大阪駅北地区 大阪駅北地区の概要

大阪駅北地区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 22:48 UTC 版)

グランフロント大阪(2014年)
大阪駅北地区(2007年)

再開発を行う地域全体の新しい名称は「うめきた」(梅北)と2011年に実施された公募・投票により決定、2013年4月に開業した先行開発区域(うめきた1期地区)の施設名は「グランフロント大阪 (GRAND FRONT OSAKA)」である。都市公園やオフィスビル、ホテルなどで構成される後発開発区域(うめきた2期地区)の名称は「グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)」に決定し、現在建設が進められている。2024年9月に一部開業、2027年春に全面開業の予定[1][2]

概要

大阪駅梅田駅近郊の開発中の商業区域であり、大阪駅北側にあった梅田貨物駅付近のコンテナヤードは"大阪最後の一等地"であるといわれている。梅田北ヤードの総面積は約24ヘクタール (ha) で、そのうち約7 haが先行売却され、先行開発区域としてグランフロント大阪2013年4月に開業した。また、北ヤード隣接地の旧大阪鉄道管理局跡(一時期、JR西日本本社)には、2001年11月に商業複合施設ヨドバシ梅田」が開業している。

発展が著しいことから、2022年の公示地価では、大阪駅に近いグランフロント大阪南館(大深町4-20)が大阪市の商業地としての最高価格地点を記録している[3]

梅田北ヤード(うめきた)の開発

近畿の産学官で構成する「大阪駅北地区街づくり推進協議会」では、同地を市民が憩いを楽しめるゾーンと産業活性化のためのゾーン、商業施設のゾーンなどに分けて整備を進めていくことがまとまった(関連記事2 大阪日日新聞掲載)。最初は東側の区域を先行開発区域と位置づけて2005年度の着工を目指し(2013年4月に開業)、西側はそれから5年前後遅れて整備を進める予定という(2015年度から)。

先行開発区域(うめきた1期地区)

貨物機能移転問題

梅田北ヤードの約70%の面積を占める梅田貨物駅を、吹田操車場跡地 (50.2 ha) への全面移転する当初の計画に、騒音・大気汚染などを懸念していた地元が反発した。そのため1999年に、大阪市内にある百済貨物駅(13.6 ha)に貨物駅機能の半分を移転させることで事業主体の国鉄清算事業団(現:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)、関係自治体などが基本協定を結び、環境影響評価などの手続きが進められていた。そして、2006年2月10日に関係5者の間で貨物機能移転計画の着手合意協定書が締結され、2006年度の早期に全面着工することが決まり、2010年度中に貨物機能の移転を完了する予定となった。

しかし、吹田市の「住民投票を求める吹田市民ネットワーク」などの移転に反対する市民団体・住民は住民投票を求めており、住民投票条例案の提案に必要な約6,000人分を上回る約4万人分の署名を集め、条例の制定を吹田市に直接請求した。このため、阪口善雄吹田市長は条例案制定に反対する意見書を付けて臨時議会を招集し、2006年4月17日から審議していたが、2006年4月24日に建設委員会において採決が行われ、委員8人中5人が反対票を投じ反対多数で否決された。また、2006年4月26日に吹田市の臨時議会で住民投票条例案の採決が行われたが、反対票24・賛成票11により反対多数で否決され、これにより移転問題は決着した。

後発開発区域(うめきた2期地区)

周辺の開発

JR大阪駅周辺の梅田地区では、2000年代後半から百貨店の立て替えなどによる再開発が各所で行われている。

三越伊勢丹

現在のルクア1100

大阪駅再開発事業となる「大阪ステーションシティ」が2011年5月に開業した。北ヤードに面する北側には高さ150メートル(m)の高層オフィスを含む複合ビル「ノースゲートビルディング」が完成、テナントには百貨店三越シネマコンプレックスフィットネスクラブなどが入居する予定であったが、百貨店については三越伊勢丹ホールディングスが出資するジェイアール西日本伊勢丹が運営し、店名は「JR大阪三越伊勢丹」となった[4]。その後、業績不振により同店は2015年4月1日に閉店。翌日からは「ルクア1100」としてリニューアルオープンし、隣接する「ルクア」と一体的な商業施設「LUCUA osaka」として運営されている[5]

アクティ大阪増築計画

大丸梅田店

さらに2005年1月、大阪駅南側のアクティ大阪に隣接する形で地上15階建てのビルを増築させることが決まり、ここに大丸梅田店が増床出店、当初の売り場面積(4万平方メートル (m2))の1.6倍に当たる6.4万m2相当の売り場面積に拡大することが発表された。愛称も新たに「サウスゲートビルディング」として2011年3月に完成、その後大丸梅田店も同年4月19日にグランドオープンした。

阪急百貨店うめだ本店

阪急百貨店うめだ本店も、これらの再開発計画や施設の老朽化が著しいことなどを受けて2005年2月に同梅田店を地上41階地下2階建て、高さ187mのオフィスビルをはじめとする、新・梅田阪急ビルに一新することを発表した。阪急百貨店では工事期間中も引き続き営業しつつ段階を追って改築工事を進め、まず南側部分を同年夏から取り壊し・改築が行われ、2009年9月3日に第1期分が先行開業した(オフィスタワーを含めた南側部分は、翌2010年4月に竣工)。その後、残る北側部分の取り壊し・改築が行われ、2012年11月21日にグランドオープンした。


  1. ^ 「グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)」に決定 三菱地所”. www.mec.co.jp. 2023年2月11日閲覧。
  2. ^ うめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」 - 公式サイト”. うめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」 - 公式サイト. 2023年2月11日閲覧。
  3. ^ 令和4年地価公示結果について (大阪市)”. 大阪市計画調整局. 2023年8月9日閲覧。
  4. ^ 大阪駅新北ビルにおける百貨店事業主体について (PDF, 209 KiB)
  5. ^ ルクア大阪について LUCUAホームページ
  6. ^ インターコンチネンタル・ホテル、梅田北ヤード進出交渉 (2009年10月9日読売新聞)
  7. ^ “大阪最後の一等地”梅田北ヤード再開発 Archived 2010年6月30日, at the Wayback Machine.
  8. ^ 「医療観光」海外大手、大阪・梅田北ヤード進出へ [リンク切れ]
  9. ^ 「うめきた」の大阪市研究施設、京大・阪大など参加 日本経済新聞 - 日本経済新聞(2011年10月15日)
  10. ^ うめきたの緑地化を提言 関西経済同友会が橋下構想を支持(SankeiBiz 2012.3.5 17:06)
  11. ^ 再開発:「グランフロント大阪」上棟式 13年春オープン 毎日新聞 2012年03月14日 11時29分
  12. ^ 【インターコンチネンタルホテル大阪】インターコンチネンタルホテル大阪、2013年夏に開業予定
  13. ^ うめきた再開発 橋下市長の一声で道幅縮小検討 読売新聞(2012年9月19日)
  14. ^ 大阪・うめきたプロジェクト 来年4月にまちびらき 住宅新報(2012年10月3日)
  15. ^ 関経連、うめきた2期地区に都市機能案 全面緑化から修正 日本経済新聞 2012年12月11日
  16. ^ 「グランフロント大阪」のまちびらき日の決定について~「ショップ&レストラン」「ナレッジキャピタル」も同日にオープン~ (PDF)
  17. ^ グランフロント大阪 「うめきた広場」他、まちのオープンスペース名称決定 (PDF)
  18. ^ a b 日本維新の橋下共同代表ら安倍首相と会談 日テレNEWS24 (提供元:読売テレビ) 2013年4月9日18:17配信 2013年4月10日閲覧
  19. ^ うめきた2期区域、国支援で取得案 大阪府市が要望へ”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2013年4月9日). 2013年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月10日閲覧。
  20. ^ グランフロント大阪で竣工式 26日のオープン目前に産経新聞 2013年4月18日11:21配信 2013年4月21日閲覧
  21. ^ 先行区域、2013年春完成 再延期せず、3月下旬着工へ
  22. ^ グランフロント大阪:「うめきた」中核施設、4月26日開業へ 毎日新聞(2012年9月28日)
  23. ^ インターコンチネンタルホテル大阪、6月開業へ-記念宿泊プランも 大阪日日新聞(2013年3月15日)
  24. ^ グランフロント大阪内「インターコンチネンタルホテル大阪」が開業 梅田経済新聞(2013年6月5日)
  25. ^ うめきた新駅:大阪市、来年度予算に設計委託費計上へ毎日新聞 2014年01月23日
  26. ^ うめきた2期開発 優秀20事業者決定…大阪市読売新聞 2014年3月28日(Web Archiveのキャッシュ)
  27. ^ 「うめきた2期区域まちづくりの方針」を決定 大阪市 都市計画局企画振興部うめきた整備担当 2015年3月30日
  28. ^ うめきた2期区域用地暫定利用事業者エントリー募集について 大阪市 都市計画局企画振興部うめきた整備担当 2016年3月2日
  29. ^ うめきた2期区域の暫定利用を行う事業者を決定しました 大阪市 都市計画局企画振興部うめきた整備担当 2016年6月2日
  30. ^ 9月から参加型庭園や音楽イベント開催など、大阪「うめきた2期」の暫定利用 日経BP社 新・公民連携最前線 リポート 2016年6月30日
  31. ^ 10月定例社長会見 JR西日本ニュースリリース 2016年10月12日
  32. ^ 引用エラー: 無効な <ref> タグです。「mainichi20180712」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません
  33. ^ 「うめきた(大阪)地下駅」と「大阪駅」の改札内連絡通路の整備 並びに「うめきた(大阪)地下駅」の駅名について:JR西日本
  34. ^ 東海道線支線地下化・新駅設置:JR西日本
  35. ^ a b うめきた2期 今後の取り組み 基盤整備 UR都市機構 西日本支社 うめきたプロジェクト うめきた2期区域 今後の取り組み
  36. ^ 環境ナレッジ設置盛る 大阪・梅田北ヤード2期開発 [リンク切れ]
  37. ^ 引用エラー: 無効な <ref> タグです。「mec20200325」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません


「大阪駅北地区」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「大阪駅北地区」の関連用語

大阪駅北地区のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



大阪駅北地区のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの大阪駅北地区 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS