長栄海運
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/02 15:43 UTC 版)
沿革
1968年に長栄海運設立後、翌1969年に2隻目を購入し中東航路に投入した[4]。1970年代にはさらに船を購入し、東アジア・中米間航路に進出し[4]、1974年にはアメリカ合衆国への航路を開設しニューヨークに事務所を置いた[4]。
会社の転機となったのは1970年代のエネルギー危機であった。これにより海運市場が急速に縮小したのをきっかけに、長栄海運は在来船をコンテナ船に置き換える戦略をとった。1975年、東アジア・東南アジアと北アメリカの間でフルコンテナ船の定期航路を開設し、以後台湾のみならず世界的にも大手のコンテナ船会社となった。1984年にはコンテナ船では初となる世界一周路線も開設した。この路線は東向きおよび西向きの双方向で、アジア・ヨーロッパ・アメリカを結んだ。
他のコンテナ船会社の子会社化も進めた。1984年には台湾のユニグローリーを傘下に収め、2002年にはイギリスにハツマリンを設立し、1993年にはイタリアのロイド・トリエスティーノ(Lloyd Triestino, 1835年にトリエステで設立されたオーストリア・ロイド社を前身とし、2006年にはイタリア・マリッティマと改名した)を子会社とした。
2002年には61隻のコンテナ船を運航し、グループでは130隻で40万TEUの運送能力を有した[4]。2008年には178隻のコンテナ船を運航している[8]。2009年には世界経済危機の回復を見越してさらに100隻建造することを発表している[8]。
サービス
長栄海運の運航する航路は、大きく分けて5つのサービスを中心としている。[9]
このうち最も運航が頻繁なのは東アジアと北アメリカ・中央アメリカを結ぶ路線であり[9]、日本、台湾、中華人民共和国、大韓民国、の各港とアメリカ合衆国西海岸の港湾を大型コンテナ船で結んでいる。またパナマ運河を経由してカリブ海東部やアメリカ大西洋岸に向かう路線もある。
世界各国にコンテナターミナルを有するほか、コンテナ積替え用のハブ・ターミナルを4つ保有している。
グループ企業
張栄発は長栄海運を設立して成功を収めた後、経営範囲を拡大し、エバー航空(長栄航空公司)、ユニー航空(ユニエアー、立榮航空公司、1995年に馬公航空公司を買収し改名した)、長栄国際公司、長栄国際儲運公司、長栄航太科技公司(航空機整備)、長栄保全公司、長栄空厨公司(機内食サービス)、長栄交響楽団、エバーグリーン・ローレルホテル(長栄桂冠酒店)などを設立した。
- ^ "Safety, Quality, Environment Policy." Evergreen Marine. Retrieved on September 29, 2009.
- ^ “Alphaliner - TOP 100 Operated fleets”. Alphaliner. 2014年1月20日閲覧。
- ^ a b c d 小野瀬拡「企業家に与える経験の影響 : 長栄集団・張栄発の事例をもとに」『九州産業大学経営学論集』第25巻第1号、九州産業大学経営学会、2014年7月、31-48頁、hdl:11178/123、ISSN 1882-3327、CRID 1050001336172524928。
- ^ a b c d e Mote, Dave (2008年). “Business Encyclopedia - Evergreen Marine Corp.”. Hoover's Inc. 2008年10月1日閲覧。
- ^ 台湾の運輸最大手・長栄集団創業者、張栄発氏が死去日本経済新聞、2016/1/20
- ^ a b c d 東日本大震災時に10億円寄付 エバーグリーン・グループ総裁が死去/台湾中央社フォーカス台湾、2016/01/20
- ^ “台湾の運輸最大手・長栄集団創業者、張栄発氏が死去”. 日本経済新聞. (2016年1月20日) 2017年10月31日閲覧。
- ^ a b Taiwan's Evergreen Marine to build 100 container ships
- ^ a b Evergreen Marine corporate profile
固有名詞の分類
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