鉄拳チンミ 概要

鉄拳チンミ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/01 16:09 UTC 版)

概要

鉄拳チンミは『月刊少年マガジン』(講談社1983年12月号より1997年2月号まで連載。単行本全35巻。文庫本全18巻。中国拳法をテーマとしている。1987年、第11回講談社漫画賞少年部門を受賞。

続編に『新鉄拳チンミ』(月刊少年マガジン、全20巻、文庫版全10巻)、月刊少年マガジンにて現在連載中のシリーズ最新作『鉄拳チンミ Legends(レジェンズ)』(2021年9月最新28巻が発売)があり、いずれも大長編ストーリーの物語となっている。また、番外編を描いた『鉄拳チンミ外伝』(2015年2月現在4巻)もある。

2019年頃から、コロナの影響もあって徐々に休載が増えており、刊行ペースも減っている。休載理由については不明であったが、月刊少年マガジン2023年9月号にて「休養期間が2年を越えようとしている中で、休養中に絵コンテを書き溜めて、現在それを原稿にする作業を始めている」というコメントが発表された。

本作品は1988年にアニメ化もされたが、本編には登場しないキャラクターなど、ストーリーは漫画版と大きく異なるうえ、単行本のわずかな部分のみである(全20話)。

あらすじ

鉄拳チンミ

修行編
天性の身軽さと、天真爛漫な素直さ、そして類稀なる拳法の才能をもつ少年チンミ。姉と猿のゴクウとで平和に暮らしていたチンミは、大林寺建立100年目に現れ大林寺拳法を極めるという「拳精」をさがす旅をしていた大林寺の老師に見出され、て、大陸一とも言われる「大林寺」に入門することになる。
仲間たちと厳しい修行を続けたチンミは、大僧正たちからもその才能を高く評価され、数々の試練や修行を行いながら大林寺の老師たちから数々の秘伝を授かり、強敵と戦い勝利することで才能を開花させていく。
盲目ながら棍法の達人リキの下で修行中に、後に最大のライバルになる棍法の天才シーファンと勝負をするが、3戦し2度完敗を喫してしまい、3戦目でかろうじて引き分けとなった。
その後、チンミは大林寺のワクに収まりきれなくなり、東林寺のヨーセン道士の弟子になる。しかし、高齢のヨーセン道士が修行中に危篤に陥ってしまう。だが、身体の小さな者でも大男に対抗できるという「通背拳」を伝授され体得するのだった。
道中編
ヨーセン道士の死後、大林寺以外の世界を見るため旅にでたチンミは、そこで様々な人達と出会い、新たな技や知識を体得しながら、各地で悪人や武闘家たちと戦って勝利を収めている。
オウドウ編
旅の途中大僧正が倒れたことを知り、急いで大林寺に戻ったチンミだったが、大林寺はかつての門下生オウドウと2匹の虎たちにより占領され、大僧正は監禁されていた。かつてヨーセン道士に師事し、チンミ以上の通背拳を操る気功拳の使い手オウドウを倒すため、その破壊力の凄まじさから封印されたという大林寺最大の奥義・殺人拳「雷神」を使ってオウドウに勝利する。
しかし、殺人拳を使ってしまった責任を感じて、チンミは大林寺を出ることを決意する。しかし偶然リキに出会い、街の声やリキの助言により再び大林寺に戻るのだった。「雷神」により瀕死となっていたオウドウは、大僧正により治療を受けた深夜、寝所を綺麗に整えて去っていった。
風の群狼編
やがて、その類まれな実力が評価されたチンミは、若くして大林寺の師範として認められ、グンテココウを始めとした弟子を持つことになる。しばらくして、グンテの故郷ナジルが騎馬民族“風の群狼”の標的になっていることを知り、チンミは弟子を引き連れて先行隊としてナジルへ向かうことになる。
圧倒的な戦力差から、ナジルの街に籠城して防御に徹して、街の人たちと共に“風の群狼”と戦うことになり、大林寺と国軍の援軍により見事勝利する。その際、“風の群狼”の首領ゲンマと戦い、チンミは勝利する。
天覧武道会編
この「ナジルの戦い」でのチンミ達の功績は、都の皇帝陛下の耳にも入り、国軍の将軍であるオウリンに都に招待される。そこで皇帝陛下に会い、毎年恒例の天覧武道会に大林寺代表として出場が決まる。天覧武道会にシーファンが出場することを知り、会いにいくが、シーファンはシンサイに傀儡針で操られていた。大会の開催直前にオウリンから皇帝暗殺計画を聞かされ、優勝してほしいと頼まれる。
初戦から通背拳を使い準決勝ではイリュウを、決勝ではタンタンに勝利し、チンミは甲組(武器なし)部門で優勝する。そして、乙(武器あり)部門で優勝したシーファンと統一戦で戦うことになる。試合中にシーファンの傀儡針による洗脳を解くため「百会」のツボを突くが、洗脳は解けず、最後は通背拳で勝利する。
試合後、2人の武名を称えるため近づいてきた皇帝陛下をシンサイの針から守り、皇帝暗殺計画の阻止に成功し、翌日の表彰の儀の後皇帝陛下直々に謝意を表される。そしてシーファンとも別れ、大林寺に戻るのだった。

新鉄拳チンミ

カナン自治区編
南の辺境自治区カナンの同門・興林寺と連絡が取れないことを危惧した大僧正の命によりチンミが使者として赴くことになる。道中知り合ったプーシンと共にカナンに到着したチンミは、前国主一族を殺して地位を簒奪したジライの圧制によって、住民達が苦しめられている現状を目の当たりにする。
前国主の一人娘 ホウジュンを中心とした「カナン解放運動」に合流したチンミは、彼らの計画に協力することを決意。他の仲間達が国主軍を鉱山で足止めしている隙に、ホウジュン達と共に国主の宮殿に潜入したチンミは、自分を獲物と付け狙う憲兵隊長ソウビを撃破し、ジライをあと一歩のところまで追い詰めるが、駆け付けたボル将軍によって阻まれる。
ホウジュン達にジライを追わせるため、ボル将軍との対決を挑むチンミだったが、恵まれた体格とチンミ以上の天賦の才を併せ持つ、桁違いの強さを誇るボル将軍に徐々に追い詰められる。遂に殺人拳「雷神」の封印を解くも、逆にボル将軍に「雷神」を習得され、絶体絶命の窮地に陥ってしまう。最後の力を振り絞った反撃を決め、ボル将軍を城壁から突き落として勝利を収める。
一方、ホウジュンもジライの執念深い抵抗に苦しめられながらも、他のカナン住民達の協力もあってジライを捕縛することに成功。「カナン解放運動」は住民達の勝利で終わった。
水軍編
「カナン解放運動」に関する報告によりチンミへの評価をさらに高めた皇帝陛下は、かねてより苦慮していた「水軍への密偵の任」をチンミに託すことを決定。恩師でもあるズイウン提督への親書と、最近動きの怪しい水軍内偵の勅命をチンミに与える。同じく勅命を受けたシーファン、タンタンと共に水軍の本拠地カレイに向かったチンミは、丁度行われていた新兵募集を利用して水軍司令部「軍船島」に潜入する。
チンミから親書を受け取ったズイウンは、今回の事態が自分を補佐する副官の一人カイオンの企みであることに気付く。カイオンは、ライバルであるもう一人の副官チョウリュウを含めた邪魔者を全て始末した上で、自分が新提督となる計画を進めていた。ズイウンはカイオンを処罰しようとするが、既に兵の大半はカイオンの傘下にあったため逆に拘束され、チンミもまた艦から夜の海に突き落とされてしまう。
いよいよカイオン艦隊によるチョウリュウ艦隊への攻撃が始まるが、カイオンの計画は超人的な体力で夜の海と陸路を走破し切って帰還したチンミの妨害工作と、異常事態を素早く察知したチョウリュウの判断力、カイオンの旗艦に乗り込んで暴れ始めたシーファン・タンタンの活躍もあって次々と狂わされ、ズイウンの奪還まで果たされてしまう。
追い詰められたカイオンは配下最強の「第一海兵部隊」を投入して、皇帝の密使であるチンミ達とズイウンが避難した艦を潰すことで、全てを闇に葬ろうとする。しかし、第一海兵部隊はチンミ達3人の体力の限界を超えた奮闘により撃退され、残ったカイオン傘下の艦はチョウリュウの命をかけた作戦により撃沈。カイオン自身も崩壊する旗艦と共に海の藻屑と消え、その野望は完全に潰えることになった。
無事任務を達成したチンミ達は、皇帝陛下に報告するべく馬車で都に向かうのだった。

鉄拳チンミLegends

悪党街マウロン編
皇帝陛下の呼び掛けにより、近隣諸国の代表を招いての友好式典が行われることとなった。ミト姫は自国の代表としてこれに参加することになったが、常に王族としての立場に縛られることに嫌気の差していた彼女はこの機に羽を伸ばそうと旅の途中で宿を抜け出す。しばし自由を満喫したミト姫だったが、人攫いに「異国の姫のそっくりさん」と勘違いされ誘拐されてしまう。武術指導の旅の最中、偶然その現場を目撃していたチンミとグンテは誘拐犯を追跡、悪党街と名高いマウロンに辿り着く。
高い岩山の上にあるマウロンの顔役ゼイガンの砦に連れていかれてしまったミト姫を救出するべく、目的を同じくする近衛兵隊長ダルトと手を組んだチンミ達は侵入困難がゆえに監視の無い断崖絶壁への“岩登り”を敢行する。時を同じくして監禁部屋から自力で脱出したミト姫を巡り、侵入に成功したチンミ達とゼイガン砦の誇る十人衆との戦いが繰り広げられる。十人衆を9人まで撃破し一時はミト姫を奪還するも、十人衆最後の1人にして最強の実力者であるガンテイによってミト姫とグンテ達が再度捕らえられてしまう。
何とか犠牲者を出さずに事態を収拾しようとするミト姫に対し、ゼイガンはミト姫と護衛全員の生還をかけてのガンテイと決闘を提案。先鋒を買って出たチンミはガンテイの黒翼剪剣に翻弄されながらも一瞬の勝機を逃さず勝利する。ゼイガンはミト姫に上に立つ者の心構えを説くと共に、約束を守ってチンミ達全員を解放する。チンミ、グンテと別れたミト姫は、当初の予定通りに国の代表として友好式典に出席するのだった。
水害編
度重なるチンミの英雄的活躍に対して、皇帝陛下は彼に「国家功労賞」を授与することを決定。その授与式のためにオウリン将軍が大林寺を訪れることになったが、その一団の後ろにはチンミを慕うオウリンの一人娘レンカの姿もあった。
そんな中、降り続ける雨の影響で、ヤンの村近くの川では大水が起こりかけていた。親方一家が避難を始めた矢先、遂に大水が発生。流れてきた流木に生まれたばかりの双子の赤ん坊が入った籠が引っ掛けられてしまう。赤ん坊を助けようとするヤンだったが、それと引き換えに今度は自身が川に引きずり込まれ、チンミもまたヤンを救うべく荒れ狂う川に飛び込み、無事生還を果たす。
暗殺者編
国家功労賞を授与されたことで、大林寺にはチンミと戦って名を挙げるべく、多くの拳法家が押しかけていた。そんな中で、雇われた暗殺者たちがチンミを襲うようになる。理由も分からない中で、仕込み杖使いのトウザなど次々と襲ってくる刺客達と戦いこれを撃破する.
自分のせいで周囲の人々に危害が及ぶことを恐れたチンミは、国軍の武術指導のため王都に招かれたことをきっかけに国軍の若手の代表であるセキトや同輩のジンタン、ビケイらと共に大林寺を後にする。しかし、そこに暗殺者集団が襲撃し、チンミは拉致されて暗殺者集団のアジトに監禁されてしまう。

登場人物

大林寺

チンミ
声 - 坂本千夏
本作の主人公。天性の身軽さと、天真爛漫な素直さ、類稀なる拳法の才能をもつ少年。旅の老師に「拳精」として見出され、大林寺に迎えられ、修行により在家の師範として様々な活躍をしている。そして、師範となってからも弟子たちに教えながら(猿拳の歩法を教えるなど)も自らも身体を鍛えることを怠っていない。ストーリー序盤では、持ち前の素直な性格から、砂が水を飲むように、修行により極意を会得していった。大長編に入ってからは、修行の過程よりも強大な敵との戦いが描かれるようになった。
自然の中で暮らすうちに身に着けた身体能力と勘の鋭さからくるスピードのある攻防とトリッキーな戦術、必殺技「通背拳」や「一指拳」を得意とする。また、大林寺の秘伝で、封印されていた「雷神」を会得している。圧倒的な強さの敵に対しても決して勝負を捨てず、強力な技を何度も受けながらも戦い続ける精神力と体力を兼ね備えている。巨大なと戦って勝利したり、常人では考えられない体験を生き抜いている。現在、都の緑営の兵士達に武術指導するための旅の道中。
のゴクウとは、幼い頃からの親友である。両親は幼いころ他界しており、姉のメイリンとゴクウと共に飲食店を営みながら暮らしていた。お酒に目がなく、連載初期には飲酒するシーンが度々描かれたが徐々に見られなくなっていった[1]
チンミの年齢は、鉄拳チンミ34巻の作者コメントによると、連載開始当初は13歳くらいで、天覧武道会の時点では16~18歳くらいと幅を持たせた表現をしている。
老師(ろうし)
声 - 増岡弘
大林寺の老師で名前はロン(ナジルの戦いの際に大僧正より呼ばれた)。「拳精」を探す旅の途中でチンミと出会い、大林寺に迎える。チンミのことを「チンミどの」と呼ぶ。酒好きであり酔拳(北派酔拳=魯智深酔拳、武松酔拳)の使い手。また旅を多くしており薬草等の知識が豊富であり怪我の多いチンミを治療したり相談相手になっている。
アニメ版ではローという名前になっている。
大僧正(だいそうじょう)
声 - 緒方賢一
大林寺総本山の大僧正。チンミに入門試験など様々な試練や助言を与え才能を開花させていった。病に倒れ大林寺をオウドウに占領された際、チンミを殺人者にしないため雷神を受け瀕死のオウドウを助けた。
ジン・タン
声 - 中原茂
大林寺の門下生。強くなりたいという想いが強く、練習熱心であり実力もある。勝つためには手段を選ばず、禁じ手である急所を両手と足で三箇所同時に攻撃する三壊拳を編み出した。チンミに敗れた後改心し親友になる。後に入門したビケイとコンビを組むことが多く、オウドウ編・風の群狼編などでは一緒に行動していた。 Legendsの時点で名前の「・(中黒)」がなくなりジンタンと呼ばれている。
アニメ版では商標の問題から「キン・タン」という名前になっている。
テンドウ禅師(テンドウぜんじ)
声 - 藤本譲
大林寺の出家の師範で、深山行での修行でチンミを指導した人物。チンミに相手の力を利用し最小限の力で最大限の力を出す方法や、気配を完全に消し岩になる方法、明鏡止水の心を伝授した。23巻でカイホウ道士と誤表記されている。
リュウカイ
声 - 難波圭一
大林寺の出家の師範であり気功法の使い手。武者修行の旅に出ており帰山後、チンミとの試合で深山行に対する思い上がりを指摘した。過去に試合でペイの容態に気づかず試合をした結果、死なせてしまったことに責任を感じ、自らつらく厳しい武者修行の旅に出た。風の群狼編では大林寺の援軍のリーダーとして、仲間達と共にナジルに駆け付けた。
師範として成長したチンミが「総本山の修行者全員が一番頼りにしている」「あなたを超えた弟子などいない」と評するようにその高い実力と高潔な人柄で大林寺総本山の精神的支柱ともいえる存在。しかしそれゆえにウォンの毒手拳に不覚をとったり、オウドウに手も足も出ず敗れて晒しものにされたりとチンミの前座的扱いをされてしまうこともある。
リキ
声 - 若本規夫
大林寺の師範であり法の達人。失明しているが心の目をもっており気配、音、においなど他の感覚を研ぎ澄ますことにより物事の本質が見えるため目でものを見ている人より物事がよく見える。実力はチャア、シュウ、メンの3人同時や大男のテイキを圧倒するほどである。
その後チンミが大林寺を救うためオウドウに雷神を使い、責任を感じて大林寺を出て行ったときには活人拳と殺人拳の違いは技ではなく使う人の心の問題など助言した。
アニメ版では設定が異なり、諸国修行中に大林寺に立ち寄り、チンミに棍法の真髄や心の目を伝授した。世に並ぶ者なし言われるほどの実力があり、「棍法の鬼」と呼ばれる。
シーファン
声 - 向殿あさみ
チンミがリキの下で棍法の修行中に出会った最大の好敵手でもあり、親友でもある。武器は棍・必殺技は捻糸棍。普段はおとなしい性格だが、戦いが始まると形相が変わり凄まじい攻撃をする。これはソシュウ禅師の教えで最後まで諦めず勝利への執念が強いためである。また、自分はまだまだ強くなれると信じており修行熱心である。リキの所に滞在中にチンミと3回試合をして初戦、2回目は完勝し3回目は引き分けとなった。
その後、天覧武道大会編に登場したときはシンサイに傀儡針で操られ皇帝暗殺計画の手駒にされる。天覧武道大会開催直前に道場破りで昨年の上位陣を出場不能にした。大会では刃物相手を苦もせず、準決勝ではタイリョウを、決勝ではシバを破り甲乙統一戦でチンミと戦う。序盤から優勢だったが、傀儡針による洗脳を解くため「百会」のツボを突かれ一時洗脳は解けるが、再び洗脳状態になる。最後は通背拳をくらい敗れる。試合後、シンサイが皇帝を暗殺しようとしたとき無意識だが洗脳が解け、皇帝を救った。翌日に洗脳は完全に解け、皇帝に命の恩人として直々に感謝される。
ソシュウ禅師(ソシュウぜんじ)
声 - 辻村真人
リキとシーファンの師匠。チンミは孫弟子にあたる。シーファンと旅の途中にリキの下に訪れ、シーファンに敗れたチンミに「おのれに限界をつくるな」ということを教えた。その後、天覧武道大会編ではシンサイに監禁され皇帝暗殺計画を阻止しようとするチンミを脅すため人質にされるが、シバによって助けられる。
ヨーセン道士(ヨーセンどうし)
声 - 仲木隆司
東林寺に住むチンミ、オウドウの師匠。高齢だが大林寺の長い歴史上でも屈指の拳法の天才であり、通背拳・雷神といった気功系の奥義を体得し、凶暴な人食い虎を指一本で倒したという伝説を持っている達人中の達人である。チンミに大林寺拳法は実戦では役に立たないと言い放ち、気配を敏感に察知することや一撃必殺など実戦拳法を伝授する。オウドウには修行を刀の研ぎに例え、斬れる刀(技)を持つ者には鞘(心)が必要と教えていたが、それは後述する自身の苦い体験が元になっている。大の酒好きで、一見すると浮浪者のようにも見える酔っ払いの老人だが、町の人々を外国の兵隊やゴロツキの乱暴から守っているため人々からは慕われている。
雷神の使い手でもあり、ある地方でおこった騒乱を鎮めるために派遣され、そこで初めて雷神を実戦で使った。だがその威力は予想をはるかに超えるものであり、その後は精神的に大きな苦しみを背負うことになり、戦いの場から退いて隠居の身となった。
その度を過ぎた酒好きが災いして、内臓が取り返しがつかないほどに悪くなり危篤状態になるが、最後はチンミの通背拳体得を見届けて静かに逝去した。死後、彼の徳を偲んで大勢の人々が墓参りに訪れていた。
外伝にて大林寺入門前のチンミと出会っていたことが判明した。
ビケイ
初登場時は渡し舟の船頭をしていた。ガマガエルのように醜い姿をしているため幼少の時から馬鹿にされ続け拳法で身をたてようとしたが、どの道場にも門前払いにされ、1人で修行に励みガマ拳法を編み出した。しかしガマ拳法完成後は危険人物として憎まれ、結局拳法家として認められることはなかった。その復讐心を満たすため、船頭をしながら拳法家が訪れるたびに辻斬りを仕掛け、足の腱を切り拳法ができない体にしていたが、ある日たまたま彼の船に乗ったチンミに辻斬りを仕掛け、ガマ拳法で追い詰めるものの敗れる。敗れた後、改心しチンミの提案で大林寺に入門することになった。大林寺ではジン・タンと仲がよくチンミの弟子達にガマ拳法を教えている。
ココウ
チンミの弟子。動物が好きで動物の動きに詳しい。両親はすでに他界しており、山の中で独りで暮らしている。家の近くを飛び回っているつがいのオオタカを、いつも見守ってくれている気がするので「親父さん」、「お袋さん」と呼んでいる。この大鷹を動物調査団を名乗る人達が罠を仕掛け捕まえようとしたのを知り、不意打ちをして報復にあうがチンミに助けられる。「ナジルの戦い」ではチンミと共に先発隊としてナジルに派遣され、“風の群狼”と戦う。
クッパ
チンミの弟子。腕力が相当強いらしいがグンテには敵わなかった。「ナジルの戦い」ではチンミと共に先発隊としてナジルに派遣され、“風の群狼”と戦う。
サンチュウ
チンミの弟子。「ナジルの戦い」ではチンミと共に先発隊としてナジルに派遣され、“風の群狼”と戦う。
ナムル
チンミの弟子。「ナジルの戦い」ではチンミと共に先発隊としてナジルに派遣され、“風の群狼”と戦う。
ユッケ
チンミの弟子。「ナジルの戦い」ではチンミと共に先発隊としてナジルに派遣され、“風の群狼”と戦う。
ヨンファ
チンミの弟子。「ナジルの戦い」ではチンミと共に先発隊としてナジルに派遣され、“風の群狼”と戦う。
グンテ
チンミの弟子。ナジル出身で手の付けられない悪ガキだったため大林寺に預けられる形で入門した。他の弟子達に比べ実力があり、棍法の修行ではリキが一目置くほどであるが、調子に乗りやすく自信過剰の性格なため嫌われる。しかし常に上を目指しており影で努力するなど根は真面目である。町でチンピラとトラブルになり痛めつけられるがチンミに助けられ、大林寺師範の実力と大林寺拳法が目指すものの本当の意味を知り改心する。「ナジルの戦い」ではチンミと共に先発隊として故郷のナジルを守るため派遣され、“風の群狼”と戦う。チンミの作戦で“風の群狼”の中に忍び込むが、見破られ重傷を負わされる。その後、意識が回復し勝利に導く活躍をする。その戦いの後で、負傷した“風の群狼”の一員を助けたり(そのことを本人は決して仲間達の前で口に出さなかった)と、おぼろげながらも「本当の武道家」の心に目覚めた部分も見られる。
シエン
裏社会の大物である叔父のジバンが関係する抗争に巻き込まれたことで両親を失い、大林寺に預けられた少年。拳法の心得はないが足には自信があり、拉致されたチンミの捜索隊に先回りして追いつくほど。同時に入門したフッコウとはある意味いいコンビとなっている。
フッコウ
元々はチンミ目当てに大林寺を訪れたとある流派の門下生の一人だったが、大林寺の真の力を知ったことで流派に見切りを付けて大林寺への入門を決意する。その際に兄弟子達からリンチを受けるが、全員を返り討ちにし、また手加減なしのグンテの攻撃を凌ぎ切るなど、実力は確か。

その他の拳法家

シオン
チンミが旅の途中に出会ったある町の拳法家。町のチンピラの乱暴から町人を救っていたり、町はずれで子供達に勉強と拳法を教えているため町人からは慕われている。旋風拳の使い手でありチンピラからは恐れられている。
チンミに試合を申し込まれ一旦は断るが、たんなる興味本位ではない真摯な姿勢を見て試合を受ける。試合では幾度なくチンミを圧倒するが、最後は旋風拳の弱点を突かれ敗れる。
リクウ
シオンの父親。チンミに旋風拳を破るには相手の呼吸を盗めと助言する。
レイメン先生
ある町の老拳法家。チンミに鉄巨人攻略法である、の内側の肉体にダメージを与える衝撃波の打ち方を伝授した。
リホウ
京林寺(けいりんじ)の拳法家。ヌンチャクの使い手。楽陽道(らくようどう)を不審に思い、その正体を調べている。京林寺の住職であった祖父と父親も楽陽道を調べていたが、ユマリ教祖によって火事を装って殺されてしまった。

天覧武道大会

タンタン
師匠の無念をはらすため天覧武道大会に出場した南斗円脚拳の使い手。自分の足技に自信を持っており両手をブラ下げた状態で足技だけで戦うが、危機を感じた時は拳や頭突きを使う。甲組準決勝では昨年の優勝者のブメイを右脹ら脛を痛めるも、南斗夾撃踵で破り、決勝戦ではチンミを天砲脚で追い詰めるも敗れる。その後、シンサイによって誘拐されたレンカを救出し、皇帝暗殺計画を阻止したとして皇帝陛下に感謝される。
大会後もシーファンと共にチンミとは度々共闘しており、好敵手かつ親友として関係を深めている。ひどい船酔いをする体質であり、海と船が苦手。
シバ
天覧武道大会に出場した護手双鉤の使い手。元は警吏であり捕らえた山賊に脱獄され弟のシュウ以外の家族を皆殺しにされ、上司のやり方に不満を持ち警吏を辞め賞金稼ぎになり指名手配された凶悪犯、特に賞金額の多い殺人犯を捕らえ実績を上げた。その後、弟のシュウと共に暮らすため賞金稼ぎから足を洗い、町で護手双鉤の道場を開くため皇帝陛下のお墨付きをもらうため天覧武道大会に出場する。乙組部門の初戦で昨年の武器部門の優勝者、柳槍術(りゅうそうじゅつ)のタイゲンを、準決勝で三節棍のセンカイを破るも、決勝戦直前にシンサイの部下にしびれ薬のついた針を刺されシーファンと戦うが敗れる。その後、本物のソシュウ禅師を救出し、皇帝暗殺計画を阻止したとして皇帝陛下に感謝される。
常に賞金稼ぎ時代にできた傷をさらしており、その傷を見て未熟だったころの自分を思い出して戒めている。ちなみに未熟でなくなったときは、その傷をつけた相手を見つけ出し、殺したときであるとしている。
カナン開放編にてシーファン、タンタンと共にチンミの救援に駆け付ける構想があったが実現せず、他の二人は水軍編にてチンミとの共闘を果たしたが彼だけは再登場の機会に恵まれないままである。
ブメイ
天覧武道会の出場者であり前大会の総合優勝者。正統派の剛拳で鳴らす北宋拳(ほくそうけん)の使い手で、心・技・体を完璧に揃えた実力者。甲組準決勝でタンタンに破れるが、大会直前にシンサイによる上位陣潰しに襲われた際に背中に傷を負っていた為、本来の力で挑んでいた場合の勝敗は不明。ブメイ本人はこの傷を受けた事自体が自身の未熟さの証であると受け止めており、内心では悔しがっていたものの言い訳は一切しなかった。
センカイ
天覧武道大会の出場者であり、三節棍の使い手。乙組準決勝でシバと戦い、三節棍の変化する間合いを駆使して猛攻を仕掛けるが、結局シバの体には触れることができず敗れる。
タイゲン
天覧武道大会の出場者であり、柳槍術の使い手。前回大会での乙組優勝者であり、甲・乙統一決戦でブメイに敗れた。雪辱を期して本大会にも出場し、乙組一回戦でシバと戦うが敗れる。
じいさん
タンタンの師匠で南斗円脚拳の創始者。かつて天覧武道会に出場し甲組で優勝を果たし、甲・乙統一決戦に臨むも相手の武器により両腕に深手を負う。しかし勝利への執着が激しく足技だけで戦い相手を圧倒するが出血多量で意識を失い敗れる。その後、両腕とも切断する結果となった。タンタンの戦いを見届けた後、タンタンと共にシンサイに誘拐されたレンカを救う。

皇帝・国軍の関係者

皇帝陛下(こうていへいか)
チンミの住んでいる中国全土を治める最高権力者。「ナジルの戦い」で著しい武功をあげたチンミの噂に興味を持ち、チンミを都へ呼び寄せた上に天覧武道会へ出場するよう命じた。年はまだ若いが非常に聡明で、高い政治力と確固とした決断力を持つ。また武勇を尊ぶ性格で、自身もかなりの武術の心得がある。チンミとの初対面の際には、身分を隠してわざと乱れた服装で現れ、大人が持つのに苦労するほど重い棍を軽々と振り回し、不意討ちをしてチンミの実力を試そうとした。幼少のころ都を追放したシンサイが計画した皇帝暗殺計画により命を狙われるが、チンミ、シーファン、タンタン、シバにより計画は阻止された。このとき十年以上前に一度会っただけのシンサイを即座に見抜き、事情を瞬時に察するなど洞察力に優れ、人を見る目も確かである。そして命の恩人たちに謝意を表し恩を感じたら地位に関係なく礼を尽くすなど、人間としての器が大きい。
オウリン
国軍の将軍であり近衛軍の教頭(武術師範)。普段は穏健かつ沈着冷静な人物で皇帝陛下の信頼も厚い一方、戦いの時には常に先頭に立って敵陣へ突き進んで行く勇敢な武人でもある。チンミとの最初の出会いはゴズイとの戦いの時であり、その後「ナジルの戦い」で再会した。「ナジルの戦い」では自ら国軍を率い、大林寺と協力して“風の群狼”を壊滅させた。ゴズイとの戦いやナジルの戦いでチンミの功績を讃えチンミを都に招待した。皇帝暗殺計画の阻止をチンミに託す。
レンカ
オウリンの一人娘。強い人が好きでありチンミがオウリンの家を訪れた際、不意討ちをし力を試した。他の兵士が訪れた際も試している。天覧武道会統一決戦直前にシンサイに誘拐されるがタンタンなどに救われる。
ズイウン
水軍最高責任者である提督。皇帝陛下に軍事面での帝王学を教授した恩師でもあり、厚い信頼を寄せられている人格者。「決してあきらめるな」が口癖であり基本理念。
カイオンの歪みを見抜いてチョウリュウを後継者に選ぶも、その闇の深さまでは測り切れずにカイオンの暴走を許してしまう。カイオンに薬と偽って毒を盛られて体調を崩し、いざという時の切り札として拘束されるが、チンミ達の活躍によって無事救出される。
チョウリュウ
ズイウン提督を補佐する副官の一人であり、次期提督と目されている。いかなる時も全体を見渡す視野の広さと冷静さによる高い指揮力と決して諦めない強い精神力の持ち主。チンミがゴクウに掲げさせた破れた提督旗やカイオン艦隊の動きの不自然さから即座にカイオンの企みを見抜き、的確な判断でカイオンの計画を大幅に狂わせる。事件解決後は新しい提督に就任した。
セキト
国軍の若手の部隊を率いる部隊長で、暗殺者に狙われているチンミを都まで護衛する任務に抜擢される。国軍の代表としてチンミたち大林寺の拳士には密かに対抗心を燃やしており、友人代表の護衛として名乗り出たジンタンとビケイが軍に対して軽口を叩いた時には内心ムッとしていた。

カナン自治区

ホウジュン
女性ながら強い意志と男性顔負けの武術の腕前を持つ「カナン解放運動」の中心人物。出会ったばかりの頃はチンミやプーシンにも警戒の目を向けていたが、チンミの実力と人柄を目の当たりにして全幅の信頼を寄せるようになる。本名はリイで、ジライによって皆殺しにされた前国主の一人娘にして一族最後の生き残り。
プーシン
職探しにカナンへ向かっていた元農夫。なまずヒゲが特徴。大言壮語する癖があるお調子者だがカナンの現状を知って命がけの解放運動に参加する義侠心の持ち主でもあり、戦力としては役に立たなかったが要所要所で解放運動参加者達に活を入れて士気を保つというある意味重要な役割を果たしたことでカナン住民達からは英雄視されるようになった。我流の剣術に謎の自信を持っていたが、チンミの凄まじい実力に流石に身の程を知り、カナン解放後はキリの両親を手伝って農夫としてカナンに落ち着いた。
ポウロ
カナンの漁師。キリの養父。カナンに侵入したチンミを助けたことでキリと共に憲兵に囚われかけるがチンミに救出され、「カナン解放運動」に参加する。宮殿や鉱山への襲撃には参加せず、漁師仲間と共に鉱山からの出口と思われる川を担当。舟で逃げ出そうとしたジライを捕まえるという大金星を上げる。
キリ
カナン住民の少年。元は農家の子供だったが、両親がジライに捕らえられた際にボウロの養子ということで難を逃れていた。プーシンに懐いており、「カナン解放運動」参加後は主にプーシンと行動を共にしていた。カナン解放後は無事だった両親と再会を果たす。

近隣諸国の関係者

ミト
中国近隣の某国の姫君。中国皇帝主催の友好式典の代表に選ばれるが、王族としての立場に縛られる自分の人生に嫌気が差しており、国許を離れた場所で気晴らしをしようと宿を抜け出したところを誘拐され、ゼイガン砦に連れていかれてしまう。王族としての責任感の薄いお転婆姫だが、肝の太さや相手の本質を見抜く洞察力はかなりのものであり、悪党街のボスであるゼイガンにも一目置かれる。マウロンでの一件を通して人の上に立つ者として心構えを学び、友好式典では代表としての責務を立派に果たした。
ダルト
ミト姫の護衛を務める近衛兵隊長。元は貧民街の出身だったが剣の腕前をミト姫に評価されて近衛兵に抜擢されたためにミト姫に対する忠誠心は人一倍強い。当初はチンミとグンテを馬泥棒や姫を攫った一味の仲間と誤解していたために険悪な態度だったが、誤解が解けた後は異国の人間である自分達のために命がけで戦ってくれる二人に感謝の姿勢を見せ、マウロンから生還した後はチンミを師として仰ぐようになった。
ペグ
近衛兵大隊長。ダルトとは別口の通常の交渉でミト姫を取り戻そうと、ゼイガンの要求通りに本来友好式典での献上品を身代金として砦に入る。チンミやダルトの侵入がバレたことで違約行為として一時拘束されるが部下と共に自力で脱出。自身も槍の使い手としてかなりの名手であり、ダルト達と合流してゼイガンの手下達と戦い抜いた。

マウロンや裏社会の関係者

ゼイガン
悪党街マウロンの顔役。敵対者や反逆者に対しては冷酷な恐ろしさを見せる一方で、自分の庇護下にある者には慈悲や寛容さを持ち合わせる懐の深い人物。通すべき筋を違えず、不測の事態を組織の引き締めに利用するなど、指導者としての高い手腕とカリスマを備えており、ミト姫に大きな成長を促した。
レイラ
ゼイガンの娘。裏社会の権力者の娘という立場に耐えられず家出を図り、その際に死亡したと思われていたが実は死を装っていただけであり、生き延びて後に結婚し子供をもうけていた(生きていること自体はゼイガンには見抜かれていた)。周囲の人間には、ゼイガンがミト姫に寛大な態度を示したのには彼女の存在が大きかったと思われている。
アンニン
ゼイガンの側近の女性。囚われたミト姫の世話を任された。明言されていないがホウチョウと同じく一般社会から弾き出されたところをゼイガンに拾われたらしく、ゼイガンや今のマウロンでの生活を守りたいと考えている。
ホウチョウ
ゼイガンの砦の料理長。小太りで顔に醜い傷があるなど怪しい風貌をしているが、実際は高い技術と客への持て成しの心を持つ真摯な料理人である。かつては貴族の屋敷で料理人をしていたがそこであるトラブルに巻き込まれ、真っ当な場所で生きられなくなったところをゼイガンに拾われた。このためゼイガンには強い恩義を感じているが、料理から自分の真心を汲んでくれたミト姫にも好感を持ち、彼女の逃亡を少しだけ手助けした。
ジバン
左肩に入れ墨を入れた謎の男。その正体は裏社会の大物で、当初大林寺を訪れた目的を明らかにせずリュウカイに警戒されるが、実は両親を失った甥のシエンを預ける前に大林寺がそれにふさわしい場所かを見極めようとしていただけだった。裏社会では顔が広く、ゼイガンや仕込み杖のトウザとも面識がある。

その他

ゴクウ
声 - 江沢昌子
チンミと常に行動を共にするサル。チンミ曰く「ゴクウは飼っているのではなく、共に育った兄弟のような存在」とのことで、ゴクウが傷つけられた時には本気で怒り、普段見せることのないような形相と殺気を見せる。非常に頭がよくチンミや他の人間達の言葉も全て理解できているようで、度々チンミのサポートをこなしている。
メイリン
声 - 佐々木優子
チンミの姉。両親の他界後、チンミと2人で生きていくことを決意する。飲食店を営み、その評判は高い。大林寺に入門したチンミを一目見ようと会いに行くが、旅の途中に黒炎団にさらわれるもチンミに救出される。風の群狼編ではチンミが窮地に陥った際、メイリンの事を思い出しそれが再び闘志を取り戻させたことから、チンミの心の支えであることは確かである。後に嵐の日に知り合ったエイカンと結婚する。
ヤン
声 - 本多知恵子
大林寺の近くに住む野菜売りの少女。熱があるのに我慢して売り歩く途中にチンミと知り合い手伝ってもらう。両親は他界しており、祖父と暮らしている。高利貸しから借金をしており、高額の利子の支払いを要求される。利子が払えず売られそうになるが、チンミに助けられる。
チンミとは友達以上恋人未満のような微妙な関係を続けているが、水害でヤンが危機に陥った時は命を賭して助けるなどその絆は確かなものである。
ルウ
一指拳を編み出した医者。本が宝物であり家にいるときや、歩いているときでさえ読んでいる。医者であるが、凄まじい殺気を放つことができたり、拳法家並の動きをすることができる。チンミに人前で拳法の技を見せないことを約束に一指拳を伝授した。
ロウ
チンミと背格好が瓜二つの少年。7年前にハン率いる野盗に村を襲われ両親、妹を目の前で殺される。自身も背中を斬られ瀕死であったが旅の途中の老人に助けられる。傷が癒えた後は仇をとるため怪盗になりハンを探す。ハンの屋敷に忍び込み悪事を暴くと言い、それを信じ協力したチンミに濡れ衣を着せたため、チンミや町人の信用を失う。しかし、火事の家から逃げ遅れたチンミと少女を助ける一面もある。ハンを見つけた後、今までの話はすべて本当のことだと知ったチンミと協力しハンを倒す。ハンに止めを刺そうとするがチンミに止められ、その後は悪事からは足を洗い助けてくれた老人と暮らすことを決意したようである。
サイ
町医者であり楽陽道の阿芙蓉香(あふようこう)の正体はアヘンであると突き止めた。しかしその結果、ユマリ教祖に拉致されアヘンを吸わされ、禁断症状に苦しむがあらかじめ用意していた治療薬とチンミの献身的な看護のおかげで正気に戻る。
コウラン
トウロの町にある芝居小屋の花形役者。公演を町のゴロツキのベンネイ組によく妨害されているが、町の人々に人気があり、チンミもコウランの舞台を見て感動している。女性であり、拳法の心得もないのに、数人の男を息ひとつ乱すことなく倒すほどの実力を持つ。その秘密を知りたくコウラン一団への入団を希望したチンミの素質を見抜き、一団に迎えた。そこでチンミに拳法と芝居には近い要素があり、舞台を例えに、限られた空間を目測で正確な距離感をつかみ、空間を把握するよう教えた。当初チンミとは息が合わなかったが、相手の呼吸を盗み、動きを予測し対応することを思い出した後は、完璧になった。新公演の時にはベンネイ組に妨害されるも、チンミと協力しベンネイ組を倒し芝居も成功させた。
エイカン
嵐の日にメイリンと“印象的な出会い”をし、後に結婚した。大工の仕事をしながら彫刻の勉強をしている。ゆくゆくは完成したものが仏閣に納められ、そこを訪れる人達の心をなぐさめることを夢見ている。また数年前に両親をなくしており、その供養も含まれている。武術の心得はなくても、刺客に囲まれたチンミを助けようと勇気を奮って割って入ったり、チンミの両親が眠る墓に迫っていたイノシシからメイリン達を守ろうとしたりと、勇敢で心優しい性格でもある。
ソウエン
外伝1巻に登場した二胡奏者。奏者としての実力は確かで、後援者を求めて旅をしている途中で少年時代のチンミと出会い、強盗団事件を解決したチンミを見て彼をイメージする曲を即興で作った。
セイレン
外伝2巻に登場。薬作りを生業とするリュウカク家の少女。旅の途中、キノコに当たって運び込まれたチンミを看病し、家に伝わる秘薬である「龍丸」を与えてその命を救った。過去に弟を病で無くしており、彼とチンミとを重ね合わせている。
マレ
外伝3巻に登場。メイリンの食堂の常連客で、高級食材であるツバメの巣を扱う行商人。病気の親のために行商人をやめて農家を継ぐことを決意した矢先に盗賊に商品や所持金を奪われるが、チンミによって取り戻され、盗賊も退治された。
フーレン
外伝3巻に登場。大家族の農家の末娘で、凶作の折家計を心配して自ら口減らしのために家出した。人買い業者に襲われかけたことで強くなりたいとソシュウ禅師の棍法道場の門を叩き、ソシュウ禅師の企みで師範級の実力を持ちながら人付き合いが苦手で他人に指導したことのなかったシーファンに直弟子として付けられる。向こう気が強く生意気な性格で当初は優しげなシーファンを軽く見ていたが、その真の実力を目の当たりにして改めて弟子になることを申し出た。
コウシュ、ハクシュ
外伝4巻に登場。そっくりな顔をした双子だが、性格は正反対でコウシュは強気な性格で悪党専門の宝石泥棒、ハクシュは気弱な性格の一般人である。これが最後の仕事と二人で協力してセキハイ一家から宝石を盗むが、逃げる途中でハクシュが捕らえられ、成り行きで巻き込まれたタンタンに助けられる。

  1. ^ 海外版の出版の際に、飲酒や喫煙シーンなどは修正が必要になることも一因であると思われる。
  2. ^ 朝日放送では自社制作・関西ローカルのドラマ『部長刑事』を放送した関係で夕方枠での先行スポンサードネットとなった。また、山形県では当時テレビ朝日系列局だった山形放送日本テレビ系列とのクロスネット局)ではなく、フジテレビ系列局だった山形テレビ(放送終了後の1993年にテレビ朝日系列にネットチェンジ)にて遅れネットで放送された。






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