大連ソフトウェアパーク 大連ソフトウェアパークの概要

大連ソフトウェアパーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/03 20:23 UTC 版)

大連ソフトウェアパーク
大連ソフトウェアパーク(遠く黄海を望む)
各種表記
簡体字 大连软件园
拼音 Dàlián Ruănjiàn Yuán
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大連ソフトウェアパーク建物群の模型図

大連ソフトウェアパークは中国に11か所ある「国家ソフトウェア産業基地」の1つで、また「ソフトウエア輸出基地」の1つでもあるが、大連市はその中でも唯一の「ソフトウェア産業模範都市」である。現在、大連ソフトウェアパークに進出している企業数は約400社であるが、そのうち「フォーチュン」誌のグローバル・トップ500企業が32社を占めている。

世界のIT業務の海外アウトソーシングへの流れ

世界の先進国のIT関係の仕事は膨大になっており、最近各社は常に要員不足とコスト高に悩まされていて、社外へアウトソーシング(委託)する例が多くなっている。世界の趨勢は国内の地方アウトソーシングから、発展途上国などへの海外アウトソーシングへ向かう傾向になっており、こうしたIT委託業務は、アプリケーション・ソフト開発、組み込みソフトの開発、研究開発などのITO(IT Outsoucing)、データ入力、コールセンター、人事・総務会計業務などのBPO(Business Process Outsourcing)がある。

インドのバンガロール

インドでは、大学以上は英語で勉強するような英語に強い事情、19701980年代の早くからIT教育に力を入れて、バンガロールに代表される地域に欧米からのIT関連アウトソーシングが殺到している。

大連市のソフトウェア産業の始まり

大連市でのソフトウェア開発は比較的早期に始まり、中国で改革・開放が始まった1980年代の末に、西郊外に大連ハイテクゾーン(大連高新技術園区)を設立している。1990年代前半には、海外からのソフトウェア開発依頼も始まり、DHC(大連華信、もと大連市コンピューターセンター)、Hisoft(大連海輝)などの大連地元の企業もこの大連高新技術園区に設立されて、日本の先進的なIT企業(NTTデータ、NEC、日立ソフトなど)がおもにアプリケーション・ソフト開発の委託を行なってきた。

大連ハイテクゾーン

大連ハイテクゾーン(大連高新技術産業園区)は、1980年代末に、北郊外の製造企業を中心として集める大連開発区の創立と呼応して、西郊外の旅順南路沿いの大連理工大学東北財経大学がある学園研究地区に設立されて、高新技術園区管理委員会が管理している。ビルはほぼ私営の各会社が建てており、奥の方は薬品・機械製造会社などもある混合型の工業区で、大連市に早くからあるIT企業(DHC、Hisoftなど)はここに立地している。

大連ソフトウェアパークの誕生

1990年代後半に入り、大連ハイテクゾーンのある西郊外に、大連ソフトウェアパーク(総面積3平方キロ)が、1998年に設立されている。ここは3方が山に囲まれ、1方が海に囲まれた起伏に富んだところで、大連理工大学、東北財経大学などがある学園研究地区である。

このプロジェクトは私企業(億達集団)が出資して、億達集団のグループ会社(大連ソフトウェアパーク(DLSP))に、土地の整備、建物の建設・管理、人材の育成、国内・海外への宣伝・誘致をまかせたもので、こうした事業は中国では通常政府系の管理委員会は行なうので、初めての試みといわれている。

その沿革

発足とほぼ同時に、東軟グループ(中国語名:東軟集団、英文名:Neusoft Group、本社:中国遼寧省瀋陽市)が入園し、また園内に東軟集団と大連ソフトウェアパークとの共同出資で、中国でも当時めずらしい私立の東北大学 東軟情報大学(東軟信息学院)が設立されて、IT専門家(プログラマーなど)の教育も始まった。日本企業としては、アルパイン、松下通信などが早くから入園して、また日本企業から中国企業へIT業務アウトソーシング(ITO; 中軟軟件、共創軟件など)および一般業務アウトソーシング(BPO; 大連信華など)が来ている。

そして、21世紀に入ると、欧米企業(Genpact(GEの子会社)、IBMHPSAPなど)が、特にその日本子会社のソフトウェア開発・情報サービスのアウトソーシングを始め、現在は欧米の業務も増やしており、また大連を日本語韓国語英語中国語広東語も含めた東アジアのセンターとする企業も出る(DellHP)など、国際化の真っ只中にある。




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