γ・δT細胞
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γδT細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/25 02:34 UTC 版)
γδT細胞(ガンマデルタティーさいぼう)とは細胞表面に普通のT細胞とは異なったタイプのT細胞受容体を持つ細胞集団のことである。ほとんどのT細胞はα鎖、β鎖と呼ばれる2つの糖タンパク質から構成されるT細胞受容体を持つ(この一般的なT細胞はαβT細胞と呼ばれることもある)。それに対し、γδT細胞はγ鎖とδ鎖からなるT細胞受容体を持つ。このグループのT細胞はαβT細胞と比べると、はるかに少数であるが、腸粘膜における上皮細胞間リンパ球(intraepithelial lymphocutes, IELs)として知られるリンパ球集団の中では多数を占める[1]。
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- 1 γδT細胞とは
- 2 γδT細胞の概要
- 3 遺伝子ファミリー
- 4 脚注
γδT細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 09:56 UTC 版)
詳細は「ΓδT細胞」を参照 γδT細胞は、CD4+やCD8+のαβT細胞とは異なるT細胞受容体(TCR)を持ち、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラー細胞の特徴を併せ持つ。γδT細胞は、CD1d(英語版)拘束性のナチュラルキラーT細胞等、不変のTCRを持つ他の「型破り」なT細胞サブセットと同様に、自然免疫と獲得免疫の境界に位置する特徴を持つ。γδT細胞は、V(D)J遺伝子再構成によりTCR遺伝子を再編成して結合多様性(英語版)を生み出し、記憶表現型を獲得するという点で、獲得免疫の構成要素と考えられる。しかし一方で、様々なサブセットは、制限されたTCRやNK受容体がパターン認識受容体として使用される自然免疫系の一部であると考えることもできる。例えば、このパラダイムによれば、大量のVγ9/Vδ2 T細胞は微生物が産生する一般的な分子(英語版)に数時間以内に反応し、高度に制限された上皮内Vδ1 T細胞はストレスを受けた上皮細胞に反応するという。
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γδT細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:34 UTC 版)
γδT細胞はCD4+およびCD8+(αβ)T細胞とは対照的に別のT細胞受容体(TCR)をもち、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、およびNK細胞と同じ性質を共有する。γδT細胞から応答を得る条件は完全には解明されていない。他のなじみのない変異型TCRをもったT細胞サブセット、例えばCD1d-拘束性ナチュラルキラーT細胞などと同様に、自然免疫と適応免疫の間を広くまたいでいる。一方でγδT細胞は、この細胞はTCR遺伝子を再編成して受容体の多様性を生じること、そして記憶表現型も発達させることができることから、適応免疫の要素である。他方様々なサブセットは、制限されたTCRあるいはNK受容体が受容体のパターン認識に用いられることがあるため、自然免疫系の一部分をなす。例えばきわめて多数のヒトVγ9/Vδ2 T細胞は微生物によって産生される共通の分子に対して数時間以内に応答する。さらに高度に制限されたVδ1+T細胞は上皮細胞が受けるストレスに応答するようだ。
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γδT細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/19 05:08 UTC 版)
詳細は「γδT細胞」を参照 γδT細胞は、CD1d(英語版)拘束性ナチュラルキラーT細胞等、不変のT細胞受容体(TCR)を持つが「型破り」な他のT細胞サブセットと同様に、自然免疫と獲得免疫の境界に位置する特徴を持つ。γδT細胞は、TCR遺伝子を再構成して結合部の多様性を生み出し、記憶表現型を発現するという点で、獲得免疫の構成要素と考えられる。また、様々なサブセットは、制限されたTCRやNK受容体がパターン認識受容体として使用される自然免疫系の一部と考えられる。例えば、このパラダイムによれば、大量のVγ9/Vδ2 T細胞は微生物が産生する一般的な分子(英語版)に数時間以内に反応し、高度に制限された上皮内Vδ1 T細胞はストレスを受けた上皮細胞に反応する。
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γδT細胞
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詳細は「γδT細胞」を参照 γδT細胞はCD4+およびCD8+(αβ)T細胞とは対照的に別のT細胞受容体(TCR)をもち、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、およびNK細胞と同じ性質を共有する。γδT細胞から応答を得る条件は完全には解明されていない。他のなじみのない変異型TCRをもったT細胞サブセット、例えばCD1d-拘束性ナチュラルキラーT細胞などと同様に、自然免疫と適応免疫の間を広くまたいでいる。 一方でγδT細胞は、この細胞はTCR遺伝子を再編成して受容体の多様性を生じること、そして記憶表現型も発達させることができることから、適応免疫の要素である。他方様々なサブセットは、制限されたTCRあるいはNK受容体が受容体のパターン認識に用いられることがあるため、自然免疫系の一部分をなす。例えばきわめて多数のヒトVγ9/Vδ2 T細胞は微生物によって産生される共通の分子に対して数時間以内に応答する。さらに高度に制限されたVδ1+T細胞は上皮細胞が受けるストレスに応答するようだ。
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「Γδ T細胞」の例文・使い方・用例・文例
- T細胞の働きによる(主にウィルスや菌の侵入、移植された組織に対する)免疫反応
- T細胞白血病を引き起こしているレトロウイルス
- T細胞と大食細胞によって生産されるインターフェロンの形
- ウイルス感染細胞の表面で抗原を認識し、B細胞とキラーT細胞を刺激するリンフォカインを分泌するCD4受容体があるT細胞
- ウイルス感染細胞の表面で抗原を認識し、感染した細胞と結びついてそれを殺すCD8受容体によるT細胞
- いくつかの異なる遺伝子のいずれか一つで突然変異から生じることがありえるT細胞に影響を及ぼしている先天性疾患
- 成長因子受容体を発達させるT細胞の表面でタンパク質がコードする遺伝子の突然変異から生じている男児のSCID
- ヘルパーT細胞の表面に主に見られる糖蛋白質
- 主として細胞傷害性T細胞の表面に存在する膜糖タンパク質
- 大食細胞、キラーT細胞、B細胞、免疫系および他の構成要素を促進するいくつかのリンホカインのいずれか
- 免疫システム(大食細胞を動かすように)の他のセルに影響する、ヘルパーT細胞によって抗原による刺激に対応して分泌されたサイトカイン
- 成人に起こるT細胞リンパ性白血病という病気
- T細胞白血病の原因と考えられるウイルス
- T細胞という,免疫に関与する細胞
γ・δT細胞と同じ種類の言葉
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