豊洲市場
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諸問題
土壌汚染等
- 豊洲市場敷地は、1950年代に東京ガスによって埋め立てられて作られた土地で、1954年(昭和29年)~1988年(昭和63年)まで東京ガス豊洲工場があり[41]、土壌汚染があった。対策として、汚染された土を掘り出し浄化処理し、埋め戻した上で建築を進めた。2016年に東京都知事が小池百合子に代わった際、従来の説明と異なり、豊洲市場の建物地下に盛り土がされておらず空間になっていることが問題となった。
- なお、この空間には地下水が溜まっており、採取した水からシアン化合物が1リットル当たり0.1ミリグラム検出されたが、工事における塩ビ管カットの際に出るポリ塩化ビニル(PVC)が熱分解され水に反応した問題もある。シアンやベンゼン、ヒ素の地下水一リットルあたりの含有量が環境基準値を超えたことが問題とされたが、「調理したりするわけではないので有害物質が体内に入る可能性は低い」「環境基準は、毎日2Lの水を70年間飲み続けた場合に健康被害が出ることを防ぐための飲料水基準と同じに設定している。飲むわけでもない水に含まれる物質が、その値を一時的に超えたからといって慌てる必要はない。」との専門家等の意見もある。[42]上智大学の織朱實教授(環境法)は、「直接摂取する経路はないため科学的には問題ないが、食品を扱う市場なので、消費者の安心という面で課題はある」とする[43]。地下利用の設計が行われた可能性が高いのは、2011年3月から2011年6月の間とされている[44]。
- また、地下空間があることにより耐震性に疑義を持つ者も存在する[45]。またこの地下空間を地下ピットとの認識を持つ都議会議員等も存在する[46]。
- 東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて来日していた米国ジョージア大学のチャム・ダラス教授が、都内各地の放射線量を測定した。その結果、各地で放射性物質は検出されたが、いずれも許容範囲内だった。しかし、新宿区西新宿の都庁前と江東区の豊洲でやや高い数値を検出。豊洲の数値が高い理由として教授は「第一原発ではなく以前の工業地帯時代に原因があると思われるが、いずれにせよ子供は注意したほうがいい」と語っている[47]。
建物の設計・配置
- 仲卸店舗の横幅は1.5mで、隣り合った店舗の間には間仕切りの壁がある。マグロを捌く包丁は刃渡り70-80cmで長さは1mほどあり、店内でマグロを捌くことが困難と報道される[48]。
- 床の耐荷重が700kg/m2しかなく、魚を入れた容器などを置くとすぐに超過してしまうとの主張があった[49]。その後の第2回「市場問題プロジェクトチーム会議」ではコンクリートの厚みが150㎜ではなく10㎜として誤って計算されていたことが判明した。また一区画分を全て水槽にしてシミュレーションしたとしても床は耐えられることが分かった[50]。
- 水産卸棟及び青果棟の一部のトラックバースにおいては、コールドチェーン実現のため冷蔵倉庫と同様にトラック後部から荷卸しする構造になっており、ウィング車の使用を想定していない[49]などと誤った指摘がなされることがある。実際にはウイング車はより広いトラック用駐車スペースに誘導され、そこからフォークリフト等で荷物の積み降ろしがされる運用となっている。
立地
銀座と徒歩圏内だった築地から移転したことで、小料理屋など現金で仕入れに来る小口客が激減したと、卸売業者から指摘されている。駐車場料金が高いという不満も多い。水産物取扱量は日本国内最大であるものの、2019年2月まででは、築地時代の前年同月を割り込む月が多い。その原因について、東京都は「現時点で特定は難しい」との見解である[51]。
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- ^ “豊洲市場 コロナ禍の5か月”. 2021年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月6日閲覧。
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