吉祥寺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/19 01:16 UTC 版)
由来は旧北多摩郡吉祥寺村であり、武蔵野市(武蔵野村・武蔵野町を含む)に1889年(明治22年)から1962年(昭和37年)までは大字として存在した。
地理
武蔵野市の東端に位置する。現在、武蔵野市内で町名に「吉祥寺」を冠する地区は、吉祥寺本町(ほんちょう、一丁目〜四丁目)、吉祥寺北町(きたまち、一丁目〜五丁目)、吉祥寺東町(ひがしちょう、一丁目〜四丁目)、吉祥寺南町(みなみちょう、一丁目〜五丁目)があり、これらを合わせた面積は4.21km2で武蔵野市全体の約38%を占める[1]。さらに御殿山(一丁目・二丁目)と中町(一丁目〜三丁目)を合わせた範囲がかつての大字吉祥寺である。
街はJR中央線および京王井の頭線の吉祥寺駅を中心として碁盤の目状に広がっている。小高い台地の上の平坦な場所にひらけているが、南端で三鷹市井の頭と接する付近のみ傾斜地になっている。
1957年(昭和32年)からの旧国鉄中央線高架複々線化計画に対応するため、吉祥寺駅周辺都市計画調査特別委員会が1960年(昭和35年)に設置され、また同年に国立市へ移転する東京女子体育短期大学跡地の貸借権を買収。これらを受けて東京大学工学部都市工学科高山英華研究室に委託した吉祥寺駅周辺都市計画案と、これをベースに昭和40年代から当時の武蔵野市長に就任した後藤喜八郎の下で構想された「回遊性の高い街づくり」を実現するため、吉祥寺駅を中心とした東西南北の十字線上に四つの大型商業施設が設置されている。なお、高山が都市計画案の作成にあたって参考にしたのは、オランダ・ロッテルダムのライバーン商店街だと言われている[2]。2010年2月時点でこれらの商業施設群に入居しているテナントは、東=ヨドバシカメラマルチメディア吉祥寺、西=東急百貨店、南=丸井、北=コピス吉祥寺である。これら四つの大型商業施設の合間を埋めるように中小のビル群が立ち並び、多種多彩な商店や飲食店が軒を連ね、いくつかの商店街を形成している。代表的な商店街としてサンロード、ハモニカ横丁、平和通り、ダイヤ街などが挙げられる。
商業地域の外郭は東京多摩地域有数の高級住宅街で、多種多様な著名人等も居住している。商業地域と住宅街の近接性、新宿駅や渋谷駅など主要駅に電車一本でアクセスできる利便性、井の頭恩賜公園や三鷹の森ジブリ美術館などの行楽地が至近であることにより、市場調査会社などが主催する「住みたい街ランキング」で度々全国第一位に選出されている。
また、吉祥寺地域は古くから安養寺、光専寺、蓮乗寺、月窓寺という4軒の寺が集まる寺町である。特に寺が集中している武蔵野八幡宮(八幡神)の付近の地域を「四軒寺」(しけんでら)と呼ぶようになっていったと語り伝えられている。吉祥寺通り(東京都道116号関町吉祥寺線)と女子大通りの交差点を「四軒寺交差点」と称する。なお、四軒寺という名前の寺があるわけではない。
範囲
前述の通り、吉祥寺本町、吉祥寺北町、吉祥寺東町、吉祥寺南町を合わせた範囲が現在最も狭義での「吉祥寺」であり、さらに御殿山と中町を合わせた範囲がかつての大字「吉祥寺」である。後者の場合は三鷹駅に面した場所も含まれる。
一方「吉祥寺駅周辺」の意味で用いられる「吉祥寺」は、この範囲とは若干のずれがある。例えば武蔵野市御殿山と三鷹市井の頭にまたがる井の頭恩賜公園は「吉祥寺にある公園」と見なされている。『Hanako』(マガジンハウス)などの雑誌の吉祥寺特集では、吉祥寺駅から概ね1kmの範囲を「吉祥寺」と呼ぶこともあり、東は杉並区松庵や西荻北、西は三鷹市下連雀、南は三鷹市井の頭や牟礼、北は練馬区立野町近辺までを含むこととなる。
人気のある地名であることから、不動産会社では三鷹市井の頭や下連雀、練馬区立野町にあるアパート・マンションを「吉祥寺の物件」として紹介していることが多い。また、京王線の千歳烏山駅、仙川駅、つつじヶ丘駅などから徒歩でアクセス可能の三鷹市内の物件の場合でも、「吉祥寺からバスで〜分」と紹介される場合がある。
「吉祥寺通り」周辺では、吉祥寺の名前を一部に冠する事業所やマンション等が、駅から2-3km離れた相当遠方まであり、北は練馬区関町南の店から、南は三鷹市新川の物件まで存在する。
交通
鉄道・バス
吉祥寺駅を参照。
道路
吉祥寺は下記の主要路線が交わり、各道路が東西南北に平行し、その囲まれた真ん中に吉祥寺駅及び中心街が広がる構造になっている。吉祥寺大通りを除いて車線数や車線幅は広くない。詳細は各道路の記事を参照。
- ^ 武蔵野市 - 市の面積変更に伴う町丁目別面積の変更について - 各町丁目の面積及び各町の面積の構成比 (PDF)
- ^ https://www.asahi.com/and/article/20180330/150443/
- ^ 【ぶらりふらり】吉祥寺(1)住民が団結 風俗街に歯止め『朝日新聞』朝刊2018年12月6日(第2東京面)2019年9月19日閲覧
- ^ 『角川日本地名大辞典』1149頁。
- ^ 『吉祥寺今昔写真集』64-65頁
- ^ アップリンク吉祥寺
- ^ 『吉祥寺今昔写真集』138-139頁で、1970年当時の吉祥寺駅南口に「井の頭ボーリングセンター」があるのが確認できる。
- ^ 「吉祥寺今昔写真集」149頁掲載の写真において、ミドリヤの看板の下に「サンデーボウル B2レーン」の看板があるのが確認できる。
- ^ マチベンの事務所が吉祥寺にある設定.
- ^ a b c d ムサシノ吉祥寺で映画を撮ろう!
- ^ あんてるさんの花 公式サイト
- ^ さよならケーキとふしぎなランプ
- ^ 「臨場 劇場版」ヒットの裏に死体役の“無言の熱演” - スポニチアネックス
- ^ ウォーカームック 吉祥寺Walker 61806-55 株式会社KADOKAWA
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