玉置神社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/06 20:43 UTC 版)
祭礼
- 歳旦祭[49] - 1月1日
- 三柱社例祭 - (初午祭)3月初午の日
- 出雲大社教玉置分教会 例祭(祖霊祭) - 5月14日
- 夏越大祓式 - 6月30日
- 大日社祭 - 8月8日
- 例大祭 - 10月24日
- 年越大祓式 - 12月31日
- 除夜祭 - 12月31日
文化財
重要文化財
- 梵鐘
- 玉置神社社務所及び台所
- 1988年(昭和63年)1月13日、国の重要文化財(建造物)に指定[1]。江戸時代末期、神仏混淆であった玉置神社の別当寺であった高牟婁院の主殿及び庫裏として建立されたもので、神仏分離後は社務所・台所および参籠所として使用されている。棟札から文化元年(1804年)の建立と判明する。社務所は入母屋造銅板葺き、桁行22メートル、梁行15メートルで、北面に玄関を設け、南面は懸造とし、地階には参籠所を備える。台所は桁行9メートル、梁行8.9メートルで、屋根は銅板葺き、東面は入母屋造、西側は社務所に接続する[52]。
- 社務所は西側を上手として、南北2列に計10室を配する。社務所内部は杉一枚板の板戸及び板壁60枚余で仕切られ、この全ての襖に幕末の狩野派の絵師である法橋橘保春らの筆による、松・牡丹・孔雀・鸚鵡・鶴などを題材とした豪華な花鳥図が描かれており、各室は襖絵の題材の名によって呼ばれている[53]。北側列は西から順に「孔雀の間」「老松の間」「鶴の間」「旭鶴の間」「牡丹唐獅子の間」を配し、南側列は西から順に「御殿の間」「宮司居室」「禰宜居室」及び居室2室を配す。「孔雀の間」の北には「神殿」がある。上手に位置する「孔雀の間」「御殿の間」「神殿」は、他の部屋より床を1段高くし、天井は格天井とするなど(他の室は棹縁天井)、格式の高い造りとする。「孔雀の間」「御殿の間」は聖護院門跡の入峯の際の御座所として用いられたものであり、「神殿」は神仏混淆時代には「護摩堂」と呼ばれていた[52]。上質な書院建築と参籠所を上下に複合させた構造は、近世における修験教団の活動が作り出したものであり[54]、社務所および台所とも、わずかな改造を受けたのみで古い様式を今に残している[1]。
天然記念物
- 杉の巨樹群
世界遺産
- 紀伊山地の霊場と参詣道
- ユネスコの世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』(2004年7月登録)を構成する登録資産「大峯奥駈道」の一部[4]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c 玉置神社社務所及び台所(1988年〈昭和63年〉指定、重要文化財〈建造物〉)、国指定文化財等データベース(文化庁) 2010年6月5日閲覧。
- ^ a b 梵鐘(1959年〈昭和34年〉指定、重要文化財〈工芸品〉)、国指定文化財等データベース(文化庁) 2010年6月5日閲覧。
- ^ a b 奈良県教育委員会文化財保存課・文化財保存事務所. “奈良県指定文化財一覧” (PDF). 2010年6月5日閲覧。
- ^ a b 世界遺産登録推進三県協議会、2005、『世界遺産 紀伊山地の霊場と参詣道』、世界遺産登録推進三県協議会(和歌山県・奈良県・三重県)、pp.39,75
- ^ この節の神名は以下の文献およびウェブサイトによる。平凡社[1997: 537]、森沢[2006: 241]、および“玉置神社の祭神”. 玉置神社 公式ホームページ. 玉置神社. 2012年11月15日閲覧。摂末社の社名・祭神については西田[1994: 513-514]、山本[2007: 7]、佐藤[1957: 218]。
- ^ a b 奈良県教育委員会[2002: 138]
- ^ 摂末社名は西田[1994: 513-514]、山本[2007: 7]による。西田[1994: 497]によれば三柱神社社殿は流造。
- ^ 神楽殿以下の境内建築物は平凡社[1997: 537]による。同書によれば石造宝篋印塔および地蔵石仏は室町期風の様式である。西田[1994: 497]によれば絵馬殿は伽藍造。
- ^ a b c 佐藤[1957: 216]
- ^ 佐藤[1957: 218]
- ^ 佐藤[1957: 217]
- ^ a b c 菅田正昭『日本の神社を知る事典』株式会社日本文芸社、平成6年8月20日、190頁。
- ^ 佐藤[1957: 220]
- ^ a b 森沢[2006: 238]
- ^ 佐藤[1957: 218-219]
- ^ 佐藤[1957: 225-226]
- ^ 森沢[2006: 237、241]
- ^ この段落、ここまで佐藤[1957: 229]による。
- ^ a b 佐藤[1957: 229-230]
- ^ 森沢[2006: 239-240]
- ^ a b c 森沢[2006: 240]
- ^ a b 佐藤[1957: 230]
- ^ 佐藤[1957: 230-231]
- ^ 佐藤[1957: 229]
- ^ 佐藤[1957: 231-236]
- ^ 山本[2007: 9-10]
- ^ 山本[2007: 10]
- ^ 森沢[2006: 7-8]
- ^ [森沢 2006: 238]
- ^ 山本[2007: 4-5]
- ^ a b 山本[2007: 5]
- ^ 森沢[2006: 237]
- ^ 山本[2007: 5-6]。神名と本地仏の対応関係は佐藤[1957: 223]。
- ^ 文化財保存課・文化財保存事務所. “奈良県指定文化財一覧” (PDF). 2010年6月5日閲覧。
- ^ a b c 山本[2007: 7]
- ^ a b 奈良県史編集委員会[1990: 325]
- ^ この段落、山本[2007: 7]による。
- ^ a b 山本[2007: 9]
- ^ 山本[2007: 1-2]
- ^ a b 山本[2007: 1]
- ^ 北緯33度55分11秒 東経135度50分48秒 / 北緯33.919842622521度 東経135.84662648436度
- ^ a b c d 山本[2007: 3]
- ^ 山本[2007: 3、20]
- ^ 山本[2007: 4]
- ^ a b 山本[2007: 18]
- ^ 奈良県教育委員会[2002: 50-51]、森沢[2007: 180-192]
- ^ 奈良県教育委員会[2002: 37-39]、森沢[2007: 92-95]
- ^ 山本[2007: 19]
- ^ この節は以下のウェブサイトによる。“玉置神社の祭事”. 玉置神社 公式ホームページ. 玉置神社. 2013年4月7日閲覧。
- ^ 『解説版 新指定重要文化財 4 工芸品Ⅰ』、毎日新聞社、1981
- ^ “梵鐘”. 十津川歴史民俗資料館. 十津川かけはしネット(十津川村教育委員会). 2012年11月15日閲覧。
- ^ a b 「新指定の文化財」『月刊文化財』292号、第一法規、1988年
- ^ 森沢[2006: 240-241]
- ^ 奈良県教育委員会[2002: 141]。建物の間取りおよび内外観について、奈良県教育委員会[2002: 138-141]を参照。
固有名詞の分類
- 玉置神社のページへのリンク