博物画 博物画の概要

博物画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/23 08:57 UTC 版)

デューラー

アルブレヒト・デューラーの『犀』に代表されるように、16世紀ヨーロッパで博物学と共に発展した。美術における静物画: nature morte)とは異なり科学性が重視され[2]、正確な観察には博物学や解剖学の知識も不可欠であったことから学者の指示を受け作画が行われた[1]。中国には花鳥画の伝統があったが、気(自然のエネルギー)の描出のため背景を重視する花鳥画とも異なり、博物画では背景は描かれないか簡略化される傾向にあった[1]。屋外で素早く写生する必要性から速乾性のガッシュが用いられ、後にはこれを銅版画に起こし、点描で陰影をつけ手彩色も行われるようになった[2][1]

19世紀には写真が登場するが、描いた者の手と認識を通した写真にはない説明性・抽象化があるため、今日でも図鑑や医学書などではイラストレーションが用いられ続けており[3]、サイエンティフィック・イラストレーションやテクニカルイラストレーションとも繋がっている[2]


参考文献

  • 日本グラフィックデザイナー協会 教育委員会, ed. (2000-04-10), VISUAL DESIGN3 イラストレーション 改訂新版, 東京: 六耀社, ISBN 4-89737-374-3 
    出典部分(「図鑑のなかのイラストレーション」)の筆者は荒俣宏。第1版は1993年刊行。
  • 京都造形芸術大学, ed. (1998-05-20), イラストレーションの展開とタイポグラフィの領域, 情報デザインシリーズ, Vol.1, 東京: 角川書店, ISBN 4-04-651401-9 
    出典部分の筆者は榎本了壱。
  • 吉田, 光邦; 東野, 芳明; 多木, 浩二 (1979-9), “[鼎談]図示表現の意味=認識と伝達機能の位相”, 美術手帖 (美術出版社) (454) 
    特集「イラストレーション=文化の図解」

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