機動刑事ジバン 概要

機動刑事ジバン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/27 14:25 UTC 版)

概要

特徴

本作品は、『超人機メタルダー』以来となるロボットヒーロー物として制作されている[注釈 1]。また、主人公が表の顔は刑事で、事件が起これば人目につかないようにジバンになるため、変身のシーンはほとんど描写されないがホログラムのような光に包まれて人間態の姿に戻る場合はある[5]

このようなキャラクター表現は1987年に公開された映画『ロボコップ』の影響を受けたものであり[出典 1]、その影響はこれ以外にもジバンの機械的な動作や、各種メカニックの描写などにも大きく現れており[3][注釈 2][注釈 3]、このようなロボット戦士路線は宇宙刑事シリーズのような正統派ヒーロー路線への回帰が意図されたものとなった[11][注釈 4]。また、当初は主人公とヒーローが同一であるような演出をしない効果的にアナクロニズムを生かした手法や、主人公と深く繋がる少女である五十嵐まゆみの登場など1950年代の特撮ヒーローを彷彿させる設定となっている[11]。また、随所に『エイトマン』へのオマージュも含まれている。一方で、電子警察手帳を構えて対バイオロン法を読み上げるなど、時代劇に通じるケレン味のある演出も特徴である[3]。また、バンダイの担当者であった野中剛は、当時流行していたテレビドラマ『あぶない刑事』の雰囲気も目指していたと述べている[8]

本シリーズの主人公としては初めて、地球の公的機関に所属している設定となっている点や、後半にパーフェクトジバンが登場したことにより投入された大型火器の登場[5]が挙げられる。また、それまでヒーローが使用する車両は国産メーカーのものが中心だったが、本作品にてGMの車両が初めて使用された。これらの要素は以降の同シリーズ作品にも多く取り入れられている。

他に本作品で特筆すべき点は「なりきりアイテム」の好調である[10]。メタルヒーローはこれまで巨大変形メカの超合金やヒーローのフィギュアなどが主力だったが、本作品の「DX電子ポリス手帳」の売上が好調だったことにより、これ以降は登場キャラの持っている小道具が主力になる[12][10]。また、大型武器「オートデリンガー」の売上もクリスマスシーズンに好調となり、以後のシリーズでも中盤での大型武器の登場が恒例となった[13][10][注釈 5]

初期案のネーミングは「未来刑事デッカー」、「デッカル」でどちらも放送直前の児童誌[要文献特定詳細情報]に載ったことがある。

ストーリー面では、オープニングナレーションでも紹介されているように、直人とまゆみの交流を軸にするプロットだったが、当時人気子役であったまゆみ役の間下このみの多忙さから、後述の展開によって中盤から終盤に至るまでの長期にわたり、ジバンの元から引き離されるという展開が続いた。

放映時間の変更

前述の通り、本作品では放送期間中に放送時間が変更されている。これは1989年春の改編において、報道・政治討論番組『サンデープロジェクト』が立ち上げられたことに伴う編成枠の見直しが実施されたもので、それまで10時30分 - 11時に設定されていたABC制作ドキュメント枠が1時間前倒しされ、それに押し出される形で本作品も8時 - 8時30分へと放送時間が変更された。結果、それまで『題名のない音楽会』を挟んで分断されていた8時30分より放送のABC制作アニメ枠(同時期に『新ビックリマン』へ移行)とは放送時間が連続し、テレビ朝日系では日曜8時台が子供向けの時間帯、9時台以降は大人向けの時間帯と明確に確立された。

他方で、クロスネット局であった青森放送(RAB)とテレビ大分(TOS)の2局では放送時間の変更は行われず、この体制はRABでは『ソルブレイン』放映時の青森朝日放送(ABA)開局前まで、TOSでは『ジャンパーソン』放映時の大分朝日放送(OAB)開局まで続いた。またフルネット局でも広島ホームテレビなどのように、地元スポンサーなどの関係で既存のローカル番組を移動できず、同様に遅れネットとなった局も一部にあった。これら遅れネットで放送した局では時間移動後もスポンサーは同じだったが、クレジットはクロスネット局・遅れネット局から出していた。

ABCでは夏の高校野球の中継時期を迎えると、そちらを優先しなければならないため、前作『世界忍者戦ジライヤ』以降平成仮面ライダーシリーズに至るまで、日曜日に4試合が行われる週は放送休止を余儀なくされている。しかも当時は別時間帯での振替放送という救済措置が行われておらず、休止された回はそのまま飛ばされていた。


注釈

  1. ^ ただし、『メタルダー』や後年の『特捜ロボ ジャンパーソン』のような完全なロボットとは異なり、主人公であるジバンは厳密にはロボットではなく、定義としてはサイボーグの範疇である[4][5]。しかし本作品の挿入歌である「パーフェクトジバン」では「僕らのロボットポリス」と表現されている。
  2. ^ 『ロボコップ』には『宇宙刑事ギャバン』のデザインも反映されている。東映を通して『ロボコップ』の監督、ポール・バーホーベンからバンダイの村上克司にギャバンのデザイン引用の許可を求める手紙が送られており、村上も快諾していた[9]。村上とともに本作品を担当した野中剛は、村上が『ロボコップ』から大きな影響を受けていたことを証言している[10]
  3. ^ 書籍『全怪獣怪人 下巻』では、前年の『電脳警察サイバーコップ』への対抗や『仮面ライダーBLACK RX』との差別化も指摘している[6]
  4. ^ そのため、警察組織の一員である主人公や、制定された専用の法律などの点がその例にあたる[11]
  5. ^ 野中は、後にタカラが『電光超人グリッドマン』のドラゴニックキャノンを発売するなど他社への影響もあったと述べている[10]。一方、可動フィギュア「マルチフォームジバン」は、タカラが前年に発売した『電脳警察サイバーコップ』の「サイバービットシリーズ」の影響があったとされる[10]
  6. ^ 11話にて直人の警察手帳にそのように明記されている。
  7. ^ ジバンとして洋子など市井の人物相手に接する時は主に「私」を使用しており、例外的に第51話のマッド・ガルボ戦や、最終話でギバノイドを相手にした際に「俺」を用いたこともある。
  8. ^ 雨で濡れているところに高圧電線による攻撃を行った。
  9. ^ その際流れるテーマ曲らしきものは、『巨獣特捜ジャスピオン』の挿入歌「いつの日平和が」の伴奏部分を編集したものとなっている。
  10. ^ 12話でも直人がジバンでないかと疑ったが、この時は思い過ごしだと思っている。
  11. ^ ジバンのボディにも使われているスーパーセラミック製の人工関節を移植された。
  12. ^ 例えば、劇中においてまゆみとアイスを食べるシーンがあり、また麻酔ガスを噴きかけられて意識を失うなどの描写も存在する。
  13. ^ この他、第9話では覆面車に乗っていた直人が、停車直後にジバンの姿になって降りるという描写がある。
  14. ^ 11話の回想シーンで柳田がまゆみにこのことを説明した際には「バイオロンに改造が知られることで再びジバンやまゆみを襲撃する可能性があること」と「まゆみの両親に危害を与えないため」としている。そのためまゆみがバイオロンに捕らわれたことや五十嵐博士の死因も、両親と公には「交通事故」として説明している。
  15. ^ 玩具「DX電子ポリス手帳」では「1→5→3」でレゾン、「4→2→6」でバイカン、「4→5→3」でスパイラスを呼ぶことができるとされている。
  16. ^ 敵への攻撃にも使用しているが、劇中では物質破壊目的での使用がほとんどであり、バイオノイドに対するとどめとして使用したのは第32話のディストノイドのみ(他ではマッド・ガルボに対しても使用しているが、ダメージを与えて撤退させた程度に留まる)。
  17. ^ 人間態時の異形の頭部と腕部のディテール詳細のみ、篠原保がデザインを担当[23]
  18. ^ 各種武装のデザインは篠原保が担当[27]
  19. ^ 劇場版のクレジットでは「カーシャー」。
  20. ^ レオ・メンゲッティが日本語を話せなかったための措置。
  21. ^ クレジットでは「ハリボーイ」。
  22. ^ バトルフィーバーJ』でも一部使用。
  23. ^ 第23話のみ。
  24. ^ 第28話登場のゾウノイドを担当、着彩のみ篠原保が手がけている[25]
  25. ^ クラウドにアルバイトとして所属していた時期に参加、第37話登場のカメノイドを担当[25]
  26. ^ 指田と同じくクラウドのアルバイトとして参加、ウワバミノイドなど終盤登場のバイオノイドを複数担当[25]
  27. ^ 書籍『全怪獣怪人 下巻』では、名称をドラゴンと記載している[36]
  28. ^ 書籍『全怪獣怪人 下巻』では、名称を分身オオカミノイドと記載している[36]
  29. ^ 予告では「私は世界一美女!?」と誤表記されていた。
  30. ^ 11月5日は『第21回全日本大学駅伝』放送のため休止。
  31. ^ 1989年4月以降は、日曜9時台後半での遅れネットに移行。
  32. ^ 放送時間帯変更に際し、同局では当該時間帯にて自社制作DIY番組『住まいの110番』を放送していた都合上遅れネットで放送。その関係で、クリスマスを題材にした第47話は第46話に先行する形で放送された。
  33. ^ 放送時間帯変更に際し、同局では当該時間帯にて自社制作ドキュメンタリー番組「新・ふれあいシリーズ」(広島県経済連(現:JAグループ広島)の一社提供)を放送していた都合上、同番組終了に伴い同時ネットに移行する1989年10月まで、6日遅れの土曜日午前7時台前半にて放送。

出典

  1. ^ a b c d 奇怪千蛮 2017, p. 164, 「機動刑事ジバン」
  2. ^ 常識 2013, pp. 86–87, 「『ジバン』と『ジライヤ』の世界はつながっている?」
  3. ^ a b c d e 最強戦士列伝 2014, pp. 98–99, 「総論『ジバン』とは何だったのか?」
  4. ^ 全怪獣怪人 下 1990, p. 457.
  5. ^ a b c d 竹書房/イオン編 編『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』竹書房、1995年11月30日、195頁。ISBN 4-88475-874-9。C0076。 
  6. ^ a b 全怪獣怪人 下 1990, p. 456.
  7. ^ a b c d e f g h gvsg 2012, p. 63, 「メタルヒーロー クロニクル」
  8. ^ a b 宇宙船158 2017, pp. 110–111, 野中剛「SUPER MODE OF TOEI METAL SPIRIT」
  9. ^ 小野塚謙太「12 メタルヒーローの誕生 「俺が"ギャバン"だ!」」『超合金の男-村上克司伝-』アスキー・メディアワークス〈アスキー新書105〉、177頁。ISBN 978-4-04-867798-1 
  10. ^ a b c d e f g h i j k 宇宙船158 2017, pp. 112–113, 「[インタビュー]野中剛
  11. ^ a b c 特撮全史 2020, pp. 50–51, 「機動刑事ジバン」
  12. ^ 『宇宙刑事年代記』徳間書店、2004年3月、88-89頁。ISBN 4-1973-0103-0 
  13. ^ 宇宙船156 2017, pp. 134–135, 「RPSF RESCUE POLICE SECRET FILES 第10回」.
  14. ^ a b c 常識 2013, pp. 82–83, 「機動刑事ジバンはどうやって誕生した?」
  15. ^ 全怪獣怪人 下 1990, p. 462.
  16. ^ 最強戦士列伝 2014, pp. 92–93, 「愛する者を守り抜く!ジバンの超絶激闘伝説」
  17. ^ a b c d e f 宇宙船148 2015, pp. 110–111, 「特別対談 横山一敏×野中剛
  18. ^ a b c 宇宙船149 2015, pp. 124–125, 「特別対談 小松義人×前澤範×野中剛」
  19. ^ a b c d e f 最強戦士列伝 2014, pp. 90–91, 「機動刑事ジバン」
  20. ^ 最強戦士列伝 2014, pp. 94–95, 「ジバンに登場したスーパーメカニック」
  21. ^ a b c d e f g h i j k l m 常識 2013, pp. 84–85, 「犯罪組織バイオロンの活動目的は?」
  22. ^ a b c d e f g h 奇怪千蛮 2017, pp. 190–193, 取材・執筆 サマンサ五郎(チェーンソー兄弟)「DESIGNER INTERVIEW 06 雨宮慶太」
  23. ^ a b 奇怪千蛮 2017, p. 165
  24. ^ a b 奇怪千蛮 2017, p. 166
  25. ^ a b c d e f g h 奇怪千蛮 2017, pp. 200–201, 取材・執筆 サマンサ五郎(チェーンソー兄弟)「DESIGNER INTERVIEW 10 篠原保」
  26. ^ a b c d 奇怪千蛮 2017, p. 168
  27. ^ a b 奇怪千蛮 2017, p. 167
  28. ^ 酒井征勇 編「バイオノイド恐怖ノート」『機動刑事ジバン大百科』勁文社〈ケイブンシャの大百科385〉、1989年11月18日、171頁。雑誌コード 63547-56。 
  29. ^ 最強戦士列伝 2014, pp. 96–97, 「ジバンが立ち向かう悪の組織とは?」
  30. ^ a b c d 「スーパー戦隊制作の裏舞台 横山一敏」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1997 電磁戦隊メガレンジャー講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年6月25日、32頁。ISBN 978-4-06-509610-9 
  31. ^ a b 『東映ヒーローMAX』 Vol.27、辰巳出版、2008年、49頁
  32. ^ a b c d 仮面俳優列伝 2014, pp. 199–207, 「第5章 プレイヤーからアクション監督への転身 19 宮崎剛
  33. ^ a b or07pyqyzfg5xwqのツイート(1199335013679947776)
  34. ^ 「スーパー戦隊制作の裏舞台 雨宮慶太」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1991 鳥人戦隊ジェットマン講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年5月10日、32頁。ISBN 978-4-06-509613-0 
  35. ^ a b 宇宙船178 2022, p. 70, 「[インタビュー]串田アキラ
  36. ^ a b 全怪獣怪人 下 1990, p. 461
  37. ^ 『別冊映画秘宝 平成大特撮 1989-2019』、洋泉社MOOK、2019年、77-78頁

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