記号の濫用 記号の濫用の概要

記号の濫用

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/01 06:39 UTC 版)

関連する概念に用語の乱用: abuse of language, abuse of terminology, : abus de langage)がある。これは記号ではなく用語が(形式的には)誤って使われる誤用を指す。記号以外の濫用とほぼ同義である。

用語の乱用は異なるが自然に同型な対象を同一視する際によく行われる。例えば G表現とは正確には G から GL(V) (ただし Vベクトル空間)への群準同型のことであるが、よく表現空間 V のことを「G の表現」という。定数関数とその値や、直交座標系の入った 3 次元ユークリッド空間R3 なども同型な対象を同一視した乱用の例である。 

記号や用語の乱用は対象が複数の成分からなるときによく起こる。例えば位相空間は集合 X(位相空間の台集合と呼ばれる)と位相 からなり、2つの位相空間 は台集合が同じでも位相が異なれば位相空間としては別物である。それにもかかわらず、混乱の恐れがないときには(すなわちどんな位相を考えているかが明白なときには)通常単に X で位相空間を指す。同様に (G, ∗) は群演算が文脈から明らかなときには単に G と書かれる。


  1. ^ Stewart, James (2007). Multivariable Calculus (6th ed.). Brooks/Cole. pp. 822–823. ISBN 0-495-01163-0 
  2. ^ Bourbaki, Nicolas (1988). Algebra I: Chapters 1-3. Elements of Mathematics. Springer 


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