迷走神経 迷走・迷走神経反射

迷走神経

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/03 03:02 UTC 版)

迷走・迷走神経反射

迷走・迷走神経反射(英:vagovagal reflex、独:parasympathischer Reflex)、もしくは単に迷走神経反射は、外界刺激が迷走神経の求心性線維により中枢に伝わり、遠心性線維が生命維持のために末梢各臓器もしくは効果器に防衛反応を形成する反射である。

血管迷走神経反射性失神は、迷走神経反射の過剰のために徐脈と脳血流不足を来たし意識を失う発作である。また、息をこらえることで意図的に動悸を鎮めるValsalva法は迷走神経反射を利用したものである。

神経原性ショック

神経原性ショック(英:neurogenic shock、独:neurogener Schock)は神経系障害もしくは刺激により血圧が低下した状態である。

狭義の神経原性ショックは疼痛精神的衝撃などによるもので、三叉・迷走神経反射により全身の血管拡張、徐脈、血圧低下が起こる脈管性減圧性失神 vasodepressor syncope に含まれるものが多く、外傷直後の1次ショックもこれに属する。

広義の神経原性ショックには循環調節に関与する神経機構が損なわれて起こる急性循環障害を含む。これは頭部外傷脳出血などの障害によるショック、急性脊髄損傷から起こる脊髄性ショック、脊髄麻酔によるショック、神経節遮断薬や交感神経抑制薬によるショックの他、起立性低血圧や頸動脈洞症候群などに見られるショックに類するものなどである。本態は多くの場合、急激な末梢血管床拡張に伴う血圧低下と心拍出量減少であり、治療は末梢血管の緊張回復を主とする。

歯科治療における血管迷走神経反射

歯科治療現場では、治療に対する不安恐怖、極度の緊張痛み刺激が加わることで、迷走神経が緊張状態となり発症する全身的偶発症があることが知られており、過去にはデンタル・ショック、神経原性ショック、疼痛性ショック、脳貧血発作、三叉迷走神経反射などと呼ばれていた。本病態は一過性の血圧低下と徐脈の頻度が高い。ショックは「急性循環不全により組織灌流が著明に減少し、細胞機能が障害を受け、最終的には多臓器不全に陥る」と定義される。適切な局所麻酔を行う処置において最も多く発生し、アメリカ合衆国では局所麻酔を行った患者のうち、0.65%に発生したと報告されている。発症頻度は男性に比べて女性の方が高く、若年者でより発症頻度が高い[2]




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