著作権マーク アメリカ合衆国の著作権表示

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著作権マーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/24 10:14 UTC 版)

アメリカ合衆国の著作権表示

アメリカ合衆国では、1989年3月1日以前には以下の形式の著作権表示が必要とされた[19]

  • ©記号、または"Copyright"(あるいはその略語の"Copr.")という文言
  • その作品の最初の出版年
  • 著作権の所有者の識別情報。名前、その省略形、一般に知られている名称のいずれかによる

例えば、2011年に初めて出版された作品の場合は、以下のようになる。

© 2011 John Smith

以上の表示は、かつてアメリカ合衆国で著作権保護を受けるために必要だったが、ベルヌ条約に加盟している国では必要ない[17]。アメリカ合衆国は1989年3月1日にベルヌ条約に加盟した[20]。ただし、万国著作権条約の適用を受けるためには今も©マークを用いた方式をとる必要がある[16]

なお、条約上の著作権の発生要件の問題とは別に著作権表示は国内法上一定の効果を生じることがある。アメリカの著作権法では著作権の存在を知らずパブリックドメインと信じた者を保護する善意の侵害者(innocent infringers)の法理があるが、©マーク等の著作権表示が著作物に明確に表示されていれば原則として善意の侵害には当たらないとされている[16]

デジタル表現

タイプライターASCIIベースのコンピュータシステムでは、この記号は長らく利用できなかったため、(C)と表現するのが一般的だった。

Unicodeでは、U+00A9 © copyright sign (HTML: © ©)として割り当てられている[21]。Unicodeには他にU+24B8 circled latin capital letter c (HTML: Ⓒ)とU+24D2 circled latin small letter c (HTML: ⓒ)もある[22]。これらは、著作権マークがフォントや文字セットで利用できない場合(一部の朝鮮語コードページなど)に代替として使用されることがある。

Windowsでは、 Altを押しながら0 1 6 9を押すことで入力できる。Macintoshでは、オプションキーを押しながらgを押すことで入力できる。Linuxでは、compose O Cコンポーズキー英語版シーケンスで入力できる。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
© U+00A9 - ©
©
COPYRIGHT SIGN

関連する記号

  • コピーレフトマーク() - 著作権マークを左右反転させた記号であり、コピーレフトのシンボルとして使用される。法的には意味を持たない[23]
  • レコード著作権マーク(℗) - 大文字のPを丸で囲んだ記号。音声記録(フォノグラム)の著作権(原盤権)を表示するために使用される。
  • 登録商標マーク(®) - 大文字のRを丸で囲んだ記号であり、公式の事務所に登録されている商標(登録商標)を指定するために使用される。

  1. ^ これは丸の中がPのレコード著作権マーク(℗)で示される。
  2. ^ 合衆国法典第17編第401条 17 U.S.C. § 401
  3. ^ Universal Copyright Convention, Article III, §1. (Paris text, July 24, 1971.)
  4. ^ a b 安藤和宏 2018, p. 170.
  5. ^ Mann, Alastair J.; Kretschmer, Martin; Bently, Lionel (2010). “A Mongrel of Early Modern Copyright”. In Deazley, Ronan. Privilege and property: essays on the history of copyright. Open Book Publishers. ISBN 978-1-906924-18-8 
  6. ^ a b 安藤和宏 2018, p. 171.
  7. ^ Copyright Law Revision Study Number 7, page 6”. 合衆国著作権局. 合衆国政府印刷局. 2013年6月14日閲覧。
  8. ^ Copyright Act of 1870, §97.
  9. ^ 1874 Amendment to the Copyright Act of 1870, §1.
  10. ^ Copyright Act of 1909, §18
  11. ^ a b Copyright Law Revision: Study 7: Notice of Copyright. Washington, D.C.: 合衆国政府印刷局. (1960). p. 11. http://www.copyright.gov/history/studies/study7.pdf 
  12. ^ a b An Act to amend title 17, United States Code, entitled "Copyrights", Pub.L. 83–743, 68 Stat. 1030 1954年8月31日制定.
  13. ^ Arguments before the Committees on Patents of the Senate and House of Representatives, conjointly, on the bills S. 6330 and H.R. 19853, to amend and consolidate the acts respecting copyright. June 6–9, 1906. 合衆国政府印刷局. (1906). p. 68. https://books.google.com/books?id=ZlA-AAAAYAAJ&pg=PA68&cd=2#v=onepage 
  14. ^ “Proposed Copyright Legislation”. The Writer XVIII (6): 87. (June 1906). https://books.google.com/books?id=fEhppVLGxR0C&pg=PA87&dq=%22proposed+copyright+legislation%22&lr=&ei=5XL3StfCJKO8zgSt2dW5Aw#v=onepage&q=%22proposed+copyright+legislation%22. 
  15. ^ a b 半田正夫 & 紋谷暢男 1989, p. 308.
  16. ^ a b c d e 安藤和宏 2018, p. 172.
  17. ^ a b Molotsky, Irvin (1988年10月21日). “Senate Approves Joining Copyright Convention”. The New York Times. https://www.nytimes.com/1988/10/21/arts/senate-approves-joining-copyright-convention.html 2011年9月22日閲覧。 
  18. ^ 安藤和宏 2018, p. 173.
  19. ^ 合衆国法典第17編第401(b)条 17 U.S.C. § 401(b)
  20. ^ Circular 38A: International Copyright Relations of the United States. 合衆国著作権局. (2014). p. 2. https://copyright.gov/circs/circ38a.pdf 2015年3月5日閲覧。 
  21. ^ https://www.unicode.org/charts/PDF/U0080.pdf
  22. ^ https://www.unicode.org/charts/PDF/U2460.pdf
  23. ^ Hall, G. Brent (2008). Open Source Approaches in Spatial Data Handling. Springer. p. 29. ISBN 3-540-74830-X  Additional 978-3-540-74830-4. See Open Source Approaches in Spatial Data Handling - Google ブックス, page 29


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