歌曲
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イタリア歌曲
日本で「イタリア古典歌曲」として知られる17~18世紀イタリアの作品は、19世紀末の音楽研究者パリゾッティがバロック時代のオペラのアリアなどを元にロマン派風のピアノ伴奏形式に編曲し「古典アリア集 (Arie antiche)」という題で出版したものであり、厳密には歌曲ではない作品が大半である。これら「古典歌曲」として知られる作品を除くと、オペラの国イタリアでは19世紀前半にはロッシーニやドニゼッティ、ベッリーニなどのオペラ作曲家が歌曲を書いているが、ドイツのように芸術歌曲として深く発展することはなかった。その後19世紀中期にフランチェスコ・パオロ・トスティがサロン風歌曲を多数残すが、ようやく19世紀後半になってオペラ一辺倒の風潮に異を唱えたマルトゥッチによって、本格的な芸術歌曲と呼べるようなものが書かれた。この流れを受け継ぎ、20世紀前半にはレスピーギやピツェッティなどが優れた歌曲を残している。
20世紀前半にはまた「オー・ソーレ・ミオ」に代表されるようなナポレターナ又はカンツォーネ(「イタリア民謡」と呼ばれたこともあるが本来の意味での民謡ではない)が流行するが、ピツェッティに代表される芸術歌曲とは別な物と考えるべきであろう。
主な歌曲作曲家
- ジョアキーノ・ロッシーニ
- ガエターノ・ドニゼッティ
- ヴィンチェンツォ・ベッリーニ
- フランチェスコ・パオロ・トスティ
- ジュゼッペ・マルトゥッチ
- オットリーノ・レスピーギ
- イルデブランド・ピツェッティ
- ステーファノ・ドナウディ
イギリス歌曲
イギリスにおいては、19世紀には家庭向けの通俗的バラードが「楽譜がよく売れる」という理由もあって多く書かれていたが、本格的な芸術歌曲はドイツ、フランスからやや遅れて19世紀末から現れ始め、20世紀前半に豊かに発展した。シェイクスピア、ブレイク、テニスン、ハーディらの自国の詩に曲をつけたものの他、民謡、キャロルからの編曲も多い。
主な歌曲作曲家
- チャールズ・ヒューバート・パリー
- リザ・レーマン
- レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ
- グスターヴ・ホルスト
- ロジャー・クィルター
- ジョン・アイアランド
- ジョージ・バターワース
- アイヴァー・ガーニー
- ピーター・ウォーロック
- ジェラルド・フィンジ
- ベンジャミン・ブリテン
その他の国の歌曲
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主な歌曲作曲家
- ロシア
- ミハイル・グリンカ
- アレクサンドル・ダルゴムイシスキー
- モデスト・ムソルグスキー
- アレクサンドル・ボロディン
- ピョートル・チャイコフスキー
- ニコライ・リムスキー=コルサコフ
- セルゲイ・ラフマニノフ
- ドミートリイ・ショスタコーヴィチ
- チェコ
- スペイン
- ブラジル
- フランシスコ・エルナーニ・ブラガ
- エイトル・ヴィラ=ロボス
- アルゼンチン
- アメリカ
- アーロン・コープランド
- サミュエル・バーバー
- レナード・バーンスタイン
- ネッド・ローレム
- ^ 大辞林第三版。
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