留置効果は薄いと考えられるので、学業不振生徒に対しては、補習カウンセリング特別支援教育実施というように、個人にあった支援検討するべきである。また、現行の原級留置制度は、1年単位とする学年制のもとでは失うものが大きいという欠点もある。例えば約1年休学した生徒であれば原級留置になるのは迷わないが、半年休学した生徒は、原級留置にするべきか、補習を受けつつ進級すべきか迷うという問題がある。ただし、成績不良生徒であっても8歳ごろまでであれば生まれ月出生時体重幼稚園保育所就園有無家庭環境などで個人差大きいため、現時点での成績悪くて時間与えることで個人差カバーできると考えられるので、就学猶予同様な考え方のもとに、原級留置によって発達を待つという考え方もある。 なお、課程主義の定義に対す混乱知識不足から、財政面について誤った見解出される場合もある。たとえば、「義務教育費国庫負担制度がある国では、義務教育期間に原級留置が行われると教育税1年余分に国庫から支出されしまうため、原級留置適用拡大国家財政負担与える」という主張時折見受けられる。しかしこの説は、「一定の課程修了するまで無償義務教育期間が終了しない」という制度指している「義務教育終了基準についての課程主義」によって義務教育制度運営されている場合であれば原級留置が行われると義務教育期間が延長するので、正鵠射ているのであるが、「一定の年齢達するまで無償義務教育期間が終了しない」という制度指している「義務教育終了基準についての年齢主義」によって義務教育制度運営されている場合には、原級留置が行われても一定年齢義務教育期間が終了するため、的を射ていない説なのである。よって、上記のような主張根拠とした「課程主義導入国家財政負担を強いるので反対である」という意見は、「義務教育終了基準についての課程主義」を導入しようとすることに対す批判なのであれば当てはまるのであるが、「学習者一定の課程修了しなければ学年進級させない」という制度指している「進級基準についての課程主義」を導入しようとしていることに対す批判なのであれば無関係なので当てはまらない批判のである要するに、義務教育期間の終了基準年齢主義運用されていれば学齢超過者の授業料原則として自己負担となるので、原級留置増加して財政面での負担増加しないのであるまた、飛び級も可能とする課程主義制度取った場合は、たとえ義務教育期間の終了基準までも課程主義変更しても、原級留置飛び級がほぼ同数であれば財政面負担変わらない考えられる

※この「よくある誤認識」の解説は、「年齢主義と課程主義」の解説の一部です。
「よくある誤認識」を含む「年齢主義と課程主義」の記事については、「年齢主義と課程主義」の概要を参照ください。

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