所澤神明社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/18 09:20 UTC 版)
境内
小高い南向斜面の上に建つ所澤神明社は、神明社としては比較的規模の大きな神社で東・西・南三方に鳥居と参道があり本殿の北・西側は鎮守の杜となっている。総檜造りの現拝殿は1934年(昭和9年)3月造営されたもので、屋根には先端が水平に切られた千木の間に太い鰹木が並んでいる。
境内合祀社
- 所澤招魂社 - 社務所東奥
- 人形殿 - 南正面参道階段下、駐車場奥、毎年6月の焚き上げまで人形はここに納められる。
主な祭事
節分祭
立春の前日2月3日に、新年を祝い除災幸福を願う祭事。神社に鬼はいないとの考え方から、氏子崇敬者や年男年女などによって「福は内」とだけ唱えて豆が撒かれる[4]。
人形供養祭
長年子供の成長を見守り身代わりとなって災厄を引き受けてくれた人形(おひなさまや五月人形)を、感謝の気持ちを込めて供養する祭事[4]。毎年6月第1日曜日に執り行われる。納められた人形は人形殿に奉斎され、月次供養祭で人形の魂は形代へ遷霊される。その後、形代が人形殿で鎮魂され、6月の人形供養祭でお焚き上げされる。近年、所沢や近隣の市町村にとどまらず、関東一円から膨大な数の人形が納められ、供養祭の規模が大きくなったため、現在は、環境への配慮から人形そのものを燃やすことはされていない。納められた人形は魂を抜いて祓い清められ、専門の業者に回収される。所沢市は特産品に人形や羽子板がある「人形の町」であり、昭和50年代から所沢人形協会が主催して人形のお焚き上げ行事が行われるようになったのが、この人形供養祭の始まりである[5]。当社の人形供養は、感謝の思いに添った祭典で、除霊や呪いの類のお祓いではない[2]。
夏越の大祓
当社では6月30日に執り行われる。前半年の心身の穢れや罪を形代に移し、「水無月の 夏越の祓する人は 千歳の命 延ぶというなり」という古歌を唱え、「蘇民将来」の故事に倣って、境内にある茅の輪を3回くぐり、心身清らかになって後半年を迎える[4]。
七夕祭
所沢では、昔から月遅れで七夕を祝っているため、8月7日に催される。境内は笹竹や吹き流しで飾り付けられ、七夕祈願祭だけでなく、奉納コンサートなどのアトラクションも開催される。平成29年(2017年)から神明宵の市が同時開催されるようになった[4]。
秋季例大祭
最も重要とされている祭典で、9月15日に行われる[4]。多くの氏子が参詣し、神社本庁から献幣使を迎えて、古式で執り行われる。祭典後、拝殿において巫女舞、神楽殿において里神楽が奉納される。里神楽は、川越藩の神楽師として活躍していた前田筑前の社中に伝わった竹間澤神楽である。式三番で幕をあけ、夜遅くまで芸術性の高い壮麗なお神楽が奉納される。コロナ感染症対策のため、行われないこともある[6]。
祭事一覧
- 元旦熊手市(1月1日)
- 初詣(1月1日)
- #節分祭(2月3日)
- 春季中祭(4月21日) - 同時に招魂社の例祭も執り行われる。
- #人形供養祭(6月第1日曜日)
- #夏越の大祓(6月30日)- 心身についた罪穢れ(つみけがれ)を祓い清め、心身ともに清らかな状態で残りの半年を迎えるための神事。
- 風鈴奉納祭(7月、8月)
- #七夕祭(8月7日)
- #秋季例大祭(9月15日) - 神楽殿において、竹間澤里神楽や巫女舞が奉納される
- 山車安全祈願祭(10月)- 「ところざわまつり」で引き廻す山車の安全祈願をおこなう。所沢市内各町の山車が境内一同に集まり、おはやしの奉納をする。
- 七五三(11月15日)
- 新嘗祭(11月23日)
- 冬至祭(12月冬至)- この日から、一年間御祀りしていた御札やお守り、縁起物の御焚き上げが始まる。
- おかまじめ(冬至〜12月30日) - 神棚、台所に奉られているお札などを取り替え、新年に新しい神様をお迎えする準備をする。
- 年越しの大祓(12月31日)
固有名詞の分類
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