彼岸島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/30 02:36 UTC 版)
主な登場人物
登場する化け物
- 吸血鬼(きゅうけつき)
- 吸血鬼ウイルスに感染した人間を指す。犬歯が牙のように鋭くなり、視力が衰える代わりに嗅覚が発達する。特に人間の血の匂いに敏感になり、興奮すると白目が赤黒い三白眼になる。血を得るために人間を襲い、噛むことで血を吸うと同時に牙から強力な麻酔を出す。噛まれた者は麻酔の効果により身体が痺れ動けなくなり、場合によっては排尿したり性的快楽を得る。唾液にも少なからず麻酔の効果があり、舐められると少し痺れる。人間の血を吸うことで新陳代謝を永続させることができ、老化しない上にこの世の全てのウイルスに感染しない。力は人間の3倍ほどあり、人間であれば致命傷となるほどのダメージを受けても死ぬことはない。ただし不死ではなく、頭を斬り落とされたり潰されると死亡する。作中初期では興奮すると髪の毛が白くなる、満月の夜は気分が高揚しすぎて血を吸わなくなるなどの特徴があった。彼岸島に住む吸血鬼は一般的に雅に従っており、そのほとんどが編み笠にほっかむりを着用している。人間だけではなく、犬や熊などの動物の吸血鬼も存在する。
- 飲食や生活習慣は人間のそれと変わらないが、定期的に血を摂取していなければ喉が渇き血を欲するようになる。長い間血を摂取しなかった場合、後述の邪鬼や亡者になってしまう。そのため人間の血は食料ではなく、邪鬼や亡者に変態しないための薬として摂取しているが、人間ごと食べたり後述の吸血椅子や血樽を利用するなど摂取の仕方にも彼らなりの娯楽が存在する。
- 元々は人間であるものの、ほとんどが人間を見下している。特に【48日後…】では人間を娯楽目的で殺したり、奴隷や家畜のように扱う様子が見られる。ただし、中には心優しい者もおり、牙の有無以外は人間と変わらない者もいる。さらに、特定の人間と関わるうちに情が移り、人間の味方をした者(例:隊長、月島奈々)もいる。
- 吸血鬼ウイルスは空気感染することは無いが、吸血鬼の血が粘膜・傷口など体内に侵入してしまうと感染してしまう。感染の仕方にも個人差があり、上記の特徴のほかに身体が巨大化した者(例:石田権蔵)や感染しても身体に変化が出たのみで吸血鬼化しなかった者(例:鮫島兄弟)もいる。特に後者は吸血鬼化しなくともあくまで感染者であるため、吸血鬼の血を飲んでも吸血鬼化せず噛まれたとしても麻酔の効果を受けない。また、死体に吸血鬼の血をかけても吸血鬼化するが、その場合は唸り声のようなものを発し、さながらゾンビのようになる。吸血鬼の血を吸血鬼が摂取することは昔からタブーとされており、ほとんどの場合は体が耐えられずに破裂してしまう。しかし極稀に耐え抜く者がおり、後述の混血種(アマルガム)になる。
- もともと吸血鬼化は感染するものではなく、古来から彼岸島に住むある一族にのみ発症する遺伝病であった。吸血鬼化が発症するタイミングに個人差があり、発症した時点で老化しないため、老けた見た目ほど年上とは限らなかった。さらに人間を襲うことはなく、畑仕事を手伝うなど共存関係にあった。むしろ彼らを神聖視し、神事の際には人間の方から血を差し出していた。しかし、太平洋戦争中に五十嵐が雅に施した人体実験により、伝染性を持つ吸血鬼ウイルスが誕生した。
- ドラマでは、「頭を潰さなくとも、肺に穴を開け窒息させれば死亡する」「死ぬと、感染は解けて死体自体は元の人間に戻る」等と大幅な設定変更されている。
- 邪鬼(オニ)
- 長い間血を摂取しなかった吸血鬼が変化した姿。理性を持たず、人間・吸血鬼の区別なく視界に入った生物を本能のままに襲う。姿形に様々なバリエーションが存在し、大きく分けて同種が複数存在する一般種と、他に類を見ない固有種が存在する。一般種は邪鬼になる前の原型が全く無いが、固有種の中には邪鬼になる前の顔の面影がある者(例:糞食い爺)や邪鬼になる前の体の一部がそのまま残っている者(例:師匠(邪鬼)、ユキ(邪鬼))もいる。特に体の一部がそのまま残っている者は意識も残っており、会話が出来る者もいる。
- 個体差こそあるものの、総じて一般の吸血鬼よりはるかに強い怪力や生命力を持つ。吸血鬼と同じく首を完全に切断されると死亡するが、固有種の中には切断されてもしばらく動き続ける者や首を切断しても再生する者(首とは別に弱点がある者)もいる。そのため、明達も余程の理由がない限りは積極的に戦わず、隙を見てやり過ごしたり邪鬼の力を状況打開のために利用することがある。また、雅と邪鬼使いのみ邪鬼を操ることが出来る。
- 【最後の47日間】では、邪鬼の細胞維持には特殊な湧き水が必要であることが明かされ、これが摂取出来なければ数年で細胞崩壊を起こしてしまう。
- 以下に挙げるのは一般種のみ。固有種については彼岸島の登場人物を参照。
- 通常型(変態中)
- 邪鬼になりかけの状態。顔から大量に眼球が出現し、皮膚がちぎれ徐々に体が黒ずんで行く。邪鬼になりかけではあるが、丸太を握りつぶすなど尋常でない怪力を発揮する。
- 痩身型
- 身長:4m5cm 体重:750kg
- 必殺技:特筆するものはない
- 作中最初に登場し、以降も集団で登場するなど作中最も多く確認されている邪鬼。大きな頭部に筋肉が剥き出しの長い手足を持つ。四つん這いで移動するが、バランス感覚に優れているようで、天井にぶら下がったり決壊寸前の吊り橋をロープだけで渡ったりできる。明曰くサカナ野郎。
- 石頭型
- 身長:5m10cm 体重:1t
- 必殺技:硬い体表を活かした頭突き
- 頭皮が異様に硬く、頭突きだけで吸血鬼の身体を貫通できる。真皮が剥き出しなので、血管が剥き出しになっている。篤曰くデブの化け物。
- 魚人型
- 身長:23m 体重:4t
- 秋刀魚に似た顔を持つ巨大な邪鬼。彼岸島の周りを取り囲むように配置され、島に勝手に出入りする者を殺害、もしくは捕獲する。追跡時にはバタフライで泳ぐ。
- 【48日後…】では、雅が彼岸島から離れたため、同じく本土に移動しており、歌舞伎町の堀や地下に複数確認される。
- 百目型
- 身長:14m50cm 体重:2.6t
- 全身に目があり尻尾もある邪鬼。岩を容易に抉るほど鋭い爪を持つ。正面から見ると歯並びが悪く顔が横長く見える。傷付けられても身体中の目を傷口に移動させ、瞬時に回復する能力を備えている。
- 主に炭鉱にいる吸血鬼がこの姿になる。変態の仕方が特殊であり、条件を満たすと突如激痛と共に身体中から糸を噴き出す。やがて繭になって数年間眠り、繭から孵化する。繭がかえる直前には黒い斑点模様ができる。
- 炭鉱の吸血鬼には神として崇められており、彼らを描いた壁画や生贄を祀る祭壇が存在する。
- 邪鬼使い(オニつかい)
- 邪鬼を操る者を指す。誰でも邪鬼使いになれるわけではなく、血縁者、親友、恋人など操る邪鬼と深い関わりを持つ者がなれる。そのため、吸血鬼だけでなく人間も邪鬼使いになれる。
- 邪鬼使い一人につき、操れる邪鬼は一体だけであり、操るには邪鬼の状況を常に把握しなければならない。逆に言えば、「邪鬼が制御の取れた動きをしている」=「邪鬼使いが近くにいる」ということになるため、作中では状況打開のため先に邪鬼使いを探し出して始末することがある。
- 邪鬼を制御できるという点で非常に強力な存在であり、事実田中ナオトは人間でありながら吸血鬼の集落の責任者となり、西山も雅を騙りこの力を披露することで大阪を支配することが出来た。
- 亡者(もうじゃ)
- 身長:200cm〜 体重:120kg〜
- 必殺技:分裂または、それを投げる
- 長い間血を摂取しなかった吸血鬼が変化したもう一つの姿。篤曰く邪鬼の成り損ないであり、邪鬼に適合できなかった者がこの姿になる。
- 全身から悲しそうな顔をした頭がいくつも生えており、膿を噴き出しながら無限増殖する。その醜悪な姿に加えて強烈な悪臭を放つことから、吸血鬼たちからも忌み嫌われており、普段は集団で森の中などで虫や小動物を食べながらひっそりと過ごす。非常に寂しがり屋の性質を持ち、獲物を見つけると口から大量の手を出して捕えようとする。更に集団で身を寄せ合い、亡者同士で合体することもある。
- 邪鬼とは違い、幾分かの記憶や感情を残している。さらに亡者になって間もない者は意識も残っており会話も出来るが、時間と共にそれらも失われていくようである。
- 動きは鈍いが驚異的な生命力を持ち、刀で斬り刻んでもそこからまた増殖する(破片からも増殖する)。そのため、完全に殺すには丸太等で打撃攻撃を与え、火で燃やすのが唯一の方法である。
- 混血種(アマルガム)
- 他の吸血鬼の血液を体内に取り込み、生き延びた吸血鬼。当初は注射器で体内に注入していたが、【48日後…】では飲用して摂取している描写がある。
- 破裂死せずに混血種(アマルガム)になる確率は1%にも満たず、生き延びたとしても身体の一部もしくは全身が異形化する場合がほとんどである。ただし、一度成功すれば以降は同じ吸血鬼や邪鬼の血肉を摂取しても影響は出なくなる(雅は同族を食い殺すことで更に力を得ているような描写があるが、師匠や姑獲鳥は描写なし)。
- 総じて一般の吸血鬼はおろか邪鬼よりもはるかに高い身体能力や生命力を持ち合わせており、自重より遥かに重い武器を軽々と振り回す超怪力の他、筋肉を引き締めることによる硬質化、幻覚を見せることができる神経ガスの生成など、非科学的な特殊能力を持つ者もいる。
- 作中に登場する化け物の中でも非常に個体が少なく、【無印】、【最後の47日間】で登場したのは、雅、師匠、斧神、金剛、まり子の5体のみ。【48日後…】では雅の息子の5体を筆頭に複数登場する。
- 変異種(へんいしゅ)
- 【48日後…】に登場。蟲の王の能力で人間や吸血鬼が変異した姿。蟲の王のためだけに生きている様な生態をしており、ほとんどは思考を持たず本能のまま行動する。
- 蟲の王の体から放出される羽の生えたムカデのような生き物が人間や吸血鬼の体内に入ると、変異種になる。体内に入る前に引っこ抜けば変異種化は免れるが、身体に何かしらの異常が出る。
- 蟲の王が死ぬと変異種化が解け元の姿に戻るが、蟲の王の片割れまで倒さなければ全部は戻らない。
- 噛み付き爆弾型
- 口と耳のある球体の体から足が生えた姿をしている。地面に埋まっていて、獲物が通ると噛み付きそのまま自爆する。
- 国会議事堂の敷地内には地雷のように大量に埋まっている。
- 保存容器型
- ツボから足が生えたような姿をしている。人間や吸血鬼などを捕え、ある程度たまるとアジトの天井に張り付き足も取れて無くなり、完全な置物と化す。捕えられた獲物はゆっくりと溶かされ、最終的に蟲の王の食料となる。
- 触手型
- 大量の触手をぶら下げたアメーバのような姿をしている。アジトの天井に触手をたらしながら張り付き、触れた者を捕らえる。
- カマキリ型
- 4本の腕に背中や胸に大量の乳房がついた巨大なカマキリのような姿をしている。4本の腕には鎌が付いており、切れ味の鋭い上に銃弾を通さないほど硬い。追いつめられると甲高い声を出し、噛み付き爆弾型を呼び寄せる。
- アジトの一室に大量に生息しており、そこに向かった自衛隊が消息不明になったことから、この一室が「あかずの間」と呼ばれていた。
- 巨人型
- 胸に複数の目玉が埋まった巨大な人形のような姿をしている。蟲の王が居る部屋に左右に並ぶように立っており、長い棒のようなものを持っている。身体は銃弾を通さないほど硬いが目玉は柔らかく、潰した目玉の中に手榴弾を投げ込むと倒すことが出来る。
- バッタ型
- 巨大なバッタのような姿をしている。見た目こそ巨大なバッタだが、獲物を捕食する際は体の下から縦に大きく広がる口を開く。蟲の王の体内に大量に生息しており、保存容器型で捕らえた獲物を食べている。ある程度食べるとお尻から羽の生えたムカデを放出する。
- 耐ミサイル型
- ツボから複数の手足が生えたような姿をした邪鬼。ミサイルを飲み込み、体内で爆発させる。
- 登場している変異種の中では唯一蟲の王の作品ではなくハンディ・ハンディ様が生み出しており、一回り以上大きな個体や変色している個体など稀に個体差が生じている。
- 血の楽園や歌舞伎町に多数配置されており、国連の空爆を無効化する役割から集落の安全を保障している。
- 霊鬼(れいき)
- ゲームオリジナルの吸血鬼。原作に登場したガタイが大きい吸血鬼に相当する。ゲーム中ではユキを捕まえ、彼女を救出するために明はポンの拳銃で戦うことになる。
作中の地理
彼岸島(ひがんじま)
- 【無印】、【最後の47日間】の舞台。地熱により気温がほぼ変わらず彼岸花が年中咲いている島。作中初期は冷曰く森と海しかない小さな離島と説明していたが、話が進むに連れて炭鉱、樹海や砂丘など様々な地形・建造物が次々登場しており相当に広く変化に富んだ島になっている。元々は海底火山で隆起して出来た火山島で、島の周りは火山岩で出来た岩礁に囲まれており、港のある海域以外の船での出入りは困難である。また、寒気で大雪が降ることもある。
- 連載開始前に作者が編集と訪れた新潟県の粟島がモデルとなっている[16]。
- 吸血鬼の集落
- 雅の屋敷がある集落を含め全部で五つあると説明されているが、下記以外にも吸血鬼の住処がいくつか登場する。
- 雅の屋敷がある集落
- 吸血鬼の五つの集落の一つ。吸血鬼達の本拠地。【無印】の序盤で明達がここに連れてこられ、【最後の47日間】でも明が501ワクチンの在り処を聞き出すために亮介と共に潜入する。
- 雅の屋敷
- 雅が住んでいる大きな屋敷。奉行所のような場所があり、邪鬼の訓練場もある模様。
- 明達が初めて彼岸島に訪れた時にこの屋敷の地下牢に監禁される。ケンちゃんが囮になったことがきっかけで脱出に成功し、後日合流した篤と共にケンちゃんを助けるために再度侵入する。
- 病院の集落
- 吸血鬼の五つの集落の一つ。中央北側にある大きな病院が特徴の集落。吸血鬼軍に寝返った田中ナオトが責任者になっている。
- 師匠が隠した大型注射器を手に入れるため、最初に総攻撃をかける。明が足長ばあさんを倒し、集落は抵抗組織が制圧するものの、直後に姫を筆頭とした大量の邪鬼に襲われ壊滅した。
- 関岡病院
- 病院の集落にある大きな病院。地下にリハビリ用のプールがある。涼子曰く「島に老人が多いため」で島の自慢とのこと。
- 2年前に篤によって解放された雅が運び込まれ、院内のほとんどの人間が医師から赤ん坊にいたるまで吸血鬼化させられる。その後は足長ばあさんの住処となり、いたるところに蜘蛛の糸が張り巡らされている。
- 師匠が住んでいた寺
- かつて師匠が住職として生活していた時に住んでいた寺。家宝として代々伝わる仮面があり、後に師匠が顔を隠すために常時被ることになる。近くに墓地があり、そこに大型注射器を隠していた。
- 水上の集落
- 吸血鬼の五つの集落の一つ。巨大な川の上に橋を作り、その上に家が建てられている。川の中洲には2つの大きな倉があり、片方は蛇の邪鬼が見張りをしている。
- 病院の集落が邪鬼に襲撃された後に師匠や多数の人間が倉に監禁される。その後は川の増水と蛇の邪鬼の暴走により集落は壊滅する。
- 温泉の集落
- 吸血鬼の五つの集落の一つ。いたるところに湯けむりが立ち、地面を掘ると間欠泉が噴き出すことがある。集落の脇の崖下には高熱かつ強酸の川が流れており、中央には斬首台が建てられている。元々は満腹爺とその邪鬼使いが支配していたが、満腹爺が地下洞窟に幽閉されて以降は斧神がボスとなっている。
- 水上の集落から運び出された師匠がここで処刑されそうになる。明によって処刑が阻止され、後から合流してきた西山や抵抗組織のメンバーの総攻撃により制圧される。その後はしばらく抵抗組織の休息場になる。
- 地下洞窟
- 温泉の集落の地下にある洞窟。満腹爺が幽閉されている。近くには吸血鬼のゴミ捨て場があり、古くなった武器などがを捨てられている。
- 要塞寺(ようさいでら)
- 吸血鬼の五つの集落の一つ。元々あった荒れ寺を中心に大幅に改造して作られており、周りを丸太の高い塀で囲みまさに要塞のような構造になっている。周りは堀になっており、一つだけある跳ね橋でのみ中に入れる。塀の中は夜でも賑わっており、潜入したケンちゃん曰く最も吸血鬼の人口が多い。集落の周辺に池が沢山あるため、よく霧が発生する。
- 吸血鬼と化したケンちゃんがユキを救出するため潜入する。ユキの救出には成功するもののケンちゃんが死亡し、単身乗り込んできた明によって跳ね橋を壊される。後に抵抗組織が総攻撃を仕掛け制圧される。
- 五重塔
- 要塞寺の奥の切り立った崖の上にある塔。入るには狭い橋を渡る必要がある。内部は危険な仕掛けがたくさんある上に普通の階段が無く、上階に上がるにはどこかにあるスイッチを押して隠し階段を登る必要がある。
- 1階はチワワ様の住処となっており、外に出ないように外側から閂がかかっている。
- 2階は鏡やガラスが張り巡らされた迷路となっており、時折まり子が徘徊する。
- 3階はまり子の拷問部屋がある。
- 4階は狭い迷路のような構造になっており、這って移動するのがやっとの程天井が狭い。
- 5階は雅の休息場であり、剥製にされた邪鬼が大量に飾られている部屋もある。更に5階より上の階が存在し、そこは雅の研究室兼吸血ウイルスを保持した蚊の育生施設になっている。なお、この研究室は雅を含め限られた者しか知らず、五重塔の内部を熟知していた隊長も知らなかった。
- 明と雅との戦いにより、瀕死となった雅がチワワ様を操って暴れたことで五重塔が上部を中心に半壊し、特に最上階は蚊の育生施設と共に海に沈んだ。
- 蚊の育生施設
- 【最後の47日間】に登場。吸血ウイルスを保持した蚊を育成している施設で五重塔の最上階を除き全部で3箇所ある。本土に吸血鬼ウイルスがばら撒かれるのを阻止するため、47日間に抵抗組織が全て壊滅させようとする。
- 第一育生所
- 小さな集落の崖下に建てられている育生所。斧神が責任者になっている。施設の奥は大糞赤子が幽閉されている古い実験場がある。
- 抵抗組織の総攻撃により斧神が明に敗れ、蚊は残らず焼却された。
- 第二育生所
- 雅の屋敷の近くに位置する育生所。育成施設自体は吸血鬼の集落の大きな建物の地下に隠れている。
- 抵抗組織の作戦により、施設の襲撃および蚊の殲滅はすぐに成功するものの、抵抗組織のメンバーの一人が原因で明や師匠たちが閉じ込められてしまう。
- 離れ島
- 最後の蚊の育生所がある島。彼岸島からかなり離れた位置にあるが、彼岸島の一部であり、同じ湧水が湧いている。地上からだと何も無いように見えるが、目立たない場所にハッチがあり、育成施設の入り口になっている。更に絶壁で地上からは確認しにくいが、島の窪みに船を停める港がある。施設の更に地下には椿が幽閉されている。
- 育成施設の鍵は雅が保持しており、明が再び雅と対峙するが隊長の裏切りにより椿がいる地下に落とされる。椿を倒した後、自力で這い上がるもその頃には育成した蚊は全て本土へ渡っており、殲滅に失敗する。
- その他
-
- 山寺
- 山奥にある古い寺。作中最初に登場した抵抗組織の隠れ家の一つ。地下には師匠を縛り付けるための地下牢がある。
- 亡者と化したポンを倒したことにより倒壊する。
- 廃校
- 木造の校舎の学校。それまで抵抗組織がアジトにしていた集落が太郎によって壊滅したため、新しいアジトとして使用した。それ以前から玲が住んでおり、雅打倒のための資料を集めていた。
- 炭鉱
- 彼岸島の地下に隠されている炭鉱。奥は旧日本軍の実験施設の地下とつながっており、501ワクチンを手に入れるため、明達が潜入する。
- 百穴村
- 吸血鬼となった篤が涼子と共に住んでいる吸血鬼の村。元は遺跡の跡地でありいくつもの穴倉が存在し、そこが寝床になっている。年老いて戦えない吸血鬼や雅率いる吸血鬼軍を追放された吸血鬼などが暮らしている。
- 篤が雅から大量の血をこの村に届けており、彼がこの村の生命線となっていた。村人は人間に敵意を見せず、篤と戦おうとしていた明に戦わないよう懇願する程である。
- 篤の敗北を悟った村人たちの手により、村に火がつけられ村人は全員自害した。
- 教会
- 明と篤の決着の最中、追い詰められた篤が逃げ込んだ西洋風の教会。最上階には巨大な鐘がある。
- 篤が逃げ込んだ時点では結婚式が行われている最中であり、彼によって参列者のほとんどが吸血鬼化する。
- スピンオフ作品「彼、岸島」ではここから物語が始まり、結婚式を行った経緯が描かれている。なお、岸島や斧神がこの状況で結婚式を行うことへの異常さを指摘している。
- 天狗岩(てんぐいわ)
- 天狗の横顔のような形をした岩。岩のふもとに扉があり、その奥は鍾乳洞の洞窟がある。
- 病院の集落制圧後、雅の指示により明が一人でここに来ることを条件に紅葉を引き渡す。しかしそれは明を閉じ込め、邪鬼達を使って病院の集落を壊滅させるための罠であった。
- 砂丘(さきゅう)
- 砂漠のように広がる砂丘。端にある井戸の底に洞窟があり、抵抗組織の隠れ家の一つとなっている。
- 学校
- ゲームに登場。上記の廃校と違い、近代的な建物。雅の支配を受けない吸血鬼がいる。
本土(ほんど)
- 【48日後…】の舞台。吸血鬼ウイルスがばら撒かれ、一週間もしない内に国としての機能が停止し、ほとんどの人間が吸血鬼と化した日本。
- 大規模なパンデミックとして海外との交流が絶たれているが、解決には積極的であり、雅抹殺のため東京を中心に国連が時折空爆を仕掛ける。
- 東京
- 雅や雅の息子達が腰を据えている場所。首都高速道路に沿って壁で囲まれており、要塞と化している。壁には対邪鬼用の兵器も搭載されている。
- 各地に雅の息子の縄張りがあり、雅はその縄張りを転々と移動している。
- 地下
- 東京の地下下水道及び、地下鉄駅等の空間。吸血鬼から身を隠す人間が主に暮らしている。地下鉄駅のシャッターを閉じれば地上と隔離できる上、野良邪鬼が徘徊しており吸血鬼も深入りしないため地上より安全だった。
- 吸血鬼から身を隠せる一方で食料不足が深刻であり、一匹の虫目当てに殺し合いに発展した例もある。
- 上野
- 雅の息子の一人である姑獲鳥が拠点にしている。
- サンシャイン
- 上野にある高層ビル。いつ倒壊してもおかしくない程傾いており、ユカポンのファン達が住んでいる。付近は空爆で出来た巨大な穴と何日も降り続いた雨により巨大な湖を形成しており、その下には眠り姫がいる。
- かつては雅のアジトの一つで、屋上から人間を生きたまま突き落とし、血の飛び散り具合を競う遊びが行われていた。
- ユカポンの案内により明達が訪れ、ファン達から筏を貰う。その後吸血鬼や邪鬼の襲撃を受けるが、ファン達が囮になるために引き寄せた邪鬼が大量に集まり暴れたため崩壊する。
- 東都ドーム(とうと)
- 武道大会が開催されているドーム。かつては野球の試合やライブ行われており、ユカポンはここでライブをするのを夢見ていた。電力はドームを膨らますのとワイヤーの電流に使われおり、電光掲示板は機能せず松明や半鐘が代用されている。水道は止まっており、トイレは大量の糞で溢れて肥溜めと化している。
- 武道大会の優勝賞品として勝治が出されていたため、明が吸血鬼に変装して参加する。決勝で姑獲鳥と当たり、戦いの最中ドームがほとんど壊滅する。
- 上野恩賜公園
- 上野駅の最寄にある都市公園。その一角にある建物には吸血鬼達が管理する「人間保管庫」と呼ばれる人間を閉じ込めておく牢屋がある。勝次と左吉はともにここに閉じ込められ、知り合って仲間になった。
- 勝次を東京ドームから救出後、明達により保管庫が襲撃され、閉じ込められていた人間達は全員解放された。
- I・R・T(アイドル・レイプ・タワー)
- 上野にある人間のアイドルが吸血鬼達に監禁されているマンション。マンションの前の壁に「IRT」と落書きされている。ユカポンも元はここで監禁されていたアイドルの1人だった。
- ユカポンの案内で来た明達に壊滅させられ、壁の文字はユカポンに削り取られ消された。
- 国会議事堂
- かつての日本の政治の中枢だった建物。雅の息子の一人である蟲の王が拠点にしており、雅の顔が描かれた旗が上げられている。地上の敷地内には蟲の王が作り出した変異種が隠れて外敵の侵入を防いでおり、地下にはアリの巣のような広大な空洞が複数生成され、蟲の王や変異種の住処となっている。
- 陸上自衛隊が新政府のシンボルとして奪還を試みる。一度目は失敗するものの、明達と結託し二度目は地下から侵入する。多数の犠牲者を出すも最終的に明が蟲の王を倒して奪還に成功する。
- 血の楽園
- お台場一帯にある吸血鬼達の楽園。雅の息子の一人である豹丸が拠点にしている。壁で囲まれている東京の中でさらにお台場を中心に壁で囲まれており、入り口はレインボーブリッジのみとなっている。壁の上には耐ミサイル型の変異種が多数配備されており、空爆の影響を受けないため血の楽園の安全を保障している。かつて豹丸が無政府状態だった東京を見て嘆いており、ミサイルに怯えなくてもすむ安全な場所を確保して、努力次第で登っていける階級社会を作った。
- 人間はおろか吸血鬼も簡単には入ることができず、入るためにはレインボーブリッジの関所で鉄の札を提示する必要がある。血の楽園に住む市民にも区分があるようで、鉄の札を10枚提示した者は上級市民として特別な待遇が受けられる。
- 佐吉を殺した拷問野郎(ハンディ・ハンディ様)がここに逃げ込み、明達も後を追うように北沢姉弟と協力してここに潜入する。人間の反乱と明と豹丸の戦いの影響により壊滅的な被害を受け、さらに豹丸死亡後には耐ミサイル型の変異種が居なくなったことで大量の国連のミサイルが降ってきて完全に壊滅した。
- 中は以下の四つの区画に壁で区切られている。
- 居住区
- 吸血鬼が住むアパートが複数立ち並ぶ地区。受付で必要な手続きを済ませれば住まいの他、シャワーやベッド、食事や血が提供され最低限の生活が保障される。仕事で成果を出せば上級市民となり、上級地区に住むことができる。
- 北沢姉弟とユカポンとネズミがこの地区のアパートの一室の住人となる。
- 労働地区
- 発電所や下水処理場など血の楽園内のインフラを支える地区。四つの区画の中でも特に広く、人間たちが非常に劣悪な環境で一日一食で働かされている。また、質素なテントで作られた人間たちの寝床もある。以前は更に劣悪な環境であり、テントも少ないうえにトイレも無く、死体も放置されていて病気が蔓延していたが、北沢徹が吸血鬼と交渉したことで現在のように改善された。また、ハンディ・ハンディ様が人間を食べるため、気まぐれでこの地区に現れる。
- 希が兄の徹の居場所を聞き出すため、この地区の人間から話を聞き、兄が死んだことを知る。ユカポンの歌がきっかけで労働地区の人間たちに活気が戻り、反乱を起こす。
- 上級地区
- 上級市民が暮らす地区。公園や学校、ショッピングモールがある他、警察も機能しているなど、総じて文明崩壊前の日本と変わらない生活をしている。自由の女神像もこの地区にある。上級市民は専用のカードキーを持っており、上級地区を出入りするのに必要。住居も居住区に比べて豪華であり、エレベーターもついている。テレビも映り、昔の番組を適当に流している。
- 勝次がこの地区に迷い込み、ヒー坊の暴走から多数の警察官を皆殺しにしたため、指名手配される。
- 特別区
- 豹丸やハンディ・ハンディ様が居る地区。入るには上級地区の南にあるニジテレビの建物の真ん中をくりぬいた巨大な門を通らなければならない。門の前では凸様、凹様が門番をしている。中は洋風の長い廊下が続いており、途中に裁判所、警察署、刑務所、人間を保管して虐殺する場所などが存在する。最奥部にはピラミッドのような建物があり、その頂上に豹丸が鎮座する。
- レインボーブリッジ
- 血の楽園に入るための唯一の架け橋。道が途中で崩れているため、入るには車などが積まれた瓦礫を上る必要がある。本土側と血の楽園側にそれぞれ関所が設けられており、関所と関所の間は鉄板の壁でできた迷路のような構造になっている。また、監視カメラがいくつか設置されており、危険人物を見かけた場合は関所の鉄のシャッターが閉まる仕組みになっている。
- 血の楽園に入るためには、本土側の関所にて貢ぎ物を確認した後人数分の鉄の札を貰い、血の楽園側の関所にて鉄の札を提示する必要がある。ただし、関所と関所の間は完全に無法地帯になっており、上級市民になるため吸血鬼達が鉄の札を狙って襲い掛かってくる。ここにいる吸血鬼達はいくつか徒党を組んでおり、基本的に鉄の札のみを狙い貢ぎ物には手を出さないようにしているが、中にはどこのグループにも属さず血に飢えた吸血鬼達が貢ぎ物に手を出そうとすることがある。また、吸血鬼を捕食するため、決まった時間にバサバサ様が徘徊する。
- 歌舞伎町
- 吸血鬼最大の娯楽場である遊郭街。舌喰い様が収めている。ここにも耐ミサイル型の変異種が多数配備されている。
- 歌舞伎町の周りは水堀で囲まれており、入るためには一本だけあるかけ橋を渡る必要がある。かけ橋は有事の際には上がって通れなくなることもある。また、水堀には魚人型の邪鬼が何体もおり、泳いで渡ることも不可能。
- 雅の顔を催した独特の貨幣や紙幣を造っており、付近にある換金所にて人間と交換して換金する。歌舞伎町で働く男は右腕に線状の刺青をしており、線の本数が多いほど位が高いとされている。
- 歌舞伎町は表向きはかつて舌喰い様が死んだ妻のために作った吸血鬼達の鎮魂の町であり、歌舞伎町内にいくつか存在する岩には鎮魂のための血が捧げられている。
- しかし、実際には元凶とも言える雅への復讐のために作られており、歌舞伎町の地下深くには雅に対抗するための抗ウイルスを作る研究所のほか、舌喰い様の妻、お陽菜が密かに匿われている。上記の鎮魂のための血は全てお陽菜が居る血の池に集められている。この事実を知っているのは舌喰い様の腹心や一部の吸血鬼のみであり、事実を知らされた小春たちは怒りを露わにした。
- 舌喰い様とお陽菜の敗北後は耐ミサイル型の変異種が全員逃走し、大量の国連のミサイルが降ってきて跡形もなく消滅した。
- 竹馬街
- 日本橋川から神田川にかけて存在する吸血鬼最大の賭博場。雅の息子の一人である宮本篤が治めており、名前も彼の下の名前『篤』(=竹+馬)が由来となっている。
- 川とその上に位置する高速道路の間が壁で覆われており、外からは見えないためミサイル除けにもなっている。川の上に存在する集落のため、移動するには船が必要。賭博場以外にも飲食街や吸血鬼の住居も存在し、家族でここに引っ越した者も居る。
- 竹馬街には3つの派閥が存在し、日々派閥同士の争いが行われている。各派閥の間には派閥争い強制終了用の扉が存在し、一度閉めたら2日間は絶対に開かない。
- 船頭曰く、篤に会うには3つの派閥のボスがそれぞれ首にさげている鍵を全て集めなければならないらしい。
- 光頭族(こうとうぞく)
- 竹馬街の3つの派閥の内の1つ。名前の通り構成員は全員頭が禿げている。ボスは立花様。
- 竹馬街入口から見て最も手前のエリアを縄張りとしており、パチンコ台が大量に並べられている。何でも賭け事を行う風習があり、相手が死ぬまでの時間をギャンブルするなど賭け事が盛り上がれば何でもよい。中でもイカサマには厳しく容赦のない制裁を下す。
- 明が起こした争いの末、ユカポンとネズミがこのシマに取り残される。やがて捕まるが立花様の賭け事に勝ち、2人とも生還した上に光頭族の鍵を手に入れる。
- 大阪
- 近畿地方の都市。雅に成りすました西山が、ユキ(邪鬼)を利用してボスとして支配下に置いていた。
- 箱根
- 大涌谷等がある都市。金剛がボスとして君臨している。
- 芦ノ湖遊覧船
- 芦ノ湖に浮かぶ、巨大な海賊船型の遊覧船。鮫島兄弟がリーダーとして、吸血鬼から逃れるためのアジトとして利用している。船内は男女で別々に分けられており、鮫島以外は自由に出入りできなかった。
- 遊覧船は2隻あり鮫島兄弟が1隻ずつ持っていたが、精二の船は吸血鬼の襲撃を受けた挙句死神に乗っ取られる。
- ロープウェイ
- 大涌谷にあるロープウェイ。電気が通っていないため動いていなかったが、鮫島がマニュアルを読んで予備電源で動かす。
- 金剛の拠点へ向かうため明達が乗った。途中でエテ公が襲撃して来たが、終点付近で明がワイヤーを切って難を逃れた。
- 明治屋ホテル
- 金剛が拠点としているホテル。玄関は今まで金剛が脱皮した皮が高く積み上げられており、天井には何人か人間が吊るされている。ホテルの部屋のいくつかは血塗れになっており、荒らされた形跡がある。金剛は屋上の部屋にいる。
- その他
-
- ショッピングモール
- 屋号にJOSCOと書かれているショッピングモール。かつて岩田健太と葉子がよく行っていたが、現在は吸血鬼のアジトの一つとなっている。人間を監禁する牢屋があり、血樽が多数置かれた血飲み場もある。
- 明が雅の居場所を聞き出すため、健太と共に潜入する。しかし少し前に吉昭が邪鬼化したことにより既に壊滅状態となっており、のちに邪鬼化したユリが出入したことで天井や壁が突き破られる。
- トンネルの要塞
- 生き残った人間たちが吸血鬼から身を守るため、高速道路のトンネルのバリケードで塞ぎ、要塞状にした場所。入り口には威嚇のため吸血鬼の首が吊るされている。中では車が部屋替わりになっており、ソーラーパネルで自家発電しているため電気も通っている。
- 要塞を建ててしばらくは吸血鬼を寄せ付けずにいたが、ユキ(邪鬼)の力で一撃で入り口が破壊される。その後は西山の提案により、これ以上要塞を破壊しない代わりに毎週一人ずつ生贄を捧げるよう要求される。
- ^ 「兄貴編 第三夜」は、『月刊ヤングマガジン』2009年第1号に掲載された読み切り作品で、2010年1月6日の時点では単行本には未収録であった。このCD付属のブックレットが初商品化となる。なお、2011年1月6日発売の単行本『彼岸島 兄貴編』が刊行された際に、全3話のうち最終話となる「第三夜」として収録された。
- ^ 「彼岸島 兄貴編〜血塗られた両手〜」は、このDVD・Blu-ray付属のブックレットが初商品化となる。なお、2011年1月6日発売の単行本『彼岸島 兄貴編』が刊行された際に、全3話のうち「第二夜」として収録された。
- ^ 新作記念として、3分間で本編序盤から最終決戦までを語る内容となっている
- ^ 先述のように、人が当然のように死に、また人間と吸血鬼との共存が不可能である作品設定であるため、本来はギャグ漫画としては成立しない。
- ^ 明が兄・篤を倒し、501ワクチンを入手した後。
固有名詞の分類
- 彼岸島のページへのリンク