岡山電気軌道 その他の事業

岡山電気軌道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/10 01:40 UTC 版)

その他の事業

たまうどん(飲食業)
2022年9月23日開業。岡山電気軌道の新規事業として、両備グループが開発を進める複合型施設杜の街グレース内のフードホールにて、子会社の和歌山電鐵の駅長たまの名を冠したうどん屋「たまうどん」の営業を開始。また店のロゴや制服は同施設の総合デザインも監修した両備グループデザイン顧問でもある水戸岡鋭治が監修。将来的には和歌山での展開も視野に入れている[31]
京山ロープウェー(索道
1956年開業。岡山電気軌道が市内の京山に開業した「京山ロープウェー遊園」のアクセスとして設けられた(運営は岡山観光索道株式会社、のちに岡山電気軌道の直営となる)。全長はわずか160mで、日本では3番目に短いロープウェイとも言われる。夏のおばけ屋敷などで人気を博したがその後入場者の減少により1998年に閉園、ロープウェイも営業休止となった。
その後遊園地経営の「おもちゃ王国」が経営を引き継ぎ、1999年より「岡山スカイガーデン」として営業を再開、ロープウェイも営業を再開した(岡山電気軌道は撤退)。運行は10分間隔で、乗車券は岡山電気軌道の時代からロープウェイ単独での購入はできず、往復運賃と遊園地の入園料がセットとなっていたが、2007年5月5日を最後に施設老朽化などを理由に閉園された。

事業撤退が表明された鉄道路線の運行支援

2003年3月に鉄道事業法が改正されて鉄道事業への参入・撤退・譲渡の規制が緩和されて以来、岡山電気軌道は、運行事業者が運営から撤退(廃止)することが表明された路線の運行支援に積極的に手を挙げている。

以下のいずれも沿線自治体が施設を保有する上下分離方式による公設民営が検討された路線で、岡山電気軌道が直接運営するのではなく、別途運営会社を設立し、岡山電気軌道は経営・運行ノウハウの提供を行う形での支援を表明している。

名古屋鉄道 岐阜市内線揖斐線美濃町線田神線
最初に、2004年に名古屋鉄道(名鉄)が撤退を表明した上記600V線区の運行支援を申し出た。これを受け岐阜市は名鉄と資産譲渡交渉に臨んだが金額が折り合わず、また岐阜市長が財政難などを理由に存続断念を発表したことで支援は実現しなかった。4路線は2005年4月1日に全線廃止された。
日立電鉄 日立電鉄線
2004年に廃止が表明されたことで同線沿線都市の常陸太田市が後継事業者を募集。これに応募を検討したが、施設・事業の全面譲渡を考えていた常陸太田市とは条件が合わず断念。日立電鉄線は2005年4月1日に廃止された。
なお茨城県では、鹿島鉄道鉾田線)や茨城交通湊線)の廃止発表後に引き継ぎの支援協力先として、この時点で次項の貴志川線の運営を南海から引き継いだ実績を作った岡電の名前が挙がったことがある(前者は2007年3月限りで廃止、後者は2008年4月よりひたちなか市と茨交合弁の「ひたちなか海浜鉄道」に移管)。
南海電気鉄道 貴志川線
続いて、利用者の伸び悩みから2004年8月に南海電気鉄道が2005年9月末を以って撤退することを表明し、鉄道事業廃止届出書が提出された貴志川線について、和歌山市貴志川町(現・紀の川市)が公募していた事業引き継ぎ先に応募。2005年4月28日、9つの企業・個人の中から岡山電気軌道が選ばれ、事業を引き継ぐことが発表された。事業参入・撤退・譲渡の規制緩和以来、公募による事業引き継ぎは初めてのことである。
運行開始は2006年4月1日からと計画された。しかしそれでは一旦廃止されてしまい、改めて鉄道事業許可を受ける必要が生じる。そのため、和歌山市などが南海電気鉄道に撤退期限の延長を求め、南海電気鉄道がこれに応じたため、岡山電気軌道が和歌山市に2005年6月27日に設立した新会社「和歌山電鐵」のもとで、2006年4月1日から運行が開始されている。
北海道ちほく高原鉄道 ふるさと銀河線
経営が苦しく廃線の方針を打ち出した第三セクター鉄道の北海道ちほく高原鉄道に対し、廃線に反対する住民団体の求めに応じる形で2005年に経営引き受け等の協力を申し入れた。また、地元紙に申入書の内容が意見広告として掲載された。しかし、地元自治体の負担を協力条件の一つにしていたため、北海道ちほく高原鉄道の株主でもある地元自治体から賛意は得られず2006年4月21日に廃線となった。

電気事業(廃止)

岡山市内の電気事業は1894年の岡山電燈を嚆矢とし、電気事業を独占していたが供給量が不足かつ高料金であるという問題があった。岡山電気軌道は会社設立後電燈電力供給事業の兼営を申請し、1913年11月兼営許可書が下付されると。1914年8月より営業を開始した。この事業は拡大し一時は電車運輸収入を上回るほどであった。しかし備作電気と岡山水力電気が設立されることになり、過当競争による値下げ合戦をしいられることになった。このため岡山電気軌道は電車事業が好調であったことから電燈電力供給事業を譲渡することに決定し1926年7月に中国合同電気に譲渡されることになった[32]


注釈

  1. ^ 両備グループ代表・和歌山電鐵代表取締役社長などを兼務。
  2. ^ 和歌山電鐵代表取締役専務を兼務。
  3. ^ 共同運行時に、津高営業所線が半田山ハイツ線・津高台団地線に統合され、路線数としては3路線となった。
  4. ^ 三菱ふそうエアロバスKL-MS86MP、西日本車体工業製のボディ
  5. ^ 移管と同時に愛称名を「リョービエクスプレス」に改称。
  6. ^ 共同運行後は3路線。
  7. ^ 天満屋バスセンター - 岡山駅 - 市役所前 - 大元駅法務局入口 - おおもと病院 - 今五丁目 - 西市本村公園 - 平田中央 - 中仙道 - 北長瀬駅前
  8. ^ 新岡山港、ふれあいセンター、山陽学園大学、湊・倉益、岡大付属小学校、妹尾、重井病院、コンベックス、中庄、RSKバラ園、清心高校、クラーク高校の各路線で、免許距離 30.8km。
  9. ^ 両備ホールディングス(両備バス)・下津井電鉄でも同時にサービス開始。
  10. ^ 140円は1989年(平成1年)10月1日改定。120円区間は1999年(平成11年)12月14日設定(当初は100円)、2022年(令和4年)10月1日改定。
  11. ^ a b 「たま電車」は2010年10月13日の項目では7101号だったが、2013年3月15日の項目では7001号となっている[27]
  12. ^ 岡山駅西口の場合、券売機は2台置いてあるが、IC対応はそのうちの1台だけ。
  13. ^ 循環運行時には、岡大入口 → 岡大西門 → 福居入口 → 岡大北口 → 津島東三丁目 → 岡山理科大学 → 津島東三丁目 → 保育所前 → 岡大西門 → 岡大入口の順に運行。
  14. ^ 問屋町 → 西小学校前の順に運行。
  15. ^ 伊福町三丁目 → 伊島校前 → 生涯学習センター(サイピア) → 京山 → 別所 → 伊福町三丁目の順に運行。伊福町三丁目 → 伊島校前間で京山入口には停車しない。
  16. ^ 停留所名は後楽園・藤原団地方面バス停が「RSK本社前・美術館前」、天満屋BS・岡山駅方面バス停が「美術館前・RSK本社前」。
  17. ^ 団地入口 → 藤原光町 → 藤原団地 → 清水 → 団地入口の順に運行。
  18. ^ 岡南産婦人科入口 → 福吉町 →福島郵便局前 → 海岸通 → エブリイOkanaka岡南築港店前築港元町 → 三浜町の順に運行。
  19. ^ 岡南産婦人科入口 → 福吉町 →福島郵便局前 → クラレ岡山前 → 北浦渡船場 → 中央市場 → エブリイOkanaka岡南築港店前 → 築港元町 → 三浜町の順に運行。
  20. ^ 急行運転区間は、運行開始当初は岡山駅 - 洲崎間だったが、その後岡山駅 - 豊成間に短縮され、さらに岡山駅 - 清輝橋間に短縮された。
  21. ^ 岡山ろうさい病院入口 → 岡山ろうさい病院 → 第一ひかりこども園前の順に運行。
  22. ^ 新保北 → 新保南 → 新保 → 西市デイサービスセンター前 → 西市団地 → 泉田北 → 新保北の順に運行。

出典

  1. ^ a b c d e f 鉄道統計年報平成29年度版 - 国土交通省
  2. ^ 岡山電気軌道 - 両備グループ新卒採用サイト
  3. ^ 国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』令和元年度版、電気車研究会・鉄道図書刊行会
  4. ^ a b 10月1日から岡山地区のバス・路面電車で利用可能なICカードを拡大 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2017年9月27日
  5. ^ 岡山電気軌道 会社概要
  6. ^ 両備岡電デジタルのりもの博物館 岡山電気軌道 路面電車のあゆみ
  7. ^ a b 『電気協会中国支部十五年史』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  8. ^ 『電気事業要覧. 第9回』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 『電気事業要覧. 第18回 昭和2年2月』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 岡山電気軌道 新・路面電車ロケーションシステムを設置』(プレスリリース)岡山電気軌道、2016年4月5日https://ryobi.gr.jp/news/229/2022年6月8日閲覧 
  11. ^ 岡山電気軌道株式会社申請の軌道事業の特許 〜路面電車が岡山駅前広場に乗り入れ、利用者利便性が向上します〜』(PDF)(プレスリリース)国土交通省鉄道局都市鉄道政策課、2020年3月11日。 オリジナルの2020年9月14日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200914055315/https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001332245.pdf2020年9月14日閲覧 
  12. ^ 両備ホールディングス ニュースリリース 2009.6.29
  13. ^ 両備グループ、不採算31路線で廃止届 バス主力路線の他社参入に反発 - 日本経済新聞、2018年2月9日
  14. ^ 両備、バス廃止届撤回へ 自治体との協議会開催で - 日本経済新聞、2018年3月14日
  15. ^ 岡山電気軌道・両備HDによる共同経営が、4月1日から始まります 〜独占禁止法特例法に基づき共同経営を認可〜』(PDF)(プレスリリース)国土交通省総合政策局地域交通課、2021年3月25日。 オリジナルの2021年3月25日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20210325133232/https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001394679.pdf2021年3月25日閲覧 
  16. ^ NPO法人公共の交通ラクダ
  17. ^ 「エコ公共交通大国おかやま構想実現の提言」 ~世界一のエコ公共交通都市を岡山市において実現~
  18. ^ 岡山市路面電車ネットワーク計画
  19. ^ 路面電車乗り入れ事業費が倍増 完成時期ずれ込み、岡山市試算 - 山陽新聞、2022年1月15日
  20. ^ 令和4年2月14日市長記者会見
  21. ^ 岡山電気軌道、「チャギントン」とコラボ 路面電車に観光車両導入へ - 産経ニュース、2018年1月13日
  22. ^ 岡山電軌、観光電車「チャギントン電車」を導入『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2018年1月19日
  23. ^ a b 岡山電気軌道「おかでんチャギントン」キャラクターを観光電車に”. マイナビニュース. マイナビ (2019年3月15日). 2019年12月30日閲覧。
  24. ^ “赤と青「チャギントン」電車出発 岡山市中心部走る予約制観光車両”. 山陽新聞. (2019年3月16日). https://www.sanyonews.jp/article/880660 2019年12月30日閲覧。 
  25. ^ 「おかでんチャギントン電車」誕生!』(プレスリリース)両備グループ、2018年10月25日https://ryobi.gr.jp/message/5103/2018年11月11日閲覧 
  26. ^ おかでんチャギントン”. 岡山電気軌道 (2018年10月1日). 2018年11月11日閲覧。
  27. ^ 岡山電気軌道株式会社News(2013年3月18日閲覧)
  28. ^ バスで”. 岡山桃太郎空港. 2019年8月4日閲覧。
  29. ^ 岡山電気軌道 空港リムジンバスにチャギントンラッピング車両登場』(プレスリリース)両備グループ、2019年10月22日https://www.ryobi.gr.jp/news/5540/2019年12月29日閲覧 
  30. ^ 路線経路変更のご案内” (PDF). 岡電バス (2019年1月10日). 2019年1月18日閲覧。
  31. ^ 岡山電気軌道が「うどん屋」開業!出汁にこだわり、店名は「たま駅長」由来……って、それは和歌山の路線じゃないの? - 鉄道ニュース 2022年10月28日
  32. ^ 『おかでん七十年の歩み』岡山電気軌道、1980年、173頁






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