鈴木章 発言

鈴木章

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/16 23:44 UTC 版)

発言

左側から鈴木章、根岸英一リチャード・ヘック(2010年)
ノーベル賞受賞者達(2010年、スウェーデン王立科学アカデミーにて)
内閣総理大臣(当時)の菅直人と(2010年、首相官邸にて)

「研究費のために信念を曲げない」「仕事を成功させるため、真剣に研究に対処し、結果を把握し、一生懸命続ける。そうしないと、幸運に恵まれない」が信条である[11]

ノーベル賞受賞後、各マスメディアからも注目を集めている。自宅玄関前に詰めかけた報道陣への第一声は「アンビリーバボーだね」であった[14]

2010年10月6日の北海道大学での記者会見では、「理科系をめざす日本の若者が減っているのがたいへんなげかわしい。資源が何もない国は、人と、その人の努力で得た知識しかない。これから何歳まで生きるかわからないが、若い人に役立つ仕事をしたい」と話した。

同日放送のテレビ朝日系の報道番組『報道ステーション』では、北海道大学からの中継で生出演したが、番組内で古舘伊知郎が間違ったベンゼン環の図を提示して「これであってますか?」と言ったところ、「両方間違ってます」と指摘し、その後に出てきた正しい図を提示して「あってます」との回答を得た。しかし、古舘が再び手際の悪さを見せ、鈴木はこれに対し「それ作れたらノーベル賞もらえますよ」と皮肉交じりに発言した。この件については、一連の古舘の対応を見て鈴木がイライラしていると理解され、インターネットの掲示板でも話題となった[15]

10月8日には、産経新聞の取材に対し、2009年11月以降行われた「事業仕分け」における内閣府特命担当大臣蓮舫(行政刷新担当)の、いわゆる「2位じゃダメなんですか発言」に対し、「科学や技術を全く知らない人の言葉だ」「研究は1番でないといけない。“2位ではどうか”などというのは愚問。このようなことを言う人は科学や技術を全く知らない人だ」として民主党政権による事業仕分けを厳しく批判した[16]

2010年12月8日のストックホルム大学での受賞記念講演では、みずからの研究成果について解説したのち、血圧降下剤などに用いられる「鈴木反応」は特許を取得していないことを述べ、「皆さん、安心して使って」と呼び掛けて会場を笑わせた[17]


  1. ^ 鈴木章先生が本学の「特別栄誉教授」に”. 倉敷芸術科学大学情報発信サイト「つなぐ」 (2011年3月1日). 2019年12月7日閲覧。
  2. ^ ノーベル化学賞に根岸・鈴木氏 有機合成で革新手法”. 日本経済新聞社 (2010年10月6日). 2020年10月3日閲覧。
  3. ^ The Nobel Prize in Chemistry 2010(英語) - スウェーデン王立科学アカデミー
  4. ^ a b Norio Miyaura. Kinji Yamada. Akira Suzuki., "A new stereospecific cross-coupling by the palladium-catalyzed reaction of 1-alkenylboranes with 1-alkenyl or 1-alkynyl". Tetrahedron Letters. Volume 20, Issue 36, 1979, Pages 3437-3440, doi:10.1016/S0040-4039(01)95429-2(英語)
  5. ^ a b むかわ町出身 鈴木 章北大名誉教授 ノーベル化学賞受賞!”. 北海道むかわ町公式サイト (2009年9月29日). 2017年5月19日閲覧。
  6. ^ a b c “【むかわ】ノーベル賞の鈴木さんを特別名誉町民に”. 苫小牧民報. (2010年10月28日). http://www.tomamin.co.jp/2010s/s10102801.html 2017年5月20日閲覧。 
  7. ^ a b c d e 宮浦憲夫、萬代忠勝「辻二郎先生, 鈴木章先生日本学士院賞を受賞」『有機合成化学協会誌』第62巻第5号、有機合成化学協会、2004年、410頁、doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.62.410 
  8. ^ 「鈴木章 ノーベル化学賞への道」北海道大学出版会
  9. ^ 文化勲章受章者顔ぶれ 時事通信 2010年10月26日閲覧
  10. ^ 文化勲章の喜び「じんわりと」 ノーベル賞の2人も受章 朝日新聞 2010年10月26日閲覧
  11. ^ a b 世界の化学者データベース「鈴木章」
  12. ^ 有機導電性材料や液晶分子などは芳香族機能性材料群と総称される。
  13. ^ “根岸・鈴木氏、特許取得せず…栄誉の道開く一因”. 読売新聞. (2010年10月7日12時46分). https://web.archive.org/web/20101013082918/http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20101007-OYT1T00571.htm 2010年10月8日(金)閲覧。 
  14. ^ a b c d e f g 『朝日新聞』2010年10月7日
  15. ^ 『報道ステーション』で古舘アナにノーベル化学賞受賞者がイライラ「あぁもう!」-サーチナ社会ニュース 2010年10月7日
  16. ^ 「2位じゃだめか、は愚問」ノーベル賞・鈴木さん、蓮舫氏発言をバッサリ-msn産経ニュース 2010年10月8日
  17. ^ 「劣等生だった」に会場沸く=鈴木・根岸さん記念講演―ノーベル賞・ストックホルム -時事通信社 2010年12月8日
  18. ^ a b 『朝日小学生新聞』2010年10月8日
  19. ^ 『子供の科学』2010年12月号 p.5
  20. ^ 鈴木名誉教授と根岸氏にノーベル化学賞 産経新聞 2010年10月6日閲覧
  21. ^ Japanese Nobel Prize Chemists Honored By Royal Society Of Chemistry | Asian Scientist Magazine | Science, Technology and Medicine News Updates From Asia
  22. ^ Nobel laureate Akira Suzuki receives honorary chair professorship from NCKU - NCKU, 國立成功大學 National Cheng Kung University
  23. ^ “ノーベル化学賞 鈴木さんの陽子夫人「当たっちゃった」”. 産経新聞. (2010年10月7日). https://web.archive.org/web/20101010030153/http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/science/448766 2010年10月10日閲覧。 






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