身延山
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/15 22:16 UTC 版)
概要
山麓の標高400m付近に日蓮宗総本山である身延山久遠寺があり、山頂にも日蓮が父母を偲んで建立したと言われる奥之院思親閣がある。身延山の参拝客のほか、頂上からの眺望がよいため観光客も多く訪れる。
身延山の周辺には鷹取山(1,036m)、七面山(1,982m)などの山があり、いずれも日蓮宗の修行の場でもある。
山頂へはロープウェイで7分程度で登れる。山頂部には奥之院と3つの展望台が設置されており、東と南側展望台からは富士山がよく見え、天候がよければ駿河湾、伊豆半島を見晴らすことができる。特に3月中旬および10月上旬には、富士山山頂から日が昇るダイヤモンド富士が見られるため、前後数日の早朝は観望や写真撮影の客で賑わう。北側展望台からは南アルプスや甲府盆地、七面山や早川町の町並みが眺望できる。
山腹には雑木林が分布するほか、杉が植林されている。周辺には『甲州盆歌』に歌われたナンテンが見られ、山頂にはカタクリも自生する。「仏法僧(ブッポウソウ)」と鳴くことで知られるコノハズクや、ニホンカモシカ、イノシシ、ツキノワグマなどが生息する。
登山
久遠寺境内付近から標高差約760m、50丁の参道があり、東側の尾根を回って登れ、徒歩で約2時間30分の道のりである。途中の25丁にある三光堂までは自動車も入れるよう舗装されているが、一般客は自動車では進入できない。この参道入り口をやや下ると身延山ロープウェイの久遠寺駅があり、山頂まで約7分で到達できる。また、他のルートとして、早川町方面からの登山道があり、身延町の飛び地である七面山方面に通じている。この参道の途中からは山の南西を巡って日蓮の草庵のあった西谷方面に下山できる。
身延山ロープウェイ
身延山ロープウェイは身延山の山麓と山頂を結ぶ三線交走式の索道(ロープウェイ)である[1]。現在富士急行の持分法適用会社となっている身延登山鉄道により建設され、1963年(昭和38年)8月23日に開業した。当初、身延山山頂へはケーブルカーによる輸送を計画し工事が進められたが、軟弱な地盤や法面の崩落などによりこれを断念し、ロープウェイに変更された経緯がある。山麓の久遠寺駅、山頂の奥之院駅の2駅間の斜長1,665m、標高差763mを約7分で運行する[2]。標高差763mは関東一である[1]。平常時は20分おき、繁忙期には増発や運転時間延長もある。
1981年(昭和56年)に2代目ゴンドラとして日本ケーブル/武庫川車両により製造された定員45名のもの2両が用いられていた(それぞれ「たちばな号」「ぼたん号」と名づけられていた)。2011年(平成23年)7月に搬器・駅などがJR九州や両備グループの各車両や富士急行の「富士登山電車」などのデザインを手がけた水戸岡鋭治によってリニューアルされた[3]。
2代目導入から40年が経過することから2021年(令和3年)1月31日を以て運行を一時休止し、3代目ゴンドラに置き換えることが発表された。新ゴンドラでの運用は2月23日より開始される[2]。2021年2月23日から運用されるゴンドラ2両は「知恩号」「報恩号」と名づけられた[1]。
- ^ a b c d e 身延山ロープウェイ40年ぶりの新型パノラマビューゴンドラ導入 身延登山鉄道、2021年2月15日閲覧。
- ^ a b “「身延山ロープウェイ」40年ぶりの新型パノラマビューゴンドラ導入、2月23日(火・祝)運行開始”. 産経新聞. (2021年1月20日). オリジナルの2021年1月23日時点におけるアーカイブ。 2021年1月20日閲覧。
- ^ “身延山ロープウェイによる紹介”. 身延山ロープウェイ公式による水戸岡鋭治の紹介. オリジナルの2018年12月17日時点におけるアーカイブ。 2018年12月17日閲覧。
- ^ a b 総務省 電波利用ホームページ | 無線局免許状等情報、2019年1月9日閲覧。
身延山と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- 身延山のページへのリンク