61式戦車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/12 05:21 UTC 版)
退役後
退役後は全国各地の陸上自衛隊駐屯地で展示品とされている車両が少数ある。
2019年8月5日、ヨルダン国王アブドゥッラー2世の要請に応え、滝ケ原駐屯地に展示してあった1両が再塗装を施しヨルダン王立戦車博物館へ無償貸与されることが決定した[28]。
派生型
87式自走高射機関砲の開発にあたって車体を流用する案が計画されたが、性能面で要求水準を満たせないと判断され、74式戦車の車体に変更された。
他にも61式の車体を使用した計画車両として、戦場で陣地構築や敵陣地の爆破などを行う67式装甲作業車というものがあった。実際にM4A3E8を元にした試作車が作られ1967年(昭和42年)に制式化されたものの、計画は中止された。
また、砲塔を後方に回し、前方にディスクローラ式の地雷処理機材を装着した地雷処理戦車が開発されたこともあったが、試作に終わっている。
- 標的用61式戦車
- 1982年10月に行われた対機甲演習で登場した標的用61式戦車。車体、砲塔にシュルツェンが付けられ、IV号戦車のようなシルエットになっている。シュルツェンは左右の板を棒で繋げて、砲塔と車体の上から被せて、動かないように土嚢で押さえているだけなので、容易に脱着可能。
登場作品
脚注
参考文献
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。 |
- 『PANZER』、サンデーアート、1986年3月。
- 「体験的機甲史 自衛隊の戦車」『丸MARU』、潮書房、2001年1月、雑誌08307-1。
- 「六一式戦車 特集 伝説の国産MBT」『丸MARU』、潮書房、2017年3月、雑誌08307-3。
- 『戦車マガジン増刊・世界の精鋭兵器 No.5 61式主力戦闘戦車』
- 林磐男『戦後日本の戦車開発史―特車から90式戦車へ』光人社、2005年。ISBN 978-4769824725。
- 竹内昭『世界の戦車・装甲車』学習研究社〈学研の大図鑑〉、2003年。ISBN 4054016960。
- 『世界のハイパワー戦車&新技術』ジャパン・ミリタリー・レビュー〈軍事研究 2007年12月号別冊〉、2007年。ASIN B007EJ08RK。
- 上田信『戦車メカニズム図鑑』グランプリ出版、1997年。ISBN 4876871795。
- 『陸上自衛隊 機甲科全史』イカロス出版、2017年。ISBN 9784802203395。
- 古是三春、一戸崇雄『ストライクアンドタクティカルマガジン2009年9月号別冊 戦後の日本戦車』2009年。ASIN B002LG7978。
- 防衛庁 (1961年4月26日). “仮制式要綱 61式戦車 XD 9001”. 2004年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月27日閲覧。
- 防衛庁 (1961年4月26日). “仮制式要綱 61式90mm戦車砲 XB 3002”. 2004年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月27日閲覧。
関連項目
注釈
- ^ 通常、自衛隊では時刻にある数字の1を「ひと」と読む[2][3][4][5][6]。装備品の制式年についても同様で、10式戦車は「ひとまるしきせんしゃ」[7]、16式機動戦闘車は「ひとろくしききどうせんとうしゃ」と読む。これに準ずれば、61式戦車は「ろくひとしきせんしゃ」となるが、「ろくいちしきせんしゃ」と読まれる場合が多い。
- ^ 更新すべき戦車はアメリカ軍とヨーロッパ同盟国への供与で数千輌になり、日本への供与が可能になるのは当分先と判断された。
- ^ 25トン級戦車については、第二次防衛力整備計画においてM41軽戦車225輌がアメリカの無償援助によって計画され、1963年(昭和38年)までに147輌が導入された。
- ^ L7 105ミリ戦車砲を搭載した戦後第2世代戦車であるレオパルト1やM60パットンなどはまだ完成しておらず、入手可能な最も強力な砲を選択したと言える。
- ^ 当時各社から発売されたプラモデルでは、61式をアメリカ軍風に表記したM-61(ニットー)やM61(フジミ)などの名称とした物や、M-3(三和)の様に完全オリジナルの名称にした物なども存在した。
- ^ 90式より高腔圧に対応
- ^ 2008年度予算から初度費が一括計上されており、10式の単価には初度費は含まれていない。
- ^ 平成元年度防衛白書中の資料「平成元年度主要事業の経費」によれば、56両に対し22,175百万円。
- ^ 1965年と2022年の物価を消費者物価指数で換算。
出典
- ^ 『仮制式要綱 61式戦車 XD9001』付図
- ^ 齋藤雅一 (2015年5月). “自衛隊百科(5月放送内容) テ-マ:自衛隊の専門用語の解説”. 東北防衛局. 2022年8月8日閲覧。
- ^ “時刻の読み方”. MAMOR-WEB. 株式会社扶桑社. 2022年8月8日閲覧。
- ^ 自衛隊福岡地方協力本部 [@fukuoka_PCO] (2020年5月4日). "「投票ありがとうございました。 自衛隊では・・・ ひとよんにーまる ひとよんふたまる 通常、陸上自衛官は「にー」、海上・航空自衛官は「ふた」を使いますよ😊」". X(旧Twitter)より2022年8月8日閲覧。
- ^ “20式5.56mm小銃、9mm拳銃SFP9 自衛隊新小銃と新拳銃の名称決定! 実銃解説”. ハイパー道楽 (2020年5月18日). 2022年8月8日閲覧。
- ^ たいらさおり(漫画家/デザイナー) (2021年11月23日). “【マンガ】「待ち合わせはヒトロクマルマル」キター!! 自衛隊独特の“数字の読み方”にご注意?”. 乗りものニュース (株式会社メディア・ヴァーグ) 2022年8月8日閲覧。
- ^ 貝方士英樹 (2021年10月9日). “陸上自衛隊:最新世代戦車「10式戦車」の性能①、ヒトマルの機動力に注目する”. Motor-Fan.jp (株式会社 三栄) 2022年8月8日閲覧。
- ^ 林磐男 2005, p. 119.
- ^ 林磐男 2005, p. 101.
- ^ 軍事研究 2007, p. 135.
- ^ a b 古是三春 & 一戸崇雄, p. 62.
- ^ 早すぎたデジタル迷彩!? 七色の61式戦車が誕生したワケを“生みの親”に聞いた - 乗りものニュース (2021年9月16日). 2023年11月27日閲覧。
- ^ 丸 2017, p. 86.
- ^ a b c d e 丸 2017, p. 87.
- ^ 『陸上自衛隊 機甲科全史』p. 173.
- ^ 古是三春 & 一戸崇雄, p. 36.
- ^ a b 古是三春 & 一戸崇雄, p. 37.
- ^ この細長い受像器を、砲塔前面右側の直接照準孔に繋がる、砲塔内の砲の右側にある砲手用61式直接照準眼鏡(テレスコープ)と交換した。
- ^ 従来は、「暗視照準眼鏡」と、間違って解説されてきた。
- ^ 規正板とは、夜戦用装備ではなく、(白と黒のチェックが入った)10cm四方の板が両端についた、全長1mの(足付きの)棒であり、61式車上1m測遠機の照準の修正に用いられる。本来、規正板収納箱は、砲塔バスル内左側に収納されていたが、そこに代わりに、細長い「砲手用暗視装置受像器」を収納したために、規正板収納箱を砲塔外に出さざるを得なくなった。
- ^ 従来は、「交流発電機」や「交流変換器」と、間違って解説されてきた。61式戦車は「直流-交流 変換器(インバーター)」を備えていない。
- ^ 61式戦車のエンジンには元より発電機が2基付いており、暗視装置用に発電機を新たに搭載することも無く、暗視装置用の電源は車体側から供給された。ゆえに箱の中身は発電機ではない。
- ^ 古是三春 & 一戸崇雄, p. 68.
- ^ 古是三春 & 一戸崇雄, p. 29.
- ^ 古是三春 & 一戸崇雄, p. 42.
- ^ a b c d e f g h 丸 2017, p. 88.
- ^ a b 丸 2017, p. 89.
- ^ 61式戦車のヨルダン王立戦車博物館への無償貸付及びヨルダンからの装甲車の寄付の受領 - 外務省 (2019年8月5日). 2023年11月27日閲覧。
固有名詞の分類
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