新世紀エヴァンゲリオンの用語一覧 新劇場版で初出の用語

新世紀エヴァンゲリオンの用語一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/17 01:24 UTC 版)

新劇場版で初出の用語

エヴァンゲリオン(新劇場版)

裏コード「ザ・ビースト」
『破』で登場した、2号機に隠されていた「ヒトを捨て、戦闘に特化させた形態」と称される戦闘形態「獣化第2形態」を起動させるコマンド。機体の全リミッターが強制解除されると共に背部を中心とした拘束具がパージされて筋肉が露出し、戦闘方法も手で引き裂く、牙で噛み付くといった獣に近いスタイルになる。マリの音声入力によって2号機がこの形態に移行させられ、第10の使徒に食い下がる活躍を見せるものの、敗北した。発動中はプラグスーツ各所の小さな円形パーツが回転し、緑色に発光する。また、機体の活動限界を知らせるモニタの画像が乱れたり、パイロットについてはマリの両目も緑色に発光した上、凶暴な性格を露にするといった変化が見られた。また、プラグ深度も汚染区域に突入しかけており、パイロットにもリスクが大きいらしい。他のEVAにこの機能があるかは不明だが、テレビアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』とコラボレーションした同作第21話には「初号機のビーストモード」をイメージした敵がデザインされ登場している[23]
テレビ版第2話のサブタイトルにあるように、直訳は「獣」だが定冠詞(The)がつくと「悪魔」という意味になる。
コード777(トリプルセブン)
『Q』において修復・改造された改2号機に使用された「獣化第4形態(第2種)」を起動させるコマンド。アスカの音声入力によって外見上は裏コード「ザ・ビースト」に酷似したものへ移行したが、それよりさらに多くの牙や長い尾が生え、リミッターは全て外部にパージされた。裏コード「ザ・ビースト」同様、他のEVAにこの機能があるかは不明。
2021年1月に公開されたIMAX版(3.333)においては「裏コード777(スリーセブン)」に呼称が変更されている。
裏コード999(スリーナイン)
『シン』において修復・改造された新2号機に搭載された裏コード。搭乗者の使徒化と同時に、エンジェルブラッド(使徒の血)を注入することで覚醒状態となる。これも他のEVAにあるかは不明。
疑似シン化第1覚醒形態
第10使徒戦において、シンジの意思に呼応するかのように覚醒した初号機の形態のこと。機体のグリーンの部分は紅くなり、頭上には光輪が出現し、強力なA.T.フィールドを駆使した攻防を見せたり、目から強力なビームを放つようになる。搭乗しているシンジの目も紅く発光し、リツコが「ヒトに戻れなくなる」と叫んで彼を制止しようとしたことから、パイロットにも何らかの大きな肉体的・精神的変化を及ぼすものである模様。第10の使徒からレイを救出する際には浮遊するようになると共に、光輪は中心に黒い穴を持つ赤黒い同心円状の渦へと変化し、パイロットも含めた全身がエネルギーの凝縮体へと変容していった。リツコは「エヴァ本来の姿を取り戻していく」、「神に近い存在へと変わっていく」などと表現している。
疑似シン化第2形態
第10使徒戦において、疑似シン化第1覚醒形態となった初号機が、巨大なレイ(サルベージした零号機のコアを基点に形象崩壊した使徒の液体が集まったもの)と融合し、光り輝く姿となった形態のこと。白い光の身体の中に、赤い血管状の光が通っている。通称「光の巨人」。これにより第3新東京市上空には巨大なガフの扉が開かれ、同市は壊滅状態となった。背中からはいくつもの光の翼が天に伸び、姿はヒトではないものへと変わっていくが、その直後に降臨したMark.06から投擲されたカシウスの槍によって止められた。
疑似シン化第3+形態(推定)
『Q』で第13号機が第12の使徒を吸収した結果、初号機の疑似シン化形態をも超えた覚醒を起こした形態のこと。全身が白く輝き、頭上に2重の光輪が現れ、肩パーツが翼のようなものに変化している。
ADAMS(アダムス)
『破』のセカンドインパクトの回想に登場する、翼を持つ4体の「光の巨人たち」の総称。テレビ版の第1使徒アダムに相当する存在であるが、輝く姿であること、球状のコアを胴体・頭部のいずれかに持つ以外、大幅にデザインが異なる。Mark.09~Mark.12が「アダムスの器」、第13号機が「アダムスの生き残り」と呼ばれるなど、EVA・使徒とも何らかの関係性を持つ模様。
ネーメズィスシリーズ
『Q』でヴンダーを襲撃したコード4Cの呼称。
DSSチョーカー
正式名称は「Deification Shutdown System Choker」。装着者がEVAを覚醒させた場合に爆殺する首輪型爆弾で、使徒封印用呪詛文様が刻まれている。リツコ曰く、「私たちの不信と貴方(シンジ)への罰の象徴」。
『Q』では目を覚ましたシンジの首に取り付けられていた。その後カヲルによってカヲルの首に付け移され[注 12]、第13号機の覚醒に伴って作動しカヲルを爆殺した。
『シン』ではアスカやマリの首にも装着されており、使徒化したアスカに対して起動したものの処分には失敗した。初号機に再搭乗する前にシンジが自身に装着し、これはネオンジェネシス後も残存した[注 13]
エヴァの呪縛
『Q』で明らかになった設定。EVAのパイロットは頭髪を除いた身体変化が起きなくなり、食事を必要とせず水だけで生きていけるようになる。睡眠はしようとしてもできないようである。
シンジは『シン』時点でも「リリンもどき」であり、食事を摂らないと生きていけない。
エヴァンゲリオン・インフィニティ
『Q』『シン』に登場。ニアサードインパクトとサードインパクトを経て、地球上に大量に発生した生命体。第三新東京市跡にあるエヴァインフィニティは形の崩れたEVAのような赤い巨人の姿をしており、セカンドインパクト爆心地の南極にあるものは首なしの赤い初号機のような姿をしている。ゲンドウはこのエヴァのコアに全ての生命の魂を集め、完全なる生命体とする「フォースインパクト」を発動した。
『Q』では、セントラルドグマ最深部へと続くメインシャフトの壁面にインフィニティへ進化しきれなかった残骸が登場し、カヲルからは「インフィニティのなり損ない」と評される。NERV本部地下のセントラルドグマには首無しの死体と大量の頭蓋骨が転がっているほか、地上では首無しでも稼働するインフィニティがいくつか存在しており、独りでにゆっくりと動き回る行動を取るものは「ハイカイ」と呼ばれる。
『3.0(-46h)』では、発生した赤い初号機のような巨人の首が落ちるシーンや巨人の周辺がコア化していく様子が描写されている。
エヴァンゲリオン・イマジナリー
『シン』に登場。現実と虚構の狭間であるマイナス宇宙に存在する空想上のEVA。
黒いリリスのような姿をしていたが、人類補完計画(アディショナル・インパクト)の発動とともに巨大な綾波レイのような姿に変化した。
『シン』の劇中では、ロンギヌスとカシウスの両槍を吸収し、ガフの扉の向こう側にあるマイナス宇宙から現実世界(=劇中世界)に現れた。
EVAインフィニティへ人々の魂を集め、ゲンドウをトリガーとする人類補完計画(アディショナル・インパクト)を発動した。
しかしトリガーがゲンドウから息子であるシンジへ移ったことや、ミサトの特攻によって新たな槍であるガイウスの槍が届けられたこと、最終的にはシンジが人類補完計画(アディショナル・インパクト)にけりを付ける形でEVAインフィニティへ人々の魂を集めることを拒んだため自壊した。

組織(新劇場版)

NERV・ユーロ支部(ユーロ・NERV)
特務機関NERVの欧州支部。詳細は不明だが『シン』ではフランス・パリのエトワール凱旋門周辺に保管施設が設置されていた。EVA2号機が本部の指揮下に移ってからもパスを保有し続けるなど、必ずしも協力的ではない。
NERV・北米支部(北米NERV)
特務機関NERVの北米支部。3・4号機を建造していたが4号機の事故によって第2支部を喪失し、3号機を本部に譲渡した。位置は不明だが、3号機搬出のシーンでは山脈とビュートの立ち並ぶ砂漠にピラミッド様の建造物をもつ巨大施設が登場する。
海洋生物研究所
国際環境機関法人日本海洋生態系保存研究機構の下にある施設。第3新東京市の沖合いに建設され、現在の赤い海をセカンドインパクト前の海に戻す研究を行っている。上空から見た施設の形状は、生命の樹に酷似している。
セカンドインパクト以前の海の環境が人工的に再現されており、内部では魚類やクラゲペンギンカメなど、セカンドインパクトで野生絶滅した海洋生物が飼育されている。『破』ではシンジたちが社会科見学に訪れたが、内部環境を保全するために滅菌設備は厳重を極め、入場時には何重もの滅菌が必要であった。
IPEA
2号機の封印を担当した組織で、EVAの封印格納地下式サイロを運用している他、仮設5号機の起動時にもシステムの製造元として名前が現れる。正式名称は「International Project Evangelion Agency」。NERVとは別の組織[注 14]で、かつ「UN IPEA」との表記が確認できる。ロゴマークは国際原子力機関(IAEA)のマークと三つ目のEVAを組み合わせたようなもの。
WILLE(ヴィレ)
葛城ミサトをはじめとした旧NERV職員を中心とする反NERV組織。NERVの壊滅を目的に活動している。名称はドイツ語で「意思」の意味。ミサト以外の全員が水色のバンダナを左腕や襟元に巻いているが、このバンダナはNERVから離反する際に敵味方識別のために用いたもので、「赤く染まった大地を海をこの色に取り戻す」ことをイメージしている。ミサトは加持の形見であるバンダナ(一部が血で染まっている)を所持しており、『シン』での最終決戦時に初めて身につけた。
KREDIT(クレーディト)
WILLEによる支援組織。ニアサードインパクトを生き残った者たちの生活支援を行っている。元々はWILLEが直接運営していたが、最終決戦を前に独立運営に変更された。ドイツ語で「信用」の意味。

場所(新劇場版)

レベルEEE(トリプルイー)
NERV本部セントラルドグマ最深部であり、旧作でいうターミナルドグマのこと。なお、新劇場版ではターミナルドグマとセントラルドグマの位置関係が逆転している。
ベタニアベース
北極にある特務機関NERVの基地。第3の使徒が封印されていた。独自に「マルドゥック計画」を進めていたが、ゲンドウの指示を受けた加持の工作によって第3の使徒と仮設5号機を喪失し、計画は頓挫した。第3の使徒を用いた研究を行っていたらしく、その結果として人類の力のみでは使徒を止めることはできないことが判明した。なお、ベタニアイエスラザロを生き返らせた町の名前。
辺獄エリア
ベタニアベース内部のエリア名。第3の使徒をここで食い止めようとしたが失敗した。
アケロン
ベタニアベース上部の呪詛文様が刻まれた円柱が並ぶ場所。なお、アケロンは、地下を流れる川(ステュクス)の支流とされる川の名前。
タブハベース
月面にあるゼーレ関連の基地。Mark.06が建造された場所であるが、NERV最高司令のゲンドウでさえ着陸の許可が下りなかった。なお、タブハはイエスがパンと魚の奇跡を起こした町の名前。
ゴルゴダベース
初号機に搭載されたダミーシステムの搬送元。なお、ゴルゴダはイエスが処刑された場所。
カルヴァリーベース
セカンドインパクトの爆心地になった、南極の研究基地。
第3村(だいさんむら)
第3村モデル地・天竜二俣駅
『シン』で登場する、ニアサードインパクトで生き残った人々が暮らす人口1000人程度の村。扇形庫転車台のある鉄道車両基地の跡地で、一帯はWILLEの設置した(曰く「置き土産」)封印柱によってコア化を免れており、元鉄道施設建屋や立ち並んだプレハブ小屋が住居になっている。かつてのインフラはほとんどが修理不能として放棄されており、人々の生活はKREDITの支援と農耕・採集に頼っている。他にも生存者が暮らす村が存在することが示唆されている。
村の一部は天竜浜名湖鉄道天竜二俣駅をモデルとしており、2021年8月1日から9月26日までの期間限定で駅名標などが「第3村駅」に変更された[24]
マイナス宇宙
ガフの扉の向こう側に広がる空間のこと。

兵器(新劇場版)

NHG
『シン』で登場するNERV保有の空中戦艦。人類補完計画のために建造されたガフの守人。主機に「アダムスの器」たるEVA・オップファータイプを使用する。1番艦ヴーセ(後のAAAヴンダー)、2番艦エアレーズング、3番艦エルブズュンデ、4番艦ゲベートからなる[25]。艦名はそれぞれ、ドイツ語で「贖罪」「救済」「原罪」「祈り」を意味する。
強力な光線攻撃が可能な球形砲塔を2番艦は7基、3番艦は2基搭載しており、冬月の采配でNERV本部を強襲するヴンダーの前に現れて苦戦を強いた。なおブリッジは存在するものの、元来は有人仕様ではないため(未完の状態から改造された1番艦=ヴンダーを除き)操作系はない上にL結界密度が非常に高く、長時間滞在していた冬月はL.C.L.に還元されてしまった。
本来は「ガフの守人」たる役割ゆえに人類補完計画内の儀式のトリガーは使えないが、NERVによってゼーレのシナリオにないアナザーインパクトに利用された。アナザーインパクト後は冬月の手回しにより、2〜4番艦の主機たるEVA・オップファータイプ(アダムスの器形態)が分離され、それらをオーバーラップした8号機によって全艦撃墜された。
AAA ヴンダー(AAA Wunder)
『Q』『シン』に登場するWILLE保有の空中戦艦にしてWILLE艦隊の旗艦。AAAは「Autonomous Assault Ark」、ヴンダーはドイツ語で「奇跡」の意味。劇中では「スリーエーヴンダー」と呼称されている。
周囲で作業していた多くの軍艦をもまとめて浮遊させることができる強力な重力制御システムを有し、A.T.フィールドを発することもできる。後述の通り未成艦を強奪したため、正規の仕様で完成した他の艦と比べて戦闘力では劣るが、主機性能ではヴンダーの方が上で、機動力では勝る。
元々はNERVが建造していた戦艦NHGの1番艦ヴーセだが、加持の提唱した「人類補完計画の巻き添えで消える地球の生命種を地球圏外へ避難させる」計画のためにWILLEが強奪、本来の主機であるMark.09から初号機を主機とした。しかしサードインパクトを止める贄として加持が死亡したため、ミサトによって「命を残す方舟ではなく、命を救う戦闘艦として」使われることになった。
最終的にはWILLEが世界の命運をシンジに託すべく、アナザーインパクトを参考に脊髄ユニットを改造されたことで、ガイウスの槍として流用された。

その他(新劇場版)

バチカン条約
EVAに関する国際条約。保有数の制限や、EVA関連技術の軍事転用禁止などが定められている。
第13条第1項によって各国のEVA保有数は3機までに制限されており、これによって、3号機が日本にやってきた際は2号機が封印を施された。リツコ曰く「この条約は締結各国の利害が絡んでいるため、条約改正すらほぼ不可能」。『シン』では、EVAを軍事転用した条約違反の代物とされる44シリーズが登場した。
赤い海
新劇場版では、セカンドインパクト後の海は色が真っ赤に染まっており、海洋生物が生きていけない死の海と化している(旧作ではセカンドインパクト発生地点付近の南極海のみ)。加持曰く「何もない赤い水」。
ネブカドネザルの鍵
『破』冒頭でベタニアベースを脱出してきた加持がゲンドウに渡したもの。「神と魂を紡ぐ道標」、「人類補完の扉を開くもの」と言われ、頭のないヒトのようなものと、鍵のようなものがくっついた形状となっている。『シン』では、これを用いて自身の肉体に「この世の理を超えた情報」を書き込むことができると示された。なお、ネブカドネザルは古代メソポタミアの王名で、マルドゥック神とも深い関わりを持つ。
リリスの結界
セントラルドグマ最深部へ続くメインシャフトを塞いでいる、青い結界。『Q』でのカヲル曰く、この結界で14年間(『破』から『Q』までの間)、最深部へ誰の侵入も許していなかったが、その後第13号機により突破された。
リリンの王
渚カヲルが碇ゲンドウを指して言った名称。
ニアサードインパクト
第10の使徒戦後に擬似シン化第2形態と化した初号機が起こしてしまった、NERV本部直上を爆心地とする一連の災害。第三新東京市に大規模な地割れが発生、この時にガフの扉を開いてしまった初号機は、後にセントラルドグマ最深部を爆心地とするサードインパクトのトリガーとなったとされ、リリン(人類)は便宜的に、初号機が起こした災害をニアサードインパクトと名付けた。サードインパクトの影響により、地球全土が建造物も含め赤くコア化し、それに融合するかのように首のない赤いEVAと思われる残骸が点在し、世界中に赤い十字架が刺さっている。また、衛星である月は赤い格子模様や雲に覆われ、地球にかなり接近している。
フォースインパクト
ゼーレのシナリオに基づいた、海と大地に続く「魂の浄化」を為す人類補完計画(本来の)最後の儀式。第13号機に使徒を吸収させて擬似シン化第3+形態(推定)へと到達させる「人工的なリリスの再現」と、「2本の神の槍」を揃えることによって行われる。劇中では「古の生命のコモディティ化」「全ての魂をコアに変え、EVAインフィニティと同化させる」とされた。「フォースインパクト」と呼ばれる事象は劇中で2度発生した。
ひとつは『Q』において、第13号機にMark.06に残っていた第12の使徒を吸収させ、2本のロンギヌスの槍でパイロットの渚カヲルを第13使徒に堕とすことでトリガーとした。ガフの扉が開き、黒き月を大地から引きずり出したが、カヲルが2本のロンギヌスの槍で第13号機の覚醒を止めるとともに、カヲルの死亡とシンジのエントリープラグ射出による第13号機の停止で中断した。
もうひとつは、『シン』において旧南極でNERVが起こした災害。体内に残っていた第9使徒を解放して自ら使徒化したアスカをトリガーとし、アナザーインパクトで新造した2本の槍を投下して引き起こした。
ファイナルインパクト
『シン』予告映像で触れられたもので、NERVの目標であり、WILLEはそれの阻止を目指すとされた。『シン』本編ではこの語は不使用であり、相当する儀式としてアディショナルインパクトが行われた。
アナザーインパクト
『シン』にてNERVがセカンドインパクトの爆心地たる旧南極カルヴァリーベースにて引き起こした、ゼーレのシナリオに存在しない未知の儀式。
再び開いた地獄の門の周囲に4機のNHGを配置することで、セカンドインパクトと同じ「光の翼を開いた4体のアダムス」という方術を再現して起こした。その目的はゼーレのシナリオたるフォースインパクトの再開に必要な槍を、黒き月を強制流用して新造し、ゲンドウの最終目的であるアディショナルインパクトのために残存する2本の槍を温存すること。
アディショナルインパクト
『シン』にてゲンドウがゴルゴダオブジェクト内で起こした「神殺し」の儀式。「希望」の象徴である初号機とカシウスの槍と、「絶望」の象徴である第13号機とロンギヌスの槍を同調・調律させたのち、EVAイマジナリーに2本の槍を作用させて自己の認識を書き換え、世界を書き換える儀式。
ゲンドウは「自らが理想とする世界でユイと再会する」目的のため、劇場版にてシンジが拒んだ「A.T.フィールドの存在しない世界」を実現しようと試みたが、シンジとの対話の果てに断念に至り、世界の改編はシンジによるネオンジェネシスにて達成された。
L結界密度
リリンが近寄れる場所と、そうでない場所の区別をする数値。『Q』のラストにおいて、シンジ、アヤナミレイ(仮称)、アスカの3人はL結界密度の高い赤い大地に生身で取り残されたため、リリンが近づける(EVAパイロットでない普通の人間が助けに来られる)ところまでの移動を開始した。
コア化していてもL結界密度の低い地域では、防護服を着用すればリリンも活動ができる。
コア化
サードインパクトに晒された地球のあちこちで発生した、地表にあるもの全てが赤く染まる現象。コア化したエリアはL結界密度が高く、EVAパイロット以外の人間は防護服なしでは近づけないエリアと化す。WILLEはこれを食い止めるために、まだコア化していないエリアに「封印柱」を設置し、結界を張ることで一時的にコア化を防いでいる。
封印柱(ふういんちゅう)
コア化を阻止する結界を形成する、黒地に使徒封印用呪詛文様を持つ円柱。劇中では相補性L結界浄化無効阻止装置アンチLシステムとも呼ばれる。『シン』にてNERVユーロ支部や第3村周辺に設置されていた他、『破』でもベタニアベース上部やアスカ封印設備の周辺に類似のものが設置されており、『Q』でもWILLE艦隊の空母に積載されておりシンジ封印設備の周辺に設置されている。正常な土地がコア化するのを防ぐ他、既にコア化した土地を元に戻すこともできる。マヤによればエヴァ同様、人外未知の未解明システムである。
聖なる槍
神がリリンに与え給うた、世界を書き換える力を持った槍。使い手によって絶望の槍ロンギヌス希望の槍カシウスのいずれかとなる。
カシウスの槍
絶望の槍ロンギヌスと対になる希望の槍。Mark.06から初号機へ投擲された槍。共に補完計画発動のキーとなっており、また第13号機とセットで使えば世界の修復も可能だとされる。『Q』では、カヲルによればドグマ最深部に放置されているMark.06とリリスにロンギヌスの槍と共に刺さっているはずだったが、実際に刺さっていたのは2本ともロンギヌスの槍であった。
ガイウスの槍
ゲンドウが聖なる槍を全て消費したため、再び世界を書き換える槍を得るべくヴンダーの脊椎をマテリアルに生成した新たな槍。世界をありのままに戻したいという意思の力で創られたヴィレ(意志)の槍。ミサトによってシンジの元に届けられ、世界を「エヴァがなくてもいい世界」に書き換えるために使われた。
ヤマト作戦
NERVによるフォースインパクトの完全遂行を阻止するべくWILLEが発動した作戦。NERV本部内に保管されている第13号機のコアに強制停止信号プラグを打ち込み無力化、仕上げの儀式を実行不能とするのが目的。
第13号機の起動前に接近することには成功したものの、プラグ打ち込みを新2号機が自身のA.T.フィールドにより拒絶、やむを得ずアスカが裏コード999を使用、新2号機を覚醒させて強行を試みるが、手間取る間に再起動した第13号機が光線攻撃でプラグを破壊、さらに使徒化したアスカを摘出し新2号機は頭部を残して形象崩壊したため作戦は失敗した。
ゴルゴダオブジェクト
マイナス宇宙に存在する十字架様の物体。ゲンドウによれば運命を書き換えることができる唯一の場所。
ネオンジェネシス
物語のラストで行われた、シンジによる新たな世界の創成。ガイウスの槍を使い、マイナス宇宙の中で自らとともにすべてのEVAを貫き「エヴァがなくてもいい世界」に書き換えるという形で人類補完計画を中断、世界の再構築を行う。しかし初号機に槍が刺さる寸前、ユイとゲンドウがシンジの身代わりとなる。ガイウスの槍に貫かれ、すべてのEVAは消滅する。コア化した地球や赤い格子模様の月も元通りになる。
これにより、作品内で『新世紀エヴァンゲリオン』(英語題:Neon Genesis EVANGELION)のタイトルが回収された[26]

注釈

  1. ^ ゲンドウのセリフは「システムをダミープラグに切り替えろ」だが、第19話でシンジが初号機から強制排除されるシーンでは白色の通常型プラグが映っている。
  2. ^ 前述のテレビ版の描写とは矛盾している。
  3. ^ 「UN NERV」とも表記される。
  4. ^ 第一発令所と造りは同じだが、マヤ曰く「ここは椅子はキツイし、センサーは固いし、やりづらい」とのこと。
  5. ^ ただし、旧世紀版第11話では「第3管区航空自衛隊」の名称や灰皿には「JASDF(航空自衛隊の略称)」の表記がされており、編入前の名称はところどころ残っている模様であるが、組織としては基本的に「国連軍」で統一されている。
  6. ^ 旧世紀版第7話にて登場する人型ロボット「ジェットアローン(J.A.)」の起動算譜では開発メンバーに日本重化学工業共同体、通産省(1995年の旧世紀版放送当時。正式名称・通商産業省。現実では2001年の中央省庁再編により経済産業省に改組)と共に防衛庁(1995年の旧世紀版放送当時。現実では2007年に防衛省に改組)が名を連ねている。このジェットアローン開発には「戦自の介入は認められない」ため、防衛庁と国防省は別組織であることが示唆されている。
  7. ^ 本編中、起動(暴走)時のOSは「ジェット・アローン起動用オペレーティングシステム. Ver.2.2.1c」であったのに対して、爆発を回避した際には「ジェット・アローン再起動用オペレーティングシステム. Ver.2.1.1b」になっており、改ざんがあったことを匂わせている。
  8. ^ 質量とその物体の大きさは、鉛と真綿の例に見られるように全く無関係。
  9. ^ 形式的には初代新幹線やアポロ宇宙船なども「多数決制」を採っていた
  10. ^ 映画当時のIBMなどのコンピュータは、アブノーマルエンドなどの異常終了を3桁の16進数で表しており、現在のようなヒューマンフレンドリーなメッセージを出力する余裕はなかった経緯がある。
  11. ^ 特別非常事態宣言」の表示もみられる。例えば、『序』でのヤシマ作戦時に、相田ケンスケが視聴していたテレビ番組に表示されるL字型画面(L字型画面は災害時などに表示される)には「非常事態宣言」「特別非常事態宣言」の両方の表示がみられた。
  12. ^ カヲル曰く、「元々は自分を恐れたリリンが作った物」であるため、カヲル自身がいずれは装着するつもりだった。
  13. ^ ラストシーン直前にマリが取り外す。
  14. ^ "ABOVE THE LINE IS JURISDICTIONAL AREA OF NERV"(線より上はNERV管轄区域)、"BELOW THE LINE IS JURISDICTIONAL AREA OF UN IPEA"(線より下は国連IPEA管轄区域)との記述が確認できる。

出典

  1. ^ a b c d e エヴァンゲリオン・クロニクルより。
  2. ^ Yahoo! JAPANの企画で行われた中川翔子との対談にて。
  3. ^ 『新世紀エヴァンゲリオン フィルムブック』(角川書店)1巻の40ページより。
  4. ^ 『エヴァンゲリオン・クロニクル 新訂版』、4号、23ページ。
  5. ^ 『エヴァンゲリオン・クロニクル 新訂版』、14号、22ページ。
  6. ^ ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト(ロンギヌスの槍を月に刺すプロジェクト実行委員会 2015/01/30 公開) - クラウドファンディング READYFOR (レディーフォー)、2023年5月10日閲覧。
  7. ^ 例として、漫画『新世紀エヴァンゲリオン』(貞本義行)の第1巻など。
  8. ^ 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 THE END OF EVANGELION パンフレット p.20
  9. ^ a b 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 THE END OF EVANGELION パンフレット p.19
  10. ^ ニュータイプ(編) 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序―ENTRY FILE 1』 角川書店 p.62
  11. ^ オープニングの絵コンテより。エッセネの持つ死海文書の1ページ[1]
  12. ^ a b 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 THE END OF EVANGELION パンフレット p.17
  13. ^ 『劇場版 Air/まごころを、君に』より
  14. ^ 『グッズプレス』(徳間書店)2009年8月号、81ページ
  15. ^ 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』の1000円版パンフレットの用語解説より。
  16. ^ ヱヴァンゲリオン新劇場版ブログ:破 2011年3月13日2011年7月23日閲覧
  17. ^ エヴァ・ファン「ヤシマ作戦」で節電へ団結…東日本大震災 スポーツ報知大阪版 2011年3月14日閲覧
  18. ^ ツイッターで節電呼び掛け=アニメの作戦名で展開 時事通信 2011年3月23日閲覧
  19. ^ “節電協力チェーンメール出回る-関電「転送しないで」”. 梅田経済新聞. (2011年3月14日). http://umeda.keizai.biz/headline/1001/ 2011年3月24日閲覧。 
  20. ^ “節電 支援につながらず”. 朝日新聞岡山版. (2011年3月21日). http://umeda.keizai.biz/headline/1001/ 2011年3月24日閲覧。 
  21. ^ Company, The Asahi Shimbun. “ネットでお手軽貢献の可能性 節電ゲームで連帯も”. asahi.com. 2022年5月21日閲覧。
  22. ^ 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 THE END OF EVANGELION パンフレット p.18
  23. ^ エヴァの次は999「シンカリオン」コラボへの執念 制作者たちが語る「絶対聞けないウラ話」が満載”. 東洋経済オンライン (2021年11月19日). 2022年3月25日閲覧。
  24. ^ 南拡大朗「「エヴァ」映画モデル 天竜二俣駅の看板を第3村に交換」『中日新聞』、2021年8月2日。2021年8月22日閲覧。
  25. ^ シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇 パンフレット p.60
  26. ^ この用語の出典。中川大地 (2021年5月15日). “総括・「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」(後編)──真希波・マリ・イラストリアスはなぜ昭和歌謡を歌い続けたのか【平成後の世界のためのリ・アニメイト 第9回】”. アキバ総研. カカクコム. 2021年7月17日閲覧。





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