臨時駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/24 23:27 UTC 版)
概要
設置される理由としては、海水浴場やスキー場、花の名所など季節限定の観光地を訪れるために設置されるものや、付近の催事場でのイベント開催時のみに営業されるものが多い。その他、積雪の多い地方では利用の少ない駅の除雪の手間を省くために冬季営業休止とする例もある。営業期間が限定されているという性質上、プラットホームだけで駅舎が無い駅も多い。
また、通年営業ではあるが、仮乗降場と同様に駅とするには利用が少なく、駅に比べて簡素な施設で設置された例がある。
臨時駅の中でも、年間を通して停車する列車が1本も無い駅は「通年休止駅」と呼ばれている。
また、臨時駅から常設駅に格上げされたり、逆に常設駅から臨時駅に格下げされる例も見られる。
臨時駅までの運賃や料金の計算に関しては、その駅までの営業キロが表記されている場合はそれが適用され、表記されていない場合は次の営業キロが表記されている駅までのものが適用される。一方、営業キロが表記されていない臨時駅からの運賃や料金は、実際の乗車方向と反対の方向にあり、その駅から最も近く、かつ営業キロが表示されている駅からのものが適用される(旅客営業規則第71条)。
日本国有鉄道(国鉄)の臨時駅のうち仮乗降場同様に通年営業する駅については仮乗降場と同じく1987年の国鉄分割民営化と同時に常設駅に昇格している。国鉄時代は、1969年10月1日に統一されるまで仮駅または仮乗降場と、統一以降は臨時乗降場と称されていた。
「仮駅」と「仮乗降場」の違いは以下の通り。
- 「仮駅」:海水浴場・スキー場・観光地など、毎年一時的に人出がある所に1か月以上6か月未満に限り設置する駅。設置の際には官報及び鉄道公報に公示の上で隣接駅との間に営業キロ程を設定する。
- 「仮乗降場」:観桜・祭礼など短期間(1か月程度以内)に人出が予想される所に設置する駅。若しくは災害・改築などで既設の駅が使用困難の際に別の場所に臨時に設置する駅。設置場所及び設置期間決定は鉄道管理局長の権限で、公示及び隣接駅間との営業キロ程の設定はない。
注釈
出典
- ^ 『奥羽本線「津軽湯の沢駅」冬期期間の列車通過について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道秋田支社、2018年11月22日 。2018年11月22日閲覧。
- ^ 「来年度も朝夕は増便 富山市の高山線活性化策、婦中鵜坂駅を存続」 北日本新聞 2010年12月2日朝刊
- ^ JTBパブリッシング『JTB時刻表』2014年3月号
- ^ a b 『官報』第6488号、昭和23年8月30日、大蔵省印刷局
- ^ a b 仙山線 西仙台ハイランド駅及び八ツ森駅廃止について (PDF) - 東日本旅客鉄道仙台支社、2014年2月14日、同日閲覧。
- ^ “2019年3月ダイヤ改正について” (PDF). 東日本旅客鉄道 長野支社 (2018年12月14日). 2018年12月15日閲覧。
固有名詞の分類
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