敦賀発電所
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過去の主なトラブル
- 1981年4月
- 福井県の定期モニタリング調査で、海藻から異常に高い放射能が検出された。調査の結果、敦賀発電所一号機の一般排水溝から放射性物質が漏洩したことが分かった。漏れた放射性物質はコバルト60であり、平常時の約10倍の量が検出された。さらに調査を進めたところ、一般排水路の出口に積もった土砂からも高濃度のコバルト60とマンガン54が検出された。しかし、一般排水路は放射能とは関係のない配水系統であり、ここからは放射性物質が検出されるはずがない場所であった。結局、放射性物質が検出された原因は、原子力安全委員会の調査によると放射性廃棄物処理旧建屋の設計・施工管理上の問題に、運転上のミスが重なったからとされた[15]。
- しかし、コバルト60とマンガン54が検出された原因は、この漏出が判明する前月に大量の放射性廃液がタンクからあふれるという事故が起きていたからであった[16]。そして敦賀発電所はその事実を隠蔽していたことも同時に明らかとなった。つまりいわゆる「事故隠し」が行われていたのであった。この「事故隠し」によって、これ以降の日本での原子力発電に対する不信感が大きく芽生えるきっかけになったと考えられている[17][18]。
- 1996年12月24日、敦賀2号機で化学体積制御系エルボの製造に問題があり、一次冷却水ホウ酸水が漏洩したため、原子炉を手動停止した[19]。
- 1997年10月24日、敦賀1号機、制御棒1本の動作不良で原子炉手動停止。国際原子力事象評価尺度(INES)はレベル1。原因は制御棒の製造不良だった[20]。
- 1999年7月12日、敦賀2号機の再生熱交換器から大量の1次冷却水漏れ。原子炉手動停止。国際原子力事象評価尺度(INES)はレベル1。[21]
- 1999年12月9日、定期検査中シュラウドサポートに300か所のひび割れを発見し改修[22]。
- 2003年9月9日、2号機加圧器逃し弁の溶接部から漏洩[23]。
- 2010年7月21日、日本原子力発電は、敦賀1号機で、再循環ポンプなどの溶接部分について点検が一度も行われていなかったことが明らかになったと発表した。その溶接部分は、冷却水を炉心に送り込む原子炉再循環ポンプや原子炉圧力の排水用配管の弁などである。第33回定期検査(2011年に実施する予定)で再循環ポンプ系の配管を取り替える工事の準備段階で判明したという。
- 2011年1月24日、経済産業省の原子力安全・保安院は、敦賀1号機で、複数ある緊急炉心冷却システムの1つが機能しない状態で約1か月間運転していたとして、日本原子力発電を厳重注意した[24]。2010年12月の検査時には正常に動作していたが、2011年1月の検査では正常に動かなかった[24]。
- 2011年5月2日、敦賀2号機の1次冷却水で放射能濃度上昇[25]。
- 2011年5月7日、敦賀2号機原子炉手動停止[26]。
- 2011年5月9日、敦賀2号機 放射性ガス漏洩[27]。
- 2011年6月3日、日本原子力発電は、敦賀2号機で5月8日に排気筒から微量の放射性ガスが漏れた問題で、放射性ガスが通る配管に33カ所の微小な穴が開いていたこと、及び、1987年の運転開始以来、この配管の点検をしていなかったことを明らかにした[28]。
- ^ “原発40年制限:例外規定で形骸化も 「公正な検査を」”. 毎日新聞. (2012年1月6日). オリジナルの2012年1月8日時点におけるアーカイブ。 2016年8月9日閲覧。
- ^ 関電、美浜2基の廃炉決定 日本原電の敦賀1号機も - 日本経済新聞
- ^ a b c “老朽原発:4基が27日廃止…美浜原発など、40年ルール”. 毎日新聞. 2015年4月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月9日閲覧。
- ^ 『新潮45別冊 日本の原発』 - 新潮社(2011年) 46ページ記載。
- ^ 『北陸電力50年史』 - 北陸電力(2001年発行)
- ^ “用語解説「原子の灯」”. 原子力規制委員会. 2016年8月9日閲覧。
- ^ a b “9基の原発始動<3> 読売新聞が見つめた 福井50年”. 読売新聞福井支局. 2003年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月9日閲覧。
- ^ 発電諸事情
- ^ 中日新聞:敦賀の活断層 全原発で見直すべきだ:社説[リンク切れ] 中日新聞、2012-4-26
- ^ “敦賀原発の地下に活断層の可能性”. NHK. 2012年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月9日閲覧。
- ^ “敦賀原発活断層「非常に活動的」…規制委専門家”. 読売新聞. 2012年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月9日閲覧。
- ^ “敦賀発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合 評価会合”. 原子力規制委員会 (2012年12月10日). 2016年8月9日閲覧。
- ^ “敦賀原発 原子力規制委員長「現状では再稼働できず」”. 産経デジタル. 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月9日閲覧。
- ^ 敦賀原発2号機直下、活断層と断定…廃炉濃厚に[リンク切れ]
- ^ “原子力安全年報 昭和58年版 付録 日本原子力発電株式会社敦賀発電所の放射性廃液漏洩事故について”. 原子力安全委員会. 2011年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月9日閲覧。
- ^ 敦賀発電所における放射性廃棄物処理施設からの放射性廃液漏洩事故の概要 (Report). 日本原子力研究開発機構. May 1998. 2020年4月25日閲覧。
- ^ 『原発国民世論 -世論調査に見る原子力意識の変遷-』 柴田鐵治、友清裕昭 ERC出版 1999年 ISBN 4900622168
- ^ 「事故隠し」については、『原発国民世論』の中で著者が「この敦賀原発事故は、終わってみれば「敦賀原発事故隠し事件」とでも呼んだ方が正確かも知れない」と厳しく批判している。なお、事故隠しについては原子力発電の事故隠し・データ改ざん一覧を参照のこと
- ^ 失敗事例 > 敦賀発電所2号機化学体積制御系配管からの一次冷却水漏えい
- ^ 失敗事例 > 敦賀発電所1号機動作不良制御棒22-23の点検に伴う原子炉停止について
- ^ 『原子力市民年鑑 2013』 - 七ツ森書館(2013年) 239ページ記載
- ^ 失敗事例 > 敦賀発電所1号機シュラウドサポートのひび割れについて
- ^ 失敗事例 > 敦賀2号機加圧器逃し弁管台溶接部からの漏洩事故
- ^ a b 2011年1月25日付朝日新聞37面
- ^ “敦賀原発2号機が運転停止へ 1次冷却水で放射能濃度上昇”. 産経新聞. (2011年5月2日). オリジナルの2011年5月4日時点におけるアーカイブ。 2016年8月9日閲覧。
- ^ “敦賀発電所2号機 1次冷却材中の放射能濃度の上昇について(原子炉手動停止について)” (PDF). 日本原子力発電 (2011年5月6日). 2016年8月9日閲覧。
- ^ “敦賀発電所2号機 排気筒ガスモニタの一時的な指示上昇について”. 日本原子力発電 (2011年5月9日). 2016年8月9日閲覧。
- ^ “敦賀2号、配管33カ所に穴 87年の稼働後、点検せず”. 共同通信. (2011年6月3日). オリジナルの2013年7月19日時点におけるアーカイブ。 2016年8月9日閲覧。
固有名詞の分類
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