鞣し
なめし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 21:10 UTC 版)
「en:Tanning (leather)」も参照 皮には高温多湿の環境では腐るという大きな欠点があるため、これを腐らなくする加工が鞣し(なめし)である。 皮のコラーゲン線維の原線維は組織内の水分中でペプチド結合により結合した3本鎖のらせん構造になっている。鞣し(なめし)とは、皮のアミノ酸でできたコラーゲン線維に鞣剤を作用させることで、水分がない状態でもコラーゲン繊維が癒着せず、らせん構造を維持する状態に変化させることをいう。鞣し(なめし)のプロセスが理論的に解明されたのは18世紀のことである。 タンニンなめし 切り口(コバ)が茶褐色、型崩れしにくく丈夫、染色しやすい(染料の吸収がよい)、吸湿性に富む、使い込むほど艶や馴染みがでる、などがある。反面、タンニンでなめす場合、タンニンを革の中心部分に浸透させるために、タンニン濃度を徐々に上げる必要がある(濃度が高いと表面にだけタンニンが結合し、後で浸透しなくなる)。よって工程数が多くなり、30以上の工程を踏む必要があり、高コストになる。よく皮革製品で「飴色になる」と表現されるが、それはこのタンニンなめしによるものである。手縫いを用いるような鞄等にはタンニンなめしの材料が用いられる。 クロムなめし(通称:Wet-Blue(ウェットブルー)) 切り口が青白色、伸縮性が良い、柔軟でソフト感がある、吸水性が低く水をはじきやすい、耐久力がある、比較的熱に強い、などがある。衣料用にはクロムなめしが用いられる事がほとんど。タンニンなめしに比べて工程の省力化からコストを抑えられる反面、なめし工程上で使うクロムが焼却により化学反応(酸化)を起こし、人体に有害な6価クロムに変化するので処分の際は注意が必要である。 コンビネーションなめし タンニンなめしとクロムなめしを組み合わせたもの。 アルデヒドなめし(通称:Wet-White(ウェットホワイト)) 環境問題からタンニンなめしの革と同様にクロム(メタル)フリーの革として普及してきている。クロムなめしに比べてややコストが高めになる。 油脂鞣し 日本に古来伝わる古いなめし法で特に播磨の特産で、延喜式造皮の項にも類似のなめし方法が載っている。原皮を川で洗いバクテリアの働きで鞣すとことに特徴があり白い革に仕上がる。近年は白なめしとも言われる。 熏(ふす)べ革 日本に古来伝わる古いなめし法で煙に含まれるアルデヒド類の鞣作用を利用している。延喜式造皮の項にも載っている。同名の着色目的の燻染法とは無関係。
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「なめし」の例文・使い方・用例・文例
- 先週末彼女は雌ジカのなめし革でできた新しいバッグを買った。
- 皮をなめして仕上げる.
- (なめしてない)荒皮.
- 彼女はそのカクテルをひとなめしてみた[ちびりちびり飲んだ].
- 皮をなめして皮革にするプロセス
- なめし剤によりなめし革に変わる
- なめし剤によって革に変わらない
- なめしていない皮で作られたむち
- なめし皮の色である品質、または状態
- 使用目的で革のなめしを仕上げる職人
- オーストラリア産の高木で皮なめし剤がとれる
- アセンヤクノキの心材の抽出物で、染色、皮なめし、漁網と帆の手入れに使われる
- なめしや染色に使われるメスキートの莢
- なめし法に暗い外皮と黄色い内側のほえ声を使用させる東米国と南東のカナダの大きい落葉性の材木用樹木への媒体
- 繩類に使われる篩部繊維となめしに使われる樹皮を産する熱帯アメリカの高木の大きな属
- その樹皮が皮なめしのために使用される明るい黄色の花をつける常緑のインドの低木
- 東インド原産の高木で、樹脂は薬剤や皮なめしに使われる
- 特定のシタン属の木からの赤みがかったか黒いジュースまたは樹脂で、薬品やなめしなどに使用される
- 熱帯アメリカの小さな木で、紫色の染料と皮なめし用の抽出液を産出し、多量では有毒になる下剤油を含むナンヨウアブラギリの実をつける
- 特に牛のなめしていない皮
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