解析接続
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/19 23:20 UTC 版)
定義
ここでは、有理型関数の解析接続を定義する。正則関数に限って定義することもあるが、有理型関数は、分母分子ともに正則関数である分数で表されるような関数なので、有理型関数の解析接続の定義は、正則関数の解析接続の定義も含んでいる。正則関数で定義する場合はローラン級数の代わりに、 テイラー級数を用いる。
関数要素
リーマン球面 C の領域 D において定義された有理型関数 f(z) は任意の w ∈ D においてローラン展開が可能であり k を整数として
二つの領域の共通部分の連結成分は一つとは限らない。一般に、どの重なりを用いて直接接続を行うかで、解析接続は異なる。 解析接続
fm(z) は、複素平面の領域 Dm を定義域とする有理型関数とする。
D1 ∩ D2 が空でないとし、その連結成分の一つ P1 を取る。 f1 と f2 の w ∈ P1 での関数要素が等しいとき、 連結成分 P1 全体で f1(z) ≡ f2(z) となる。このとき f2(z) を f1(z) の 直接解析接続 (direct analytic continuation) あるいは単に 直接接続 (direct continuation) という。
- D1 ∩ D2 は単連結とは限らず、複数の連結成分よりなっていることもあり、直接接続は連結成分 P1 の選び方に依存する。
有理型関数 f1(z) に対し、 f1(z) の直接接続 f2(z) を取り、 f2(z) の直接接続 f3(z) を取り、 … と順に直接接続を取ってできる有理型関数の列
- f1(z), f2(z), f3(z), …
のことを解析接続 (analytic continuation) といい、その集合
- {fn(z)|n∈N}
を 解析関数 (analytic function) という。一般に直接接続の選び方によってできあがる解析接続は異なる。
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