電車特定区間 沿革

電車特定区間

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/29 06:26 UTC 版)

沿革

  • 1984年
    • 4月20日:「国電区間」および「大阪環状線内」区間を制定。すでに制定されていた「東京山手線内」[注 4]区間を含め、それらの区間相互間において幹線運賃より割安な運賃設定がなされる。営業キロが10km以内であれば「国電区間」相互間では共通の運賃形態であった。11km以上については「東京山手線内」「大阪環状線内」相互区間内にのみ割安な運賃形態が適用され、「東京山手線内」「大阪環状線内」で完結しない「国電区間」相互間では、営業キロが11km以上の場合は通常の幹線運賃が適用された。
      • 国電区間
        • 東京附近:東海道本線(東京 - 大船)、南武線、鶴見線、武蔵野線、横浜線、根岸線、横須賀線、中央本線(東京 - 高尾)、青梅線、五日市線、東北本線(東京 - 大宮、日暮里 - 尾久 - 赤羽)、山手線、赤羽線、常磐線(日暮里 - 取手)、総武本線(東京 - 千葉、錦糸町 - 御茶ノ水)
        • 大阪附近:東海道本線(京都 - 神戸)、大阪環状線、桜島線、山陽本線(神戸 - 西明石)、関西本線(奈良 - 湊町)、片町線(長尾 - 片町)、阪和線
      • 東京山手線内[注 21]:東海道本線(東京 - 品川)、中央本線(東京 - 新宿)、東北本線(東京 - 田端)、山手線、総武本線(秋葉原 - 御茶ノ水)
      • 大阪環状線内:大阪環状線、桜島線、関西本線(天王寺 - 湊町)、片町線(京橋 - 片町)
  • 1985年
    • 4月20日:「東京附近」に、東海道本線支線の品鶴線(品川 - 新川崎 - 鶴見)を追加。これまでは「国電区間」内相互間かつ10km以内の区間であれば「東京山手線内」「大阪環状線内」区間内完結か否かを問わず同一の運賃が適用されていたが、7kmから10kmまでの場合に完結する場合としない場合で別の運賃が適用されるようになる[注 22]
    • 9月30日:東北本線(埼京線:赤羽 - 武蔵浦和 - 大宮)開業に伴い、「東京附近」に同区間を追加。
  • 1986年
    • 3月3日:京葉線(西船橋 - 千葉港)開業に伴い、「東京附近」に同区間を追加。
    • 9月30日:「東京山手線内」「大阪環状線内」区間内で完結しない11km以上の「国電区間」相互間に幹線運賃よりも割安な運賃制度を適用。これにより、距離を問わず幹線運賃よりも割安な運賃制度が適用されたこととなる。
  • 1987年
    • 4月1日:国鉄分割民営化に伴い、「国電区間」の名称を「電車特定区間」に変更。
  • 1988年
    • 12月1日:京葉線(新木場 - 南船橋、市川塩浜 - 西船橋)開業に伴い、「東京附近」に同区間を追加[注 23]
  • 1990年
    • 3月10日:京葉線(東京 - 新木場)開業に伴い、「東京附近」に同区間を追加。
  • 1996年
    • 1月10日:それまで同一の運賃制度が適用されてきた「東京附近」および「大阪附近」相互間のうち、10km以内の区間の運賃において運賃制度が分割され、両者異なる運賃となった[注 24]
  • 1997年
    • 3月8日:JR東西線(京橋 - 尼崎)開業に伴い、「大阪附近」に同区間を追加。片町線(京橋 - 片町)廃止に伴い、「大阪附近」および「大阪環状線内」区間から同区間を削除。
  • 2008年
  • 2014年
    • 4月1日:それまで同一の運賃形態が適用されてきた「東京山手線内」区間および「大阪環状線内」区間相互間(それぞれ営業キロ11km以上)、「東京附近」および「大阪附近」相互間(それぞれ営業キロ11km以上)が、別個の運賃形態が適用されるようになる[9]
  • 2019年
    • 3月16日:おおさか東線(新大阪 - 放出)開業に伴い、「大阪附近」に同区間を追加。
    • 11月30日:東海道本線(相鉄・JR直通線:鶴見 - 羽沢横浜国大)開業に伴い、「東京附近」に同区間を追加[10]
  • 2023年
    • 3月18日:「東京附近」相互間[注 25]において、鉄道駅バリアフリー料金制度が導入される[11]
    • 4月1日:「大阪附近」相互間[注 26]において、鉄道駅バリアフリー料金制度が導入される[5]

注釈

  1. ^ 定期旅客運賃は普通旅客運賃と違い、旅客営業規則に運賃の算出法が規定されていない。具体的な運賃額が示されている別表があり、それを参照する形となる。
  2. ^ 制定以降、国鉄およびJRは各路線の状況に応じて柔軟に使用車両を変えてきたため、電車特定区間と使用車両についてはもはや相関性はない。
  3. ^ 後述の「東京山手線内」および「大阪環状線内」区間相互間では「電車特定区間」に基づく規則は適用されず、さらに割安な運賃を適用する。
  4. ^ a b 「均一乗車券」類の適用区間や、特定都区市内の制度に準ずる扱いをする場合等に使用。
  5. ^ よって、必然的に「東京山手線内」相互区間ないし「大阪環状線内」相互区間は「電車特定区間」相互区間でもある。ゆえに「電車特定区間」と対象とした規則については、原則「東京山手線内」相互区間ないし「大阪環状線内」相互区間に対しても適用される。
  6. ^ 品鶴線の追加事例のみ例外である(国電区間制定時品鶴線は旅客線として既に存在したが含まれず、制定1年後に追加された)。
  7. ^ 支線名についてはその限りではない。
  8. ^ 路線案内上は品川駅 - 鶴見駅間が横須賀線、鶴見駅 - 羽沢横浜国大駅間が相鉄線直通またはJR埼京線直通
  9. ^ 路線案内上は埼京線。
  10. ^ 路線案内上は京都駅 - 大阪駅間がJR京都線、大阪駅 - 神戸駅間がJR神戸線
  11. ^ 路線案内上はJRゆめ咲線。
  12. ^ 路線案内上はJR神戸線。
  13. ^ 路線案内上は大和路線
  14. ^ 路線案内上は学研都市線。
  15. ^ ここでは、電車特定区間内で最短経路の設定がある140kmまでを記す。
  16. ^ a b c 鉄道駅バリアフリー料金は「運賃」ではなく「料金」に該当するが、旅客営業規則第66条により常に運賃額とともに収受されるものであるため、ここでは運賃と一体化したものとして扱う。
  17. ^ 旅客営業規則第84条[6]、東日本旅客鉄道株式会社ICカード乗車券取扱規則第37条[7]など。
  18. ^ JR東日本管内のみで適用(JR西日本管内では普通運賃と同額)。
  19. ^ 乗車全区間が、東海道新幹線:東京 - 品川、東北新幹線:東京 - 上野および「東京山手線内」を合わせた区間に収まり、かつ合計の営業キロが11km以上となる場合は、「東京山手線内」の運賃形態が適用される。
  20. ^ 入場券料金は鉄道駅バリアフリー料金制度の対象ではないが、電車特定区間における鉄道駅バリアフリー料金を合わせた初乗り3km運賃と金額が揃えられている。
  21. ^ 前述通り、すでに別の目的で定義されていた区間で、この時点に制定されたものではない。
  22. ^ 「国電区間」の運賃が値上げされる形となった。
  23. ^ 同時に同線千葉港駅 - 蘇我駅間も開業したが、同区間は電車特定区間に含まれなかった。
  24. ^ 大人普通旅客運賃においては、「東京附近」が一律10円値上げされた(「大阪附近」の値段は据え置かれた)。
  25. ^ 「東京山手線内」区間内で完結する場合を含む。
  26. ^ 「大阪環状線内」区間内で完結する場合を含む。
  27. ^ それぞれの駅の山手線からの距離は大船駅39.7km・高尾駅42.8km・武蔵五日市駅45.2km・取手駅37.4km・千葉駅38.7km・千葉みなと駅39.0kmである。

出典

  1. ^ 2019年10月1日、消費税率引上げに伴う運賃・料金改定について』(プレスリリース)東日本旅客鉄道https://www.jreast.co.jp/consumption-tax2019/2020年11月4日閲覧 
  2. ^ 消費税率引き上げに伴う運賃・料金改定について』(プレスリリース)西日本旅客鉄道https://www.westjr.co.jp/press/article/2019/07/page_14452.html2020年11月4日閲覧 
  3. ^ バリアフリー設備の整備を促進します~ホームドアは整備を拡大・加速~』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道株式会社、2022年4月5日https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220405_ho01.pdf2023年3月22日閲覧 
  4. ^ 東京地区・関西地区における鉄道駅バリアフリー料金制度の活用等に伴う普通運賃・新幹線定期券「FREX(通勤用)」発売額の一部見直しについて(2023 年春)』(PDF)(プレスリリース)東海旅客鉄道、2023年2月6日https://jr-central.co.jp/000042538.pdf2023年3月22日閲覧 
  5. ^ a b 鉄道駅バリアフリー料金制度を活用してバリアフリー設備の整備を加速してまいります』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2022年8月19日https://www.jr-odekake.net/oshirase/farerevision/assets/pdf/barrierfree.pdf2023年3月22日閲覧 
  6. ^ JR東日本:旅客営業規則>第2編 旅客営業 -第3章 旅客運賃・料金 -第2節 普通旅客運賃”. 東日本旅客鉄道. 2023年5月10日閲覧。
  7. ^ 東日本旅客鉄道株式会社ICカード乗車券取扱規則 第2編 旅客営業|Suicaに関する規約・特約|Suica:JR東日本”. 東日本旅客鉄道. 2023年5月10日閲覧。
  8. ^ 入場券:JR東日本”. 東日本旅客鉄道. 2023年11月29日閲覧。
  9. ^ 旅客営業規則の一部改正(消費税率の引上げによる運賃・料金改定等に伴う改正)” (PDF). 東海旅客鉄道 (2014年4月1日). 2023年5月13日閲覧。
  10. ^ 東海旅客鉄道株式会社旅客営業規則の一部改正(消費税率の引上げによる運賃・料金の改定等に伴う改正)”. 東海旅客鉄道. p. 8 (2019年9月9日). 2023年5月13日閲覧。
  11. ^ 「オフピーク定期券」のサービスを開始します』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2022年12月27日、2頁https://www.jreast.co.jp/press/2022/20221227_ho01.pdf2023年5月13日閲覧 
  12. ^ 青春18きっぷ|お得なきっぷ詳細情報|JR東海”. 東海旅客鉄道. 2023年4月20日閲覧。
  13. ^ 川辺謙一『東京総合指令室―東京圏1400万人の足を支える指令員たち』交通新聞社〈交通新聞社新書〉、2014年。ISBN 9784330507149 
  14. ^ 運転席にカメラを置いてみた!大月駅社員が企画・撮影・編集をした映像を発売します!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2022年9月29日https://www.jreast.co.jp/press/2022/hachioji/220929_hc002.pdf2023年5月10日閲覧 
  15. ^ 北海道&東日本パス|JR北海道のおトクなきっぷ”. 北海道旅客鉄道. 2023年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月29日閲覧。
  16. ^ 三たび!JR東日本の運賃格差について”. 埼玉県. 2014年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月9日閲覧。
  17. ^ JR東日本帰省応援キャンペーン お正月は列車でふるさとへ』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2010年11月18日、4-5頁https://www.jreast.co.jp/press/2010/20101113.pdf2023年5月31日閲覧 
  18. ^ JR東日本帰省応援キャンペーン お正月は列車でふるさとへ』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2011年11月15日、4-5頁https://www.jreast.co.jp/press/2011/20111112.pdf2023年5月31日閲覧 
  19. ^ JR東日本帰省応援キャンペーン お正月は列車でふるさとへ』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2012年11月16日、5-6頁https://www.jreast.co.jp/press/2012/20121111.pdf2023年5月31日閲覧 


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