音阿弥
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/07 08:28 UTC 版)
後世への影響
彼の時代に観世座と幕府権力の結びつきは決定的なものとなり、以後観世流が他を圧して能楽界の中心を担う契機を作った。
一方で、能作者としても傑出した存在であった観阿弥、世阿弥、元雅とは対照的に、彼の作になる能は残っておらず(伝音阿弥作とする曲もあるが、一般的には認められていない)、また伝書の類も存在しない(『能優須知』が『歌舞髄脳記』の著者とするが、近世の偽書である)。その代わり役者としての活動によって、観世座を大成させ、また現代に至るまで名優としての名を遺したのである。
子の信光、さらにその子の長俊は能作者としても活躍し、世阿弥系の幽玄な作風とは異なる花やかな曲を多く作っている。
正盛以降も観世大夫職は以後音阿弥の子孫により受け継がれ、当代の二十六世観世清和に至っている。
音阿弥が登場した作品
参考文献
外部リンク
- ^ 心敬『ひとりごと』
- ^ 『能脇侍所作鏡』
- ^ 梅原猛・松岡心平『神仏のしづめ』角川学芸出版
- ^ 表章『観世流史参究』檜書店、77頁
- ^ 能勢朝次『能楽源流考』岩波書店
- ^ 『花伝』「第七別紙口伝」。なお、この世阿弥自筆本は直系子孫である観世宗家に現存している。
- ^ 香西精「元雅行年考――新・三郎元重養嗣子説――」(『続世阿弥新考』所収)
- ^ 『満済准后日記』
- ^ 『看聞御記』
- ^ 「桟敷事外下直」(『康富記』)
- ^ 『康富記』
- ^ 『糺河原勧進猿楽日記』
- ^ 『蔭涼軒日録』
- ^ 伊藤正義『金春禅竹の研究』赤尾照文堂、35頁
- ^ 『観世流史参究』に拠ると、何れの諱も後世の創作とされる。
- ^ 以下『観世流史参究』、116-124頁
音阿弥と同じ種類の言葉
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